楽しいことも、吐き気がするものも、全部飲み込む空の下に連れ去ってくれる8年ぶりのマスドレ -[No New World] MASS OF THE FERMENTING DREGS-
光しかなかった。
MASS OF THE FERMENTING DREGS、通称「マスドレ」の8年ぶりアルバム「No New World」
以前より楽しみにしてやまなかった新アルバム。
ツイートを見た瞬間、あ!リリース今週だった!と思わず声が出る。
次の瞬間、忘れないうちに購入。
いそいそと。
うっしゃあ!きた!
どきどき。どきどき。
プレイリストはスローモーションリプレイが最後なのか、じゃあもう全然どんなのが飛び出てくるかわからないな。
仕事終わりの帰りの電車で、ようやく初めて音源を流して目を閉じる。
- 01. New Order -
音源が流れて3秒で、身震いした。
そうだ、これが私の大好きな声。
のびやかで、ただ聞いているだけで、しまっていた自分のエモい部分を引きずりだされるかのような裏声。
その場で嬉し泣きしてしまいそうなくらい、私の中の大好きなマスドレがそこにいた。
No New World
そうだ。
彼らは最初からそう伝えている。
新しい世界なんてないのだと。
メンバーが変わっても、宮本菜津子(Vocal&Bass)がソロ活動を経験した後でも、変わらない姿を届けてくれたマスドレ。
特筆すべき変化としては、
小倉直也(Guitar&Vocal)
という表記。
Cholasじゃなく、Vocalとして役割を与えられているメンバーの出現。
これがもたらす影響を真っ先に感じたのが3曲目。
- 03. だったらいいのにな -
01. New Order, 02. あさひなぐ と待ち焦がれた宮本菜津子(Vocal&Bass)の声にひたっていたら、突如殴り込みをかけてくる男性ボーカル。
この先の曲たちが不安になる。
ツインボーカル体制にして、どこまで変わるのか。
ちょっと構えて聴き続ける。
- 04. YAH YAH YAH -
ちょっと待って、まさかのド直球。
2ndアルバム「ワールドイズユアーズ」あたりに戻ったかのような錯覚を覚えて倒れそうになりました。これたったの50秒。
だんだんストーリー性のあるアトラクションにでも乗っている気分になってきました。続けて聴いてみましょう。
アルバム名を冠した5曲目。
- 05. No New World -
あ、あれ、これはなんだ、何を伝えたいんだ?
絶望か?
戸惑いながら、私はただ、流されていく。
- 06. HuHuHu -
きた。男性ボーカル。
あぁ、こわいよこわいよ、どうなっちゃうんだろう。
菜津子さんのハモりが入った瞬間に安心する。
コーラスではいつになくpopなマスドレをみて、これが新メンバーの要素なんだなと受け入れはじめる。
でも間奏は相変わらずの重たいマスドレサウンドが全面に出てきて、ちょっとにやけてしまう。
popな要素をいれても、pop一直線にはしない。もしかしたら、できないのかもしれない。そんな彼らのことが、ボーカル菜津子さんだけじゃなくバンドとして、変わらず好きだという気持ちをかみしめる。
-07. Sugar-
あぁああああ、でもやっぱり菜津子さんの声が好き!と叫びたくなる。
情緒不安定か。
間奏の臨場感が既にライブっぽくて、思わず電車の中で体を揺らしてしまいそうになる。
まぶたの裏では2010年12月11日に行われた渋谷CLUB QUATTRO(当時ギター担当だったちえみさんの脱退ライブ)でのライブが蘇る。
この曲は演奏していないというのに。
-08. スローモーションリプレイ-
あ、知ってる曲出てきた。
「そうかーこれでこのアルバム終わっちゃうのかー」
あんなに浸っていたくせに、急に現実へ戻る。電車から降りて、家へと向かう道すがらで。
幸福な27分間が終わる。
私は家に着く。
さぁ、これから何度でも、この幸福にひたろう。
だって、マスドレは帰ってきた。
それだけで、私の生活はこんなにも光に溢れる。
そんな素敵なことが実感できる、こんなにも幸せな帰路が過去あっただろうか。
全曲トレーラー動画がアップされていたので貼っておきます。
1曲め「New Order」のボーカルの声に魅せられた人なら、そこでもう購入を決める価値のあるアルバムだと思っています。iTunesたったの1,500円。やすっ。
このアルバムをひっさげたツアーチケットももちろん買いました。
過去の積み重ねの上にいる彼らに会えるのが、今から楽しみです。
音楽ヲタな一面も見せるTwitterはこちらですー。