人間失格 太宰治と3人の女たち
わたしは蜷川実花のファンだ。
あの煌びやかな艶かしいネオンの世界観が好きなのだ。
だから今までも彼女が手がけた映画『ヘルタースケルター』なんかは好きで、何回見たか分からない。
『人間失格 太宰治と3人の女たち』
そんな彼女の新作が出たということで、早速見に行ってきた。
基本的に鬱病なので、普段は自主的に出かけようなどしないのだが、今日は違う。
雨だろうが関係ない。
時間があったので観に行くしかない!と思い、わざわざ六本木まで行き観に行ってきた。
わたしの苗字は津島という。
太宰治の本名は津島修二というから、太宰治には親近感がめちゃめちゃ湧く。あと鬱も同じ。
多分辿れば親戚だと思う。そう信じてやまない。
父の実家が太宰治の実家の近くなので行ったこともある。
明治時代の家とは思えないとんでもない大豪邸なので、青森に行く機会があったら是非。
話を戻すと、今回は『人間失格』というタイトルだけども別に『人間失格』自体を映画化したわけではない。
まあ人間として失格な、恥の多い人生を送ってきた太宰治。言ってしまえばドクズだし。
そんな彼の人生にフォーカスをしつつ、彼が妻と愛人と関わりあいながら『斜陽』『人間失格』を執筆し、愛人と自殺を図るまでを描いた映画だ。
映画はもうわたしの大好きな蜷川実花ワールドが全開だった。
煩いくらいの色彩美が、ワンシーンごとに目に飛び込んでくる。
そこで太宰が愛人たちと「死ぬ気の恋」をする。妻がいるだろお前は〜〜!
あと、小栗旬の色気がとんでもないことになっていた。エロ〜い。
ちょっとネタバレをすると、太宰が雪の日に道で倒れ喀血するシーンがある。
すると雪が白い花へと変化し、はらはらと降ってくるのである。
わたしには、太宰治にはそのような幻覚がいろいろと、きっと見えていていたのではないかと思う。
太宰治は、天才だ。
「恥の多い人生を送ってきました。」という『人間失格』の冒頭。そして、死に際に長編小説を2ヶ月程度で書き上げるという文豪の魂。
とてもじゃないけれど、その辺の人には思いつかない冒頭だし、死にそうな時に小説を書くなんて無理すぎる。
太宰治は、きっとわたしたち凡人とはクスリや酒を抜きにしても見えていた世界は違かったのだろうと思う。
もっとカラフルだったり、モノクロだったり忙しない世界が見えているんじゃないだろうか。
それこそ蜷川実花のような世界観。ギラギラと輝く世界が見えていたと思う。
だからこそ、堕ちて堕ちて死んだ。
わたしはそう思う。
きっとひとつ青空を見るだけで、わたしのような凡人は「綺麗なスカイブルーだ。」と思うけれど、きっと天才の思い浮かべることは違うと思う。
もっと飛んだ発想をするのだと思う。
映画自体は、恐らく賛否両論あると思う。
わたしは蜷川実花ワールドが大好きだから、とても楽しめたけれど。
他人の映画レビューを読んでいたら、若手俳優を使い過ぎだとか、内容が薄いだのいろいろ書いてあった。おもしろい。
わたしはFilmarksというアプリで見た映画のレビューを書いているので、『斜陽』ではなくもっと『人間失格』を命がけで書くシーンを増やして欲しかったかなと書いた。
わたしはまた後日、映画館に行って観に行ってこようと思っている。
ちゃんと『人間失格』を読みこんでから行きたいな。
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