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おかしのカバ

僕はカバだ。
名前はムー。

僕は みんなより 1回りも2回りも体も大きい。

おこったことはないけれど、勝手におこったら怖いと思われてて、
誰も僕のことを呼び捨てにはしない。
だから、みんなにはムーさんって 呼ばれてる。
 
今から話すのは、そんな僕に
あった不思議でとってもおかしなお話だ。

その日は、とても暑くて、目がさめたら汗でびちょびちょだった。
汗をながすために 僕は 川にむかうことにした。

M(よっこらせっと。 あついな〜〜〜〜まったく〜

    ノシノシドシドシノシノシドシドシ

 獣道は木陰になっているところが いっぱいだ
 だけど。それよりも太陽の日差しの方が強い。

ムー( 葉っぱたちめ。もっと役にたてよ〜!!)

ちょっとイライラしながら、歩いていたんだ。

ゴン(お〜〜い ムーさん〜〜 おーい ム〜さ〜〜ん  
     お〜いってば〜 ム〜〜〜!!ムー!!!)

そうそう あのカラスのゴンだけはちがった。、

いや〜別に呼び捨てにされたって構いや〜しないけど、
ムーさん ってよんだり ムー って呼び捨てにしたりして
なんか からかっている感じがして、すごくいやなかんじのやつなんだ!!
それに ちょっと前 川で水浴びした帰り道
せっかくきれいになった僕の背中に
食べカスを落としてきたんだ

 あれは、絶対 わざとだ!!!

そんな意地悪でずるいカラスのゴンが僕の前に降りてきて。話しかけてきた。

ゴン(おはよ〜どこいくんだい。ムー・・・・・・さんw)

ムー(ん〜 暑いから、川に 水浴び にいくんだよ。)

ゴン(へえ そうなんだ。 じゃあ ムーさん。いいこと教えてあげるよ。
川の向こうの三角池には行かない方がいいぞ!
なんか、蛇のやつらがうじゃうじゃいて、こないだゾウのやつも、えらい          目にあったって噂を聞いたぞ。ありゃ〜〜〜ゾウでなきゃ 
死んでたかもしれないな〜〜
ムーさんあんたも大きいが ただではすまんぞ〜〜決して近寄らないほうがいいぞ〜〜    う〜〜〜こわいこわい〜〜〜〜)

ムー(ん〜〜 だから 僕は川に 水浴び にいくだけだよ。)
  
うっとうしなーーと思いながら 僕はゴンに答えた。

ゴン(へぇ〜〜〜そうかい。 そりゃよかったよ。 じゃあまたな 
 ムーさん。)

     バサバサバサバサ!!!!
ゴン( おい ムー!!あんたの歩く速さなら、川につくのは明日かもな〜 〜〜 カァ〜〜〜カァ〜〜〜カァ〜〜〜)

と 鳴いて飛び立っていったんだ。

ほんと 嫌なやつだ。

しばらく歩いて
川のほとりについた。

ムー(さあ やっと水浴びができるぞ。あああ  
 にしても暑い暑い ) 。 

   ざぶーー=====ん

ムー( ぷは〜〜〜〜きもぢ===い こりゃきもちぃぃいいい)

しばらく川で 水浴びして 涼んでいると、カラスのゴンが言っていたことが あたまによぎった。

ゴン <三角池には行かない方がいいぞ>

ムー(あいつはいやなやつだ、そんなゴンがそういうなら、もしかしたら、、、ほんとうはなんか隠してるのかも・・・)
興味が湧いた僕は、川の反対側に渡って、三角池に行ってみることにしたんだ。

ノシノシドシドシノシノシドシドシ

しばらく歩くと三角池の横に立っている古い木が 見えてきた。

僕が まだ小さい時は、たまにこの池で遊んだりしたけど、いまでは、ほかの動物もあんまり来ないのか、
濃い緑色の水の三角の形をした池 の周りは草がボーボーと生えていて 
この木がなかったら、池を見つけれないかもしれない。

池の周りのボーボーの草に立ちすくんでた。

ムー(ああ、たしかに蛇がいっぱいいそうな気がしてきた。。足元が草でよく                                          見えないし。ああ しまった。やっぱりくるんじゃなかった。)

僕は怖くなって やっぱり池につかることもせずに、戻ることにしたんだ。

    ぽちゃ〜ん 

ん・・・・・なんだ!?  振り返ると 池の水に 小さな 波模様ができていた。

なんだろ〜とおもって、池を覗き込んだ時。

   バシャーーーン

と 突然 白い服をきた人間の女の子が たっていた。
不思議なのは、立っていたんだ。  
沈むはずの 緑色の水の上に。

ムー(なんだなんだなんだ〜〜〜!!!  誰だきみは〜〜?)

姫  (私はこの池の妖精よ。 )

ムー (よ う せ い??)

姫(あら、なに〜。またどんぐりだったのね。 
 もう紛らわしいわ。この どんぐりの木
 せっかく誰か が 来たと思ったのに!!)

僕はぽか〜〜ん としていた。

姫  (あああそう、カバさんにいってもわからないかもしれないけど、私はこれでも、有名なのよ。鉄の斧を銀の斧や金の斧にかえることでね。
キラキラキラーン ってね>

姫  (あああ それにしても、ひまだわひまひま。も〜〜〜まったく。ひまよ。最近だれも寄り付かないし、池に何も落とさない。落ちてくるのはどんぐりとカラスがおとすミミズくらいだわ・・・・ 
ああこれじゃあ 妖精に産まれた私も 台無しだわ!)

姫(それにもうーーーなんだって、こんなに草ボーボーなのよ。
 これじゃあ人間のこどもが遊びにこれないじゃない。)
     
カバの僕は、おおきな口をあんぐり開けて、ただ、一人でペラペラしゃべる不思議な女の子を見ていたんだ。

姫(あ そうそう、かばさん。おなまえは?

ムー(ムーー   ・・・・ です・・)

姫 (ムー?? わかった じゃあ  ムーたんって呼ぶね。 ムーたん。お願いがあるの。
この池の周りのボーボーに生えた草。 全部 食べてくれない??)

ムー(ええええええ!!)

姫 (お礼はするわ! あなた 体が大きいから 何日かここにきては 食べ尽くしてほしいの。そうしたら、きっと人間の子供 たちもここにくるようになるわ!!ねえお願い! 
私は 妖精だから、お願いされることは多いけど
妖精の私からの お願い なんて とても貴重なことよ!!    
    
ねえ、ムーたん。 じゃあ よろしくね〜〜〜〜))))

  そういうと、女の子は水の中に沈んでいった。

ムー(ええええええ!!)

まあ とても不思議な体験だったし、朝から何も食べてなくて お腹もすいてたから、試しに、と 足元の草をたべてみたんだ。

むしゃむしゃむしゃむしゃ。。。。むしゃむしゃむしゃ むしゃむしゃむしゃむしゃ。ごくり
むしゃむしゃむしゃ、、、、、、、どれくらいたったんだろう。

池の周りの草は 今まで食べたことないくらいに とても美味しくて、
気がつくと、夢中に食べていた。

そして 離れたところからでも 三角池が丸見えになるくらいに 食べてしまっていた。

ムー(ねえねえ)

僕は 池に沈んでしまった 女の子に呼びかけた。

ムー( おーいおーい   ねえねえねえねえ  )

ムー(あ、そうだ なんか落とすとかいってたっけ。

足元にある、小石を蹴飛ばして池の中におとした。

・・・・・・・

   バシャーーーーン

姫(ハーイ 私は妖精よ。あなたの落としたのは・・・・・
   って。 あら、ムーたんだったのね。 なに? まだいたの?)

姫  (ん???って あれ〜 池の周りが綺麗になってる。
   まさか、ムーたん    もう食べ尽くしてくれたの? 
   こんなに早くたべれるなんて、、、、、
   まあたしかに 魔法をかけて美味しくは しといたけど、 それにして     もすごいわ さすがカバさんね。)

姫  (あ、そうそう 約束だわ、なにも池におっことさなくていいから。
    ムーたん。なんでも言って。お礼をさせてちょーだい!!)

ムー (ええええ!! 別に・・お礼と言われても、僕も今まで食べたことな  い美味しい草をたくさん食べれたし。  んんんん 別に〜〜)

姫 (ほら、さあ 遠慮しないで!!!

  そうね〜〜〜〜 んんん 何がいいかしら。
  あ、そうだわ さっきもいったけど、最近やってくるカラス、、
  空からミミズをおとしてくるんだけど、妖精のルールだから、
  私は、これを 投げ返してあげてるの。

ムー( なに それ?)

姫 (これは、人間が食べるお菓子よ。)

ムー( お か し  ?)

姫 (そう 人間のこどもが食べる おやつよ。)

姫( あのカラス、よほど気に入ったみたいで、何回かミミズを 落としに きてたんだけど、このまえは、蛇を 落としてきたわ。
長ければ長いほど  いいお菓子がもらえると思ったんでしょうけどね
・・・・でもこのままじゃ、この池はヘビだらけになってしまうわ
それで、もし 動物の子供や人間の子供がこの池にはいったら大変よ。

そうだわ ムーたん。 最近は人間の子供も全然来ないし、
賞味期限が切れそうな お菓子がいっぱいあるの。

お礼に それを全部 ムーたんにあげるわ。
そして 、あのカラスにも 分けてやって。
そしてもう池に ヘビをおとさないでと つたえておいてちょーだい。)))

ムー( えええ。 そうしたら、せっかく 池の周りがきれいになって、人間 の子供がくるかもしれないのに、お菓子をあげれなくなっちゃうよ!!)

姫 (だいじょうぶ!!私は 妖精よ。 おかしの 仕入れ先なんて いくらでもあるのよ。池の周り 綺麗にしてくれて ありがとね  ムーたん
じゃあね〜〜〜〜〜)

そういうと、女の子は すーっと水の中に消えてしまったんだ。。

そして、そのあとすぐ 

ボトボトボト  

 と池から たくさんの 人間のおかし とやらが 
僕の周りにいっぱい降ってきた。

僕は、口いっぱいに おかしをふくんで、帰ったのさ。

途中で 食べてみたけど。美味しいものじゃなかった。

帰ってから みんなにも あげたけど、全然不評だったんだ。

カラスのゴンだけが、空から それを見て 羨ましそうにしてたよ。

え、なに? ゴンにあげなかったのかって?

ううん 全部 ゴンにあげたよ。

ゴンは大喜びだった。カーカーカーと ずっとうるさかったほどさ。

それに ゴン にヘビおとさないようにも わすれずに 伝えたよ。

それから、ゴンは、僕のことを、お菓子のムーさんと 呼んでる。
なんか それはそれで、からかわれている感じもなくはないけど。

前よりも ゴンのことは、嫌いじゃなくなってるよ。

どうだった? 不思議でおかしな話だったでしょ。

ああ そういえば
あの 女の子、今頃 人間の子供達に おかし あげてるのかな??

あの池には あれからは行ってないよ。
僕たち動物がいたら 人間の子供がこわがってしまうし。

なにより 子供達がこなくて、妖精の女の子が
また ひまひまひまっていってたら。
ちょっとかわいそうだからね。

でもほんと〜〜〜は、また草が生い茂ってくれたらいいなぁ。
あの 魔法のおいしい草 食べたいし、

たまには、見にいってみようかな・・・・・・・

おしまい

※妖精 は 姫としたよ。
女の子の声で話してあげてね。


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