地震日記
あっ、この人は。7月2日朝日新聞夕刊の記事が目に留まった。私がボランティアに行ったときにお世話になった方が、被災直前から金沢市に避難するまでの5日間のことを『地震日記』という本にして出版していた。
私がお手伝いした石川県珠洲市の銭湯は県外から移住した若者達が運営しているが、彼らもまた被災者だ。本を出版したのは運営者代表のパートナーの方で、早速取り寄せて読んでみた。「普通だったら終わりが見える揺れなのに」「揺れがおさまったときには心が透明で」「なぜか町がグレーに見える」など、日常が奪われた瞬間の心情が綴られている。また、避難生活が軌道に乗るまでの様子もよく分かる。発災後十二時間以上水しか口にできなかったこと、トイレにとても苦労したこと、余震で眠れなかったこと、食事は支給されても食べたいものは食べられないこと…。そんな中でも「みんなで迎える朝は圧倒的に心強い」「みんなストレスなく生きている(ように感じてしまう)」と、パートナーや仲間たちと協力し、日常を取り戻す姿もうかがえた。
いま、私は防災士の研修を受けている。分厚い教本の内容は災害発生のしくみや対策など多岐に渡るが、被災された方の声を聴くことで、少しは自分ごととして学ぶことができているように思う。
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