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【Glocal Shift Programme】〜最終成果報告会・後半2チーム&対話セッション編〜

こんにちは!インターン生のベル&ゆうひ&みぞです。

高校生が社会課題への提案を行い、また自分自身の人生を深めていく「グローカルシフトプログラム」🌹

今回は10/1に行われたチーム活動最終成果報告会の様子をお届けします。(※10月末から3月末にかけては個人探求活動に移ります。)
今回、高校生たちは興味関心ごとに4チームに分かれ、それぞれのチームで決めたテーマについて取り組み、課題解決の方法を提案しました。

〜チームごとの取り組みテーマ〜
 ①環境問題(主にプラスチック)について:「プリキュア3」
 ②若者の政治参画について:「日本」
 ③ジェンダー問題について:「べいびーちーむ」
 ④世界(途上国を中心)の貧困・飢餓について:「TEAM WORLD」

このnoteでは
③ジェンダー問題について:「べいびーちーむ」
④世界(途上国を中心)の貧困・飢餓について:「TEAM WORLD」
の2チームの報告と質疑応答、そして対話セッションの様子をご紹介します。前半2チームの報告・質疑応答は前半noteをご覧ください👀

▼前半noteはこちら▼


◯審査員紹介

高校生の報告に対して産、官、学、民、そして起業家の視点からこの3名に審査していただきます!!!

 ●湯川 カナ 氏(一般社団法人リベルタ学舎 代表理事/なりわいカンパニー株式会社 代表取締役/兵庫県広報アドバイザー)
 ●札谷 加奈子 氏(株式会社トモエサヴール代表取締役兼チョコレートバイヤー)
 ●中谷 真憲 氏(京都産業大学法学部教授/グローカルセンター専務理事事務局長)

▼湯川氏と札谷氏のプロフィール詳細はこちら

▼中谷氏のプロフィール詳細はこちら

◯チームの報告&質疑応答

ドキドキ&ワクワクの提案報告も後半戦に突入!前半に報告を終えたチームも、後半のチームの発表を真剣に聞いていました✨

☆べいびーちーむ(ジェンダー問題について)

会場のチームメンバー2名に加え、1名は青森からオンラインで参加してくれました。

▼タイトル
「パパもママも生きやすい社会へ」

▼発表内容
べいびーちーむは男女間の差別・区別など、性別を理由に生きづらさを感じている人がいるということを課題として取り組みました。特に生きづらさを感じている人が多いと予想した、会社の中で育休を取得しづらいことを問題として、働く人と会社、双方にとって良い育休制度を考えてくれました。解決策として人に合わせて育休が取れるように育休を義務化するという提案をしてくれました。この解決策の未完成な点として、どのように義務化するかという具体的な方法が見つかっていない、という点があること、そして「話を聞いている皆さんはどう思いますか」という問いかけを素直に伝えてくれました。

▼質疑応答
質疑応答では、チームの調査・思考プロセスが引き出されました!臨場感ある実際のやり取りをお届けします✨

湯川氏:
日本の育休制度は世界でもトップレベルだけど、実際にはあまり使われていないのが問題だよね。育休の義務化は国に動いてもらわなきゃ……と動かないままでいるのではなく「どうやって世界を変えよう」という意識が必要じゃないかな。何かしないと何も変わらないよね。
Q:育休を取得しやすい環境自体を作るにはどうしたらいいかな?
A(高校生):上司が育休を取ることによって、部下も取りやすくなると思います。現在、育休の際の給付金は給料の67%ですが、女性も男性も育休を取得するには100%にした方がいいとも考えています。また、女性が男性に「育児が大変だ」と言いづらい雰囲気があるということも問題ではないでしょうか。その逆で、男性が女性に相談しづらい悩みもあると思います。必要なのは、男性・女性それぞれの大変さがあるということへの理解、またそのふたつの意識を重ね合わせていくことだと考えています。
湯川氏:人々の根底にある意識にアプローチするのは難しいから制度に対してアプローチしたと言っていたけれど、その「意識」は必ず問題になるよね。今のみんなのお父さん・お母さんの世代は会社の中で管理職に就いてる人が多いはず。「こうやって変わらないと私たちも困る!」という娘スタンスでのアプローチも大事だと思う。

札谷氏:
育休問題の中では特に男性が育休を取れないということが問題だよね。
Q:男性が意欲的に育休を取ってくれるにはどのようにしたらいいと思う?
高校生:育休を取れない理由は考え方の違いが大きいと考えています。会社内の圧などを考えるとしんどいかもしれないけど、育児をすることによって将来的にもたらされるいい影響を考えられたらいいと思います。また、男性が思っている育児と女性が思っている育児が違うと思うので、育児体験会のようなものを開けばその意識のギャップも埋まるのではないでしょうか。また、会社に対しては人が1人抜けただけで周りに負担がかからないような制度を作ればいいと考えています。

☆WORLDチーム(アフリカの教育について)

会場のチームメンバー2名に加え、オンラインで1名が発表してくれました。

▼タイトル
「遠く離れていてもプロジェクト」

▼発表内容
TEAM WORLDはアフリカ地域の識字率の低さ、教育が十分に行き届いていないということを問題として、特に南スーダンの教育問題を解決することを目的に取り組んできました。解決策として南スーダンの学校に行けていない子どもたちにタブレットを配るという提案をしてくれました。タブレットを使うことによって識字率が上がり計算ができるようになると同時に、電子機器の操作を覚えることができるようになり、インターネット社会で生きる・働くことに役立つということを伝えてくれました。

▼質疑応答

札谷氏:
Q:タブレットを配るためにクラウドファンディングすると言っていたけれど、何をどのように伝えたらみんながクラウドファンディングに協力してくれると思う?
A:「教育を受ける権利を世界中に」というキャッチフレーズを使って、今の南スーダンの現状を説明することによって理解してもらえたらいいと思います。

中谷氏:ケニアはアフリカの中でも難民受け入れ国です。難民の4分の1〜3分の1が南スーダンの難民で占められている難民キャンプもあります。ですが、難民キャンプでは子供のための教室もノートも足りていないという状況です。
Q:ケニアの難民キャンプについて調べてみましたか?
A:調べていないです。
中谷氏:これから調べていけば良いことですね。ケニアの難民キャンプとタブレットの案を掛け合わせてもより膨らむと思いますし、すごく良いアイデア発展につながると思います。

他にも「政治が安定しない状況の中で、この手段(タブレットを配ること)はどこまで有効だと思いますか?」という問いも投げかけられていました。

この質疑応答で発見した新たな視点や、はっきりと答えられなかった質問は、この先の個人探求を通して深めていきたいですね✨

◯発表を終えての振り返り

ドキドキの発表を終え、高校生のみんなで発表の感想・振り返りを共有しました。

・案がまとまるのがギリギリになったけどギリギリまで頑張ったからこそリハーサルより良いものにすることができた
・具体的な案を最後まで考え出すことができなかった。
自分ってこんなにできるんだって思うことができた。
・先入観を取り除くことの大切さを知った。

高校生の発言より一部抜粋

◯総評・表彰

審査員の3名に高校生の発表を事前に開示していた7つの審査項目に従って評価していただきました。審査項目は以下の通りです。

①情報収集能力
②課題発見、課題解決能力(分析力)
③情報編集能力
④プレゼン能力
⑤チームワーク
⑥質疑応答
⑦世界を変える提案か

上記の審査項目に加え、審査員の皆さんが熟考・相談した上で、今回は優秀賞が1チーム、審査員特別賞が3チームに授与されることとなりました。

▼優秀賞 べいびーちーむ(ジェンダー問題について)

表彰の様子

札谷氏:べいびーちーむにはこの発表にとどまらず、この先に踏み込める可能性があると感じたので、最優秀賞ではなく優秀賞にしました。

みんなの心の中に意見はあったけれど、それらがプレゼンの中に入っていなかったように感じました。みんなの素直な意見が入っていたら最優秀賞だったかもしれません。「この先に踏み込める可能性」はこの部分にあります。

情報取集については、リサーチもインタビューもよく頑張ったと思います。

▼審査員特別賞

☆プリキュア3チーム(海洋汚染について)
札谷氏:このチームの発表で1番に感じたのはチームワークです。情報収集もできていて、海洋汚染とはどういうものかということについての理解もできていました。海洋汚染を自分ごとにできていたところがよかったです。この内容に加えて、いろんな良い案を深掘り具体的な数図を加えることができればもっとよかったと思います。

☆日本チーム(若者の政治参画について)
湯川氏:悔しいですよね。社会を変えてやる!というビジョンをもっている、そんな気持ちを1番強く感じたのはこのチームでした。だからこそもっと自分達のビジョンの実現を確実にできる案があったのではないかと感じました。想いが強くて荒削りな部分はありましたが、ここで終わってほしくないと思っています。このチームにはこの悔しさを跳ね返してやっていく力があります。これからも頑張って欲しいです。

☆TEAM WORLD(世界の貧困と飢餓について)
中谷氏:南スーダンという場所に目を向ける人は少なかったと思います。日本から離れたその国に目を向けたことがまず素晴らしいです。教育をITで考えている点が皆らしくてよかったです。確かに現地に行くのは難しいかもしれませんが是非世界を自分の目で見てほしいです。私自身、紛争地域に行った体験は今も自分の中にずしりと残っています。心に火をつけて頑張ってほしいです。

▼総評

札谷氏:自分が高校生だった頃のことを考えると、ここに来て、社会課題について取り組もうとしていること自体が凄いことだと思います。私は一貫生産のチョコレートを作っていますが、そのきっかけはカカオ生産国に行っていろんな問題を目の当たりにしたことでした。その問題をみんなに伝えたいと思ったんです。でも正しいことだけを伝えても人の心は動かせません。だから私は、みんなが喜んでくれることのなかに自分が伝えたいメッセージを少しずつ織り交ぜるよう意識しています。みんなにとって今は準備期間だと思います。この経験をこれからの行動に活かしてほしいですし、自分達に何ができるかを考えていってほしいです。

◯対話セッション

表彰を終え、続いては対話セッションに移りました。対話セッションでは3チームに分かれ、それぞれのチームで審査員の方と高校生の話し合いを行いました。第一部、第二部ではメンバーを入れ替えて対話を行っています。今回は対話セッションの一部を抜粋してお届けします。

▼対話セッション第一部

・中谷氏:この活動を"お勉強"だと思わない方がいい。自分が感じる社会の矛盾に取り組む時に、社会の負の側面に取り組むことにはなるけれど、最初の一歩目は悲壮にではなく楽しく踏み出してほしいです。今日はその一歩だったと思う。大学に行って他の探求をするにもをするにもこの一歩があるかないかで大きく違ってくるはずだと思います。

・高校生:チームで準備をしていく中で、自分があまり意見を出せていない不甲斐なさを感じました。
湯川氏:本番ではいいコメントができていたよ!対応能力がついていた!

・高校生:育休を義務化するという解決策だったけれど、具体的な例を出すことができませんでした。どうすればよかったのでしょうか?
札谷さん:途中で諦めてしまった感じが伝わってきた。諦めずに、無理にでも具体案を入れたら良かったんじゃないかな。
・高校生:私は貧困について取り組んでいました。札谷さんが実際にアフリカに行ってみて価値観が変わったことはありますか?
札谷さん:実際に行ってみて、教育の問題が深刻だったこと、麻薬や内戦の問題もありました。日本が重大だと捉えているニュースと海外が重大だと捉えているニュースは違うので、ぜひ実際に見てみてほしいです。

▼対話セッション第二部

・高校生:社会課題についていろいろ考えすぎて、スライドの中で理想を言っているだけではないか、と自分で悩みました。
湯川氏:それは伸びしろがあるということ!野球に例えると、バッティングセンターでどれだけ打てるようになっても上達しないよね。実際の試合に出て、悔しい思いを味わいながら挑戦していくこと、それしか上達の方法はないと思う。何かに"違和感"を持っていたんだね。違和感は言葉にならないセンサーのようなもの。"自分"があるから"違和感" がある。"違和感"を持ったということは"自分"がしっかりあるということ。違和感はヒントになるから大切にしてほしいな。

・高校生:総評の時に仰っていた「メッセージを少しずつ織り交ぜる」とはどういうことですか?
札谷氏:社会で起こっている問題などについて、「こうするべき」と言われていることを、ただ伝えるだけで実際に誰かの生活に反映させることは難しいよね。私はチョコレートの事業では、「美味しい」を一番にお客さんに伝えて、チョコレートを好きになってもらう……その過程で少しずつカカオに関連する社会課題についてのメッセージを込めるよう心掛けているよ。

・中谷氏:やっぱりみんな真面目だなと感じました。スキル的な云々よりも、「もやっとしていたことが残ること」自体が本当に大切。また、実際に出かけて自分の目で見ることによって新しい発見もあるはずだと思います。就職する前にもっと世界をみてほしいです。
高校生:「もやもや」に対してどうすれば良いのか分かりません……。
中谷氏:この世界なんてわからないことだらけ。無理に理解しようとせず、少しずつでいいから皆のなかの「もやもや」と向き合ってみてほしいです。

対話セッション終了後は、参加者を代表して日本チームの高校生が閉会の挨拶をしてくれました。「もともと人と話すのは苦手でしたが、このプログラムを通して自分が変わったと思います。コミュニケーション能力や質問力が上がりました」と話してくれました。

◯チェックアウト

怒涛の1日も終わりに近づき、毎回恒例のチェックアウトに移りました。これまでの活動、今日1日の振り返りを共有しました。

・チームのみんなに助けられることがたくさんあって、上手く言い表せないけどここまでチームとしてやってきてよかった。
・意見をすり合わせていくのがとても楽しくて、学校ではできないことができたと感じた。
・はじめはバラバラだったけど一致団結して本番に取り組めてよかった。
自分のチームが1番やと思ってる!!

高校生の発言より一部抜粋

◯最終報告会を終えて

7月下旬から始まったグローカルシフトプログラム中の、約2ヶ月に及ぶチーム活動が終わりました!とてもタイトなスケジュールで活動が進んでいく中で、高校生のみんなも大変だと思う部分は多々あったと思います。
特に最終報告会前の一週間はほぼ毎日のように何時間もかけて話し合いをしているチームもありました。しかし、だからこそ、その経験がこれからの活動・人生に役立つ、成長するための糧となると思います。その片鱗が今回の最終報告会に滲み出ていたように感じられました。(ベル)

まだまだ続く!グローカルシフトプログラム

チームでの活動はこの最終報告会をもって一区切りとなりますが、10月下旬からは個人探求パートが始まります!

▼「個人探究」への参加メンバー募集中!

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高校生の皆さんは、オンラインでもリアルでも参加できるので、ぜひ参加してみてください♪
▽お申し込み・問い合わせはこちら!https://glocalcenter.jp/students/projects/glocal-shift-proramme/

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