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ナッジあるある:2位「学んでよかった、行動経済学」

登場人物 ドクター紅(くれない):ナッジの魅力に気付いた公衆衛生医師。竹林博士:ナッジの面白さを伝えるのが大好きな研究者。

紅:いよいよ「ナッジあるある」、2位ですね!

竹林:2位は「行動経済学を学んでいるうちに、他人の間違いに寛容になった」です。

紅:確かに竹林博士はあまり怒らないですよね。

竹林:腹が立つことは多いのですが、行動経済学の知見がブレーキをかけてくれます。

紅:どういうことでしょう?

竹林:行動経済学を学んで痛感したのは、「人間はバイアスの影響から逃げられないこと」です。コロナ騒動になって多くの人は、同調圧力が強くなったり衝動的になったりと、癖のある行動をする傾向が強まり、その背景にはバイアスがあると考えられます。

紅:「人間はバイアスの塊」-これは竹林博士の持論ですよね。

竹林:今まで私はひどいことを言われると、相手が根っからの悪人に見えて、相手を懲らしめてやろうと思っていました。でも、行動経済学を勉強してからは、「相手はバイアスに駆り立てられ、ついあんなこと言っちゃったんだな」と考え、自分が武装解除した感じになりました。大人になると、怒ったらそれで全てが終わることも多いですしね。

紅:そう思います(笑)。

竹林:相手がバイアス的行動の傾向が強いとわかったのなら、そのバイアスを作動させないか、バイアスの作動する瞬間に私がいなくなるという対策も打てるかもしれません。

紅:そんなことできますか?

竹林:私の目標です(笑)。とにかく、怒りに任せてケンカしても、相手が心から謝罪するわけでもなく、それよりはやめてほしい内容を静かに指摘した方が相手の心に届きます。

紅:精神医学的にも正しいと思います。

竹林:英国の経済学者・マーシャルは、「経済学を学ぶ者には”冷静な頭脳とあたたかい心(Cool head, but warm heart)”が求められる」と言いました。時代や状況は変わっても、他人へ思いを馳せる心は忘れてはならないと考えます。行動経済学を学んで、この言葉の真意が少しずつわかってきた気がします。

紅:2位になると、さすがにいい話になりますね。10位を聞いたときにはどうなるかと思いましたが(笑)。

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竹林/津軽弁のナッジ研究者
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