春日武彦『屋根裏に誰かいるんですよ。』
一人で孤独に暮らす老人や精神を患った人が、ある日突然「屋根裏に誰かいるんですよ」などと言い出す事例が少なくないという。
これは精神疾患の症状のひとつと考えられている。いわゆる妄想や幻聴ってヤツですな。
彼らはいつも「屋根裏」に潜むナゾの存在に怯え、抗いながら、懸命に日々を生きている。
そもそも、なぜ一様に「屋根裏」なのか。
「隣の部屋」や「軒下」、あるいは「地下」じゃいけないのか。
江戸川乱歩の人気作『屋根裏の散歩者』をはじめ、世の中には「屋根裏」をモチーフにした創作が数多く存在している。
「屋根裏」が内包する魔力に人が魅了され、狂わされる時、彼らの脳内では果たしてどんなメカニズムが働いているのか。
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という事で、メチャクチャ面白かったというか、興味深かったですなぁ。
屋根裏の闇と、病者たちが抱える心の闇、その両者には奇妙な親和性のようなモノがあると知り、まさにメカラウロコ。
ところでワタシみたいなオカルト好きは、こうも考えるんすよ。
「屋根裏には、実際に何かが存在してるんじゃないか」と。
例えば瀕死の重傷を負った人や、危篤状態の人がしばしば訪れると言われている「三途の川」。
そんなにたくさんの人が同じモノを見るって不思議じゃないですか。
なぜ三途の池や湖、滝じゃないんだろう。
ワタシはズバリ「三途の川」が、どこか別の次元に、実際に存在してるんじゃないかと考えるんすよねぇ。
そして人はある特殊な精神状態に置かれている時、その次元にアクセス出来るようになるんじゃないかしら。
「金縛りにあった時、幽霊が見えた」ってのも同じ理屈。その瞬間、霊界に片足突っ込んでるんじゃないかしら。
また人為的かつ意図的に別次元にアクセスするためのツールが「儀式」だったり「薬物」だったりするんじゃないかしらね。
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メンタルやられてる時に、そっと屋根裏を覗いてみてください。
誰かがじっとあなたを見つめてるかもしれないですよ。