海外進出コラム 241217|東南アジア製造業の進化と日本が果たすべき役割
こんにちは。
一般社団法人Glocal Solutions Japan
代表の深野裕之です。
先週は、マレーシアと沖縄への出張を行い、
マレーシアでは愛知県の製造業クライアントからのご依頼で、
現地の中小製造業8社を訪問いたしました。
その中には特定分野で
トップシェアを握る有力企業が3社も含まれ、
非常に刺激的な機会となりました。
30年にわたる日本企業の存在感と
「日本流」オペレーション
今回訪ねた企業群は、
多くが約30年前の日本企業進出時に誕生した背景を持ち、
ヤマハ、パナソニック、トヨタ、ダイハツなどの
名だたる日系企業との取引実績も有しています。
工場では5Sや改善プログラムが浸透し、
一部では朝のラジオ体操が実施されるなど、
「日本流」のものづくり文化と信頼関係が根付いていました。
変化するグローバル環境について実感することがあります。
マレーシアへの期待と脅威一方、
パンデミック後の世界経済再編の中、
中国の経済減速を受けた同国製造業者の東南アジア進出が、
マレーシア企業にとって大きな脅威となっています。
特に量産品分野では中国勢の価格競争力が
優位に立つ状況が続いています。
また、米国企業は対中関税引き上げに伴う
サプライチェーンの再構築を意図し、
マレーシアを新たな調達拠点として捉え始めています。
さらに、中国のEVメーカー進出の動きも注視が必要で、
現行の自動車関税政策が転換すれば、
サプライチェーン全体が影響を受ける可能性があります。
現地の自動車産業に関わる経営者は、
タイの自動車産業のようになってはならない、
と、みなさんおっしゃっていました。
また、長年の信頼関係が生み出す
新たなビジネスチャンスもあります。
今回の訪問企業8社はいずれも、
日本企業との取引拡大を強く志向していました。
「日本企業によって育てられた」という誇りと、
共存共栄の精神が根底にあり、
長年培われた信頼関係は、
これからの新たなビジネス機会を生み出す大きな原動力です。
彼らは日本企業との長期的で堅実な
パートナーシップを求めています。
GSJとしては、この現地企業との
「信頼」の上に成り立つ関係性をさらに強化し、
日本各地の優れた技術・価値を世界へと広げることで
地方創生に貢献していきます。
皆さまからのご意見やご示唆をお待ちしております。
ともに、地域に新たな可能性を広げていきましょう。
一般社団法人Glocal Solutions Japan
代表理事 深野裕之