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呼吸の話

息が声に及ぼす影響とは?

息に関して言及されることは多いでしょう。「息のスピードを上げる」というアドバイスは特によく耳にします。
実際に息のスピードが上がった場合、声にどのような影響を与えるのでしょうか?これを理解するためには、まず声の本質を考える必要があります。

声は「音」であり、音は「波」です。そして波はエネルギーの一種です。つまり、私たち人間は、自分の体内で生み出したエネルギーを声という形で発しているのです!
重要な点は、人間の体がエネルギーを作り出す唯一の器官が「筋肉」である、ということです。筋肉の力みこそが、声の根源となるエネルギーを生み出しているのです。

この筋肉の力みは体内の空気に伝わり、空気圧となります。人間の体はエネルギーを効率よく変換できる仕組みを持っていて、「声帯」はその一つです。
声帯は、空気圧を「音波」に変換する役割を果たしています。

ここで「エネルギー保存則」という物理の法則を思い出してください。力みが生じると、それは体内の内圧に変わり、その内圧が呼吸器内の空気に圧力をかけます。次に、その圧力が声帯に伝わり、声帯がその圧力を音波に変換するのです。
声は単なる音ではなく、体内で生成されたエネルギーの最終的な産物なのです。

息のスピードとエネルギー効率

ここで「息のスピード」が関わってきます。速度もまたエネルギーの一形態です。もし、空気にエネルギーが余っているとすれば、それは空気のスピードとなりますが、それはつまり、力みがすべて音に変換されていないということを意味します。エネルギーの一部が無駄に残され、結果として「燃費の悪い」声の使い方になっているのです。

理想的な声は、すべての力みが音波に変換され、空気を効率的に使っている状態です。息のスピードを上げることが目的ではなく、むしろ、筋肉のエネルギーを最大限に音に変換することが目標なのです。空気が無駄なく音として使われているとき、声は豊かで効率的に響くものとなるでしょう。

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