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グローカルコラム250129|“ローカライズ” とは
今週は、事務局長および認定専門家(クリエイティブ翻訳サービス)の
加藤 泰によるコラムをお届けします。
https://glocal-solutions.org/expert/expert-1751/
翻訳の分野でのローカライズとは?
ローカライズをする必要性も合わせてお伝えします。
是非ご一読ください。
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「ローカライズ」(localize)という言葉を聞いたことはあるでしょうか。
意味としては「その地方らしいものにする」ことですが、
翻訳の方面では「文化的表現の変更」を意味する場合があります。
たとえば英語から日本語に訳す場合、
日本人にとってわかりにくい表現が出てきたら、
ただそのまま訳すのではなく、
日本人向けに編集するということであり、
AI翻訳にはなかなか難しい領域です。
たとえば、英語から日本語に訳すときの代表的な
「ローカライズ」(ローカリゼーション)として、
次のようなものがあります。
1. 単位系のローカライズ
カタログなどの中で製品寸法がインチで表記されていたら、
メートル法に置き換える必要があります。
距離(ヤード)、重量(ポンド)、面積(平方マイルやエーカー)などの単位系も同様です。
アメリカでは未だにヤード・ポンド法が採用されていることから、
アメリカの文書を扱うときは要注意です。
2. URLのローカライズ
翻訳対象の文書にURLが含まれていた場合、
これもローカライズすることがあります。
たとえば、リンク先ページの日本語版が既に存在しているようなら、
URLに「ja-jp」等の文字列を追加するなどして
日本語版ページを表示させた方が日本人読者にとって親切です。
3. 一般常識面のローカライズ
よく知られているのは、ビジネスメールの文面でしょうか。
英語圏のビジネスメールは「Hi!」から始まり、
ごく簡潔に用件を述べ、「Regards」などの短い結び言葉で締めます。
日本語メールに慣れた目には実にそっけなく、
失礼にすら見えかねない形式です。
そこで、ビジネスメールを「ローカライズ」したら、
たとえば次のような訳になります。
Hi!
(いつも大変お世話になっております。)
Today, we are going to annouce that we launced the new product XX.
(本日より、弊社の新製品「XX」が発売されることとなりました。)
ーーーーーーー(中略)ーーーーーーー
Feel free to let us know if you have any concerns.
(ご不明な点などございましたら、お気軽にお問い合わせください。)
Regards,
(今後ともよろしくお願い申し上げます。)
David
(担当者名)
そのほかにも、企業ブログの語り口や、
企業ホームページの掲載動画など、
いずれも日本人からすると語り口が
カジュアルすぎる傾向があるので、
ローカライズを意識するなら、
原文のカジュアルさは一旦横に置いて、
「です・ます調」を使った丁寧な文章に揃えるのが適切であることがほとんどです。
以上、代表的な「ローカライズ」の例を挙げましたが、
このほかにも、たとえば欧米で有名な人物(や物事の)名前を日本人名に置き換えるといった
「名詞レベルのローカライズ」(イギリスの人気シェフ「ジェイミー・オリバー」を
「土井善晴」や「平野レミ」にする)、「言い回しや慣用表現のローカライズ」などもあります。
単なる言語の置き換えを超えた「ローカライズ」。
日本語から英語に翻訳するときも、
同じように気を配る必要があります(「グローバライズ」)。
文化的な違和感というのはあちこちに現れてしまうものなので、
それらをきちんとケアすれば、
文章は読者の心に届きやすくなり、
ひいてはそれを書いた人や企業の評価の向上にもつながるはずです。
弊社では、単なる言葉の置き換えを超え、
「ローカライズ」や「グローバライズ」に踏み込んだ
サービスも提供しております。
ご興味のある方はぜひお気軽にご相談ください。
株式会社テクノ・プロ・ジャパン 代表取締役副社長
一般社団法人Glocal Solutions Japan事務局長
加藤 泰
Mail: h-kato@glocal-solutions.org
Mail: hiroshi_kato@techno-pro.jp
HP: https://www.techno-pro.jp/