兵士の思い沁みる【バンド・オブ・ブラザーズ】【硫黄島からの手紙】『インセプション』キャスト出演受賞作
車椅子の海外ドラマ・映画レビュアーNorikoです。
今回は、第二次世界大戦中の悲惨な戦争の真実に迫り、スティーヴン・スピルバーグ『エクスタント』『BULL/ブル 法廷を操る男』の製作総指揮のエミー賞受賞海外ドラマ『バンド・オブ・ブラザーズ』、アカデミー賞受賞映画『硫黄島からの手紙』を、戦争体験者でない筆者の私の日常問題や、キャストの意外な接点交えご紹介します。
互いに思い合い対等に接する姿に胸打たれる2作品は現在、Amazonプライムビデオにて配信中です。
時間を脱出して第三次世界大戦を防ぐミッションに挑む、クリストファー・ノーラン監督最新作『TENET テネット』の9月劇場公開を記念して、現在IMAX&4D上映中の、同監督の代表作で大ヒット映画『インセプション』
『インセプション』でイームス役のトム・ハーディが『バンド・オブ・ブラザーズ』に、『インセプション』でサイトウ役の渡辺謙が『硫黄島からの手紙』に出演しています。
私は、戦争経験者ではないですが、身体が不自由で自分の意志とは関係なく体が動いてしまい、力が入り過ぎて口の中を噛みしめ、年中口内炎が出来ている状態で、どこかにぶつけては擦り傷やアザが絶えず、この身体と上手く付き合いながら生活しています。
事故により障害者になった方も知っているので、戦争の悲惨なシーンを見るたびに似たような経験の記憶が思い起こされ、身体の自由を奪われる登場人物に感情移入しやすいです。
1.バンド・オブ・ブラザーズ
1944年6月のノルマンディ上陸から、1945年のドイツ降伏までのヨーロッパ戦線で戦ったパラシュート歩兵連隊の、激動の人間ドラマを描いた
製作に3年を費やし、製作費1億2000万ドルの本作は、ゴールデングローブ賞やエミー賞など34部門を受賞した
苦しい訓練に耐えた兵士が、戦死者など悲惨な光景広がる中、励まし合い戦い続ける、兵士の葛藤する姿が胸に突き刺さる
上官と部下を交えて戦況を議論する、上下関係ない兵士たちの平等性が垣間見え興味深い
状況の激変によって正気を失っていく兵士や、無残に殺されていく兵士の姿に、戦争の悲惨さを考えさせられる
実際に戦地で戦った方々が当時の様子を語るインタビュー映像や、色調抑えつつ兵士の姿を追う展開、戦況を記したエンディングは、上質なドキュメンタリー作品を観ているかのよう
兵士役を演じたトム・ハーディ『マッド・マックス 怒りのデス・ロード』『ダンケルク』の祖父は元軍人で、『ダンケルク』でのインタビュー時に、ダンケルクにいたはずだ、と語っている
イギリスの1100エーカーの敷に12エーカーの村用のセットを造り、11の欧州の村を再現
オーディションでは、スティーヴン・スピルバーグがカメラを回し、スピルバーグと共に製作を手掛けたトム・ハンクス『グレイハウンド』が演技の指示を出した
トム・ハンクスの息子、コリン・ハンクス『FARGO/ファーゴ』が兵士役で出場している
本作に出演し、軍事アドバイザーとして、訓練の指揮を手掛けたのは、ベトナム戦争で海兵隊として戦った、元兵士で俳優のデイル・ダイ
映画『プラトーン』『7月4日に生まれて』などで出演・軍事アドバイザーを兼任、『ミッション:インポッシブル』や『ナイト&デイ』、海外ドラマ『フォーリング スカイズ』なども出演している
訓練は1日18時関行い、兵士役のキャストは同じ兵舎で泊まった
キャスト
ダミアン・ルイス『HOMELAND/ホームランド』
ロン・リヴィングストン『ボードウォーク・エンパイア 欲望の街』
アイオン・ベイリー『コバート・アフェア』
マシュー・セトル『ゴッシップガール』
ロス・マッコール『24:リブ・アナザー・デイ』
スコット・グライムズ『ER緊急救命室』
フィリップ・バランティーニ『チェルノブイリ』
デヴィッド・シュワイマー『アメリカン・クライム・ストーリー/O・J・シンプソン事件』
ニール・マクドノー『レジェンド・オブ・トゥモロー』
マイケル・カドリッツ『ウォーキング・デッド』
サイモン・ペッグ『ザ・ボーイズ』
ジェイソン・オマラ『エージェント・オブ・シールド』
マイケル・ファスベンダー『X-MEN:ダーク・フェニックス』
ジェームズ・マカヴォイ『X-MEN:ダーク・フェニックス』
ドニー・ウォルバーグ『身代金』
2.硫黄島からの手紙
太平洋戦争末期の、1945年2月19日から、36日間にわたり続いた硫黄島の戦いを描き、アカデミー賞サウンド編集賞・ゴールデングローブ賞外国語映画賞受賞の、クリント・イーストウッド『アメリカン・スナイパー』監督作
戦地へ配属された、兵士の故郷への切ない思いが綴られた手紙が、ナレーションの様に語り掛けてくるシーンに胸迫る
パン屋を営んでいたり、オリンピック出場した過去を懐かしむかのように、兵士の過去が描かれ、信念持ち複雑な心境秘めながら、苦渋の決断下す兵士の姿が胸に突き刺さる
孤立した硫黄島で、米軍を熟知し分析続け戦略練る栗林中尉の切ない姿、相手の立場に立って敵味方関係なく接する、兵士の姿に胸打たれる
硫黄島の戦いを、日本軍側の視点で描き、家族を思い無念さ募らせ自決していったた兵士や、惨状目の当たりにして、戦争を決して繰り返してはいけないと強く思った、戦後75年の終戦記念日だった
音楽は、クリント・イーストウッドの息子、カイル・イーストウッド『J・エドガー』
クリント・イーストウッドは、硫黄島を防衛した栗林中尉に魅せられ、原作がない本作を製作した(硫黄島の戦いを米軍側の視点で描いた『父親たちの星条旗』は原作がある)
本作のリサーチは、手紙を集めた本から進めたが、日本兵の生存者が少なかった為に難航した
『父親たちの星条旗』と『硫黄島からの手紙』は同時進行で撮影した
主に撮影はマリブで行ったが、1日だけ硫黄島へ行けたものの、神聖な場所とされ、穴を掘る事も許されなかった
だが、摺鉢山や洞窟など、硫黄島の戦いの場所の風景は撮影出来た
原案/製作総指揮は、『クラッシュ』でアカデミー賞を受賞したポール・ハギス
キャスティングは高田ゆみ『スーサイド・スクワッド』
原案/脚本は、日系アメリカ人二世のアイリス・ヤマシタ『Lil Tokyo Reporter』
時には台本に書かれていない言葉で、俳優がアドリブで兵士の複雑な感情を表現した
『父親たちの星条旗』『ノーマル・ハート』『ザ・プロム』『ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌』のエリン・クルーガー・メカシュ率いるスタッフチームがメイクを手掛けた
キャスト
渡辺謙『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』
二宮和也『検察側の罪人』
伊原剛志『ラスト・ナイツ』
加瀬亮『誰も知らない』
中村獅童『SPIRIT』
裕木奈江『ツイン・ピークス The Return』
松崎悠希『パイレーツ・オブ・カリビアン/生命の泉』
尾崎英二郎『エクスタント』
渡辺広『ラストサムライ』
坂東工『レイン・フォール/雨の牙』
マーク・モーゼス『ザ・ラストシップ』
ロクサーヌ・ハート『TRUE DETECTIVE/迷宮捜査』
『硫黄島からの手紙』キャスト・スタッフの接点作品
・渡辺謙、松崎悠希、渡辺広、尾崎英二郎は、映画『ラスト サムライ』に出演
・渡辺謙は、スティーヴン・スピルバーグ製作総指揮の映画『SAYURI』に出演、スティーヴン・スピルバーグ製作総指揮の映画『トランスフォー/ロストエイジ』では侍型のオートボット、ドリフトの声を演じた
・渡辺謙と加瀬亮は、社会派映画『ベル・カント とらわれのアリア』で再共演を果たした
・『硫黄島からの手紙』キャスティングの高田ゆみは、尾崎英二郎、松崎悠希、渡辺広出演短編映画『八人目の侍』のキャスティングを担当
・尾崎英二郎は、スティーヴン・スピルバーグの製作総指揮海外ドラマ『エクスタント』に出演
・松崎悠希、尾崎英二郎は、第二次世界大戦でドイツと日本が勝利して、アメリカを占領している設定の、Amazonプライムビデオ歴史改変SF海外ドラマ『高い城の男』に出演
『高い城の男』主役は、映画『ファーザー』のルーファス・シーウェル
・伊原剛志と尾崎英二郎出演の最新作映画『ヤクザ・プリンセス』は、2021年公開予定
ゴジラ関連作品に出演した渡辺謙と尾崎英二郎
渡辺謙は、映画『GODZILLA ゴジラ』で芹沢猪四郎博士を演じている
大久保中尉役の尾崎英二郎は、海外ドラマ『レジェンド・オブ・トゥモロー』で1954年の映画『ゴジラ』の監督を手掛けた本多猪四郎を演じている
3.尾崎英二郎と短編
『硫黄島からの手紙』の大久保中尉役、尾崎英二郎は、アイリス・ヤマシタが関わった短編映画『Lil Tokyo Reporter』に出演、ASIANS ON FILM 映画祭で助演男優賞を受賞した
インタビュー記事
『Lil Tokyo Reporter』は、活動家兼ジャーナリストで、日系一世の人権を守るため闘った、藤井整の活躍を描いた、ロサンゼルスのリトルトーキョーが舞台の短編映画
主演は、1997年の短編映画『ビザと美徳』を監督し、アカデミー賞受賞したクリス・タシマ
私は、リトルトーキョーを舞台にした短編コンテスト、イマジンリトル東京 ショートストーリー・コンテストに今まで2回応募しているので、いつかは受賞を夢見ています。
今年のコンテスト受賞式は、新型コロナウイルスの影響でオンラインによる授賞式となりました。
上記に記した、リトルトーキョーが舞台の短編映画『Lil Tokyo Reporter』に出演の尾崎英二郎さんが、日本語部門の受賞作品『戦場の漫画家』を朗読しました。
漫画家が夢の日系二世の青年の、戦争の残酷な経験や家族への思いが切なく綴られた胸打たれる作品
家族や戦場の光景が鮮明に思い浮かび切なさに涙し、脳裏や目に焼き付き、いつまでも心に残ります。
2021年の応募期間は、2021年2月28日まで
『硫黄島からの手紙』キャスト情報
二宮和也主演映画『浅田家!』が、ワルシャワ国際映画祭 にて、最優秀アジア映画賞を受賞した
映画『旅のおわり世界のはじまり』に出演の加瀬亮が、アジア・フィルム・アワードで最優秀助演男優賞した
現状と夢の狭間で揺れ動く主人公を、ぶっきらぼうながら優しく励ます役を、加瀬亮が演じ心に響き、太平洋戦争にまつわる話が興味深かった
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ご一読頂き、ありがとうございました。
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