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【前編】グローカルセンター10周年記念式典の様子~パネルディスカッション編~

 こんにちは、グローカルセンターのよっぴー(高津 遥)です。7月7日(金)にグローカルセンターの10周年記念式典のイベントを行いました。本記事では、その様子を紹介します。


オープニングの様子

 本イベントは、グローカルセンター理事で、静岡県立大学グローバル地域センター客員教授の東郷 和彦先生のオープニングビデオからスタートしました。

東郷先生のビデオの様子

東郷 和彦先生のメッセージ(一部抜粋)
 10周年でグローカルはすばらしく成長したと思う。僕がいた頃に考えられなかったのは高校生が入ってきている。若い人が入ったというだけでなく、彼らの話を聞いていると発想が違う。例えば、僕らの頃は、「よく学び、よく遊ぶ」と、勉強と遊びは2つにスパッと分かれていた。ところが、この前、ある高校生が言っていたのは、「学びの中に遊びがあり、遊びの中に学びがある。両方一緒になって、より全人格に成長していく」ということ。この発想は、僕にはなくて「ガーン」ですよ。10年の間に、そういう発想するような人がグローカルの中に生まれてくるのはすごいことだと思う。
 やっぱりこれは、若さの力だと思います。若さって何かというと、「自由な発想をして、新しいものを求めていくのを忘れないこと」であり、別の言葉でいうとドキドキする心。これを失わないことが若さのエッセンスだと思う。また、グローカルの活動の場に訪れて、ドキドキする気持ちを分かち合えればと思います。
 この先10年、どういう分野で何をするか、ドキドキ感をさらに育ていくようにやっていけば、グローカルはもっと大きな、もっと豊かな組織になると思います。10周年おめでとうございます!

 その後、行元さんより、グローカルセンターの10年の歩みが紹介されました。

行元さんの挨拶(一部抜粋)
10年前の私は「この風景にドキドキできなかった」そんな何者でもない学生の声を聴いてくれる前代表の榊田さん、事務局長の中谷先生がいてくれたから、私は今ここにいます。今日学生の皆さんも来てくれていますが、「これ言ってもどうしようもない、どうにもならない」とか、もし諦めていることがあったら、今日来てくれている大人の力を借りればできないことは無いと思います。当時から10年経って、学生さんの「なぜ?」や、「ドキドキ」を私たちが聴く番だと思っています。ぜひ皆さんのドキドキや疑問を教えてください。

グローカルの10年の歩みを紹介している時の会場の様子

 また、事務局長の中谷先生と学生代表として青木陽菜さんからも挨拶がありました。

事務局長専務理事 中谷真憲先生(一部抜粋)
 10周年にお集まりいただき、心からお礼申し上げます。本当にありがとうございます。グローカルセンターは、「大学教育を改革しよう」という発想から始まりました。学校・教育が村社会になってしまっている、閉じている状態から、社会人・企業やNPOの力を借りて、寄ってたかって、一緒になって学んでいく空間に変えていこうというのが1つ目の目的でした。2つ目は、地元の京都の企業の魅力をしっかり伝えていこうというものでした。3つ目は、文科省で予算を取るときにも書いたことですが、「社会の風通しを良くしたい」ということです。
 これを進めていくには、私ひとりの力はちっぽけなものなので、一人では到底できないことばかりでした。そこで、榊田さんと運命的な出会いを果たし経済団体の皆さまをはじめ、様々な企業にご尽力いただきました。アカデミシャンとして二人の社会学者の理論(マーク・グラノヴェターおよびロナルド・S・バート)を背骨にグローカルセンター自身が理論と実践を往復しながら、成長してきました。今後、どこにたどり着くかはわかりませんが、生きたプロジェクトとしてこれからもひた走っていきたいと思っています。改めて、この先の10年間もご愛顧を賜りますように、お願いいたします。

 青木陽菜さんは、三菱未来育成財団から助成を受けて実施していた「グローカルシフトプログラム~君が世界を変える、君の世界を変える~」の1期生です(2020年度~2022年度まで3期実施)。このプログラムは、高校生を対象として、地域の産官学民が「寄ってたかって」高校生の育成に関わるアクティブラーニング型のプログラムでした。

青木 陽菜さんの愛の言葉の様子

学生挨拶 青木陽菜 さん(一部抜粋)
 私がグローカルセンターを知ったのは、高校2年生の時に、学校の先生からグローカルシフトプログラムを紹介された時でした。もともと意欲があった状態で参加したわけではなく、1つ下の子が参加するから手伝ってあげるという目的で参加しました。ところが、参加してみると、自分自身が学ぶことが物凄くたくさんありました。自分は相手に発信することが得意と思っていたけど、それよりも、むしろたくさんの人の話を聞いて、まとめていくことの方が得意であることを知りました。私にとってのグローカルは「新しい自分を見つけてくれた場所」だと思います。
 私は就職先が決まりましたが、終わってから振り返ってみると、自分を偽った状態(企業の理想の姿)で、就活していた気がしました。偽った状態の自分を見て採用されたのに、企業に馴染めるのか、企業が求めているのは本当に私なのか、と不安になったこともあります。10年後の社会は、自分の個性を出した状態で就活ができる社会、自分のありのままの姿が企業さんの求める姿である社会になればいいなと思います。

属性を超えた様々な方からの愛のメッセージ

 東郷先生に加え、社会人・大学生・高校生と様々な方々からビデオメッセージをいただきました。それらはこちらでご覧いただけます。

・お祝いのメッセージビデオを頂いた皆さん
マレーシアヘルプ大学卒 堀 菜々子さん
NPO法人Piece of Syria 代表理事 中野 貴行さん
神田外語大学 寺田 遥音さん
Co-founder of the B Corp ASIA movement DOMI of Power to Change Movement Corey Lienさん
青森の高校生 藤島 寧音さん
株式会社ナベル 取締役会長 南部 邦男さん

・祝電/祝花を頂いた皆さん
京都経営者協会 前川 重信さん
Impact Hub Kyoto 稲盛 豊実さん、浅井 俊子さん
奈良信用金庫 理事長 菊澤 竜一さん
京都府食品衛生協会 境 和枝さん
京都中小企業家同友会 さん

10周年に際しお祝いのメッセージやご寄付を頂いた卒業生関係者のみなさん、祝電/祝花をいただいたみなさん、誠にありがとうございました。

メッセージが流されている会場の様子

新たな10年に向けたパネルディスカッション

 パネルディスカッションは、京都精華大学人間環境デザインプログラム教授のウスビ・サコ先生(以下、サコ先生)と、株式会社taliki代表取締役CEOの中村多伽さん(以下、タカさん)をお招きし、行元さんがモデレーターとなる形で進められました。「NPOとして、新たな10年をダイナミックに描く」には全く違う分野と文化と背景をお持ちの2人のチカラが必要、といことで、主に教育に関する話題が取り上げられました。

ウスビ・サコ先生の紹介
中村多伽さんの紹介

行元:まずはじめに、ビデオメッセージを見たり、挨拶を聞いていただいて感想を教えてください。

サコ先生:学生たち、卒業生すごすぎやろと思いました。ある意味で目的がしっかりしていると同時に、これからの社会に対して問題意識がしっかりしていると思いました。今日、何をしゃべったらいいかな(笑)。大人に疑問を突き付けられていると思います。

タカさん:改めて、すごい場所によんでいただいて光栄だなと思いました。それは皆さんのメッセージが素敵だったのもそうだけど、私にとって行元さんもヒラさんも、私の京都のお姉ちゃん的な存在であり、居場所を作ってくれている人なので、その人たちが作っている大事な場に、こうやってよんでいただいて本当にうれしいなと思いました。高校生から見たら、私も大人世代で、架け橋を渡す側の立場として、自分に何ができるかを考えさせられました。

パネルディスカッションの様子 10th

52ヘルツのクジラ🐋

イントロは、孤独なクジラの話からはじまりました。

周波数が通常より遥に高いためにずっと群れに出会えない「世界でもっとも孤独な鯨(52ヘルツのクジラ)」。52ヘルツのクジラを、"個性豊かな学生"と捉えた時、社会や学校側が「その才能を活かしきれているのか?」「その声に耳を傾けて、受け取れているのか?」という問いを浮かべながら、みんなで個性に光を当てる時代の教育について考えてみませんかという呼びかけからスタートしました。

キーワードは「ゲリラ的教育」!?

行元:サコ先生の紹介として、キーワードは「ゲリラ的教育」かなと思いますが、日本はゲリラ的教育が足りないというのは、どういうことですか?

サコ先生:一生懸命みんなを一緒にしようとするということが学校教育の根底的な問題で、所詮はみんな違う。この違いを大事にしながら、育てていくということをしなかった。どちらかとというと、フレームに合わせてやっていく。単一に均一にやっていくのが大きな問題だと思います。
 もう1つは、学長になって、教育していく中で、時々むなしくなる時がある。教育は必ず、カリキュラムや、ディプロマ・ポリシーがある。その描かれた姿がそのまま上手くいかなければならない。それはまさに工場のようだ。しかし、教育は、本当は畑なんです。種をまいて、色んな苗が出てきて、みんな違う。その愛情を与えて、育つのを楽しみにする。けど、いまは入ってきた時から、出る姿が見えるわけで、何の楽しみもないんです。それなら、もっと今のシステムに対して、時々ゲリラ的にやるのがいいのかもしれない。私はやりすぎるところがあるけど…(笑)。
 でも、そうした時に、いつもと違う学生の姿を見ることができる。我々は学生に対して、きちんと機会、出番を与えることができていない。それが今の教育に足りないことだと思います。

行元:今の話に、感想を加えて頂きながら自己紹介をお願いします。

タカさん:高度な(笑)。そうですよね。今の「出番を与える」というのはすごく良い言葉だなと思っています。私の最近のテーマは「探究と表現」なんですけど、今日、この場に来れてよかったなと思うのが、さっきも「遊びと仕事・学び」の話がありましたけど、私はその境界が曖昧で、「探究と表現」が遊びでもあり、学びでもあり、仕事でもあります。だから、こういう教育を考えるとか、この先の未来を考えるみたいなのは、私にとって知的好奇心がくすぐられることで、仕事なんですけど、楽しいなと思います。
 「探究と表現」の中で、「表現」がすごい重要になってくると思っています。というのは、どれだけ自分が面白いことを探究しても、それを表現・発表・アピールする場が用意してもらえないと、いつまでも社会の既存のルールは変わっていかないと思います。そういう表現の場を用意するっていうのが大学っていう場の役割だと思う。また、その最初の灯はすごく小さいので、簡単に消えてしまうため、その灯をどう最大化して、どう火柱にしていくかっていうことを私はやっています。社会課題を解決したいという種を持って、課題を探究してきた人がいざ表現した時に、それが社会実装されるための色んなプロセスを支援している、中村多伽です。

当日はトニーがグラレコを担当しました
サコ先生の著書 6章「ここがヘンだよ、日本の学び」より話が展開されました

大人へ突きつけるなんでやねん

行元:タカさんは、日本の教育に対して、「これなんで?」とか、「ここがヘンだ!」と思うことはありますか?

タカさん:教育じゃないですけど、さっきの話をきいて、実感値があるのは、ひなちゃんが言ってくれたこと。どうしても私たちは偉い人に気に入られようとするという話で、「偉さ」って社会人経験とか、年齢とか明確な軸で決まることもあると思うんですけど、陳腐な言い方をすると、人それぞれ個性があるので、偉いって定義できないと思います。
 「なんでやねん」って最近思うのは、それをわかってる風にして実践していない大人が多すぎるなっていう。そこに対して理解があるということを示すというポジションをとることで、自分の偉さを強化しようとしている大人が多すぎる問題。
 これはすごい極端な例なんですけど、海外の方は主に英語で会話をするのですが、敬語やタメ語などがないので、知識の交換がフラットにできるんです。私のバックグラウンドから得られた知識はこれです、あなたのバックグラウンドから得られた知識はこれです。その知識は社会人経験や年齢によって作られたものではあるけども、それらは知識を構成するための一つの要素に過ぎない。日本だとそれがあまり実現しない。だから、今後10年でどうやったらそういう大人を増やせるのかというのを今の問いとして持っています。

パネルディスカッションの様子

語られるべきは失敗体験。

行元:なるほどとても共感します。難しいかもしれませんが、サコ先生、今の点はいかがですか?

サコ先生:なんか、すごい立場が難しい(笑)。おじさん代表ではないよね。でも、そうだと思います。誰が偉い偉くないは年齢ではないですよね。ただ、人と話すときにその人をリスペクトすることが大事。それができる人は自分と向き合える人だと思う。一方、自分と向き合えない人は、他者を受け入れることができない。だから、そういう人は排他的であり、自分が偉いことで許されるとか、おじさんだから許されると考えている。
 最近よく、間違ったおじさんと話すと、「いや昭和の人間だから」って意味の分からないことをいう。何なの昭和って、となる、全然わからない。平気でジェンダー差別をして、注意すると「すみません。昭和の人間だから」って(笑)。
 大人側が結構足りないなって思っているのは、私たちは自分たちの失敗を語らないですよね。成功体験しか出てこない。けど、たくさん苦労してきた部分があると思う。若い人が一番参考になるのは、そういう部分だと思う。それを素直に語れる大人になることが大事だと思っています。
 もう1つ付け加えると、大学生や高校生に見せている進路の見本は、成功している姿ばかりだけど、90%以上は苦労しているのではないか。苦労した結果の姿も見せた方が良いのではないだろうか。私たちは早く答えを見つけた方が良いとしてきたが、これから大事なのは「問い」を立てられる力が大事だと思う。いかにその問い立てをして、好奇心を発揮できるか。
 これからの教育を考えるとChat GPTとか出てきていて、教育現場はこれから学生をどう評価するのかなと思っています。もしかしたら、私たちは技術の面で教えることは何もないかもしれない。じゃあ何を教えるかと言うと、人間性とか、他者を重んじることなどのコミュニケーションの準備運動に関わることだと思います。

私たちに問われるのは、情報や学びをどの視点で切り取れるか

行元:技術と社会課題の接続や、Talikiさんは京都で開催されたIVS Kyotoのオーガナイズもされていますが、その視点からもコメントをもらえますか?

タカさん:人口動態として、今の価値観がスタンダードにならないと、社会が立ち行かないタイミングがあとちょっとで来ると思う。若い世代はより新しいものに適応していく中で、テクノロジーがすごく大事になってきます。テクノロジーのすごいところは、私たちが考えたり、コミュニケーションを取らなければ解決できなかったことを解決してくれることなんです。メガネがないときは、よく見えないことは諦めるしかなかったけど、メガネがあることでそれが解決されるとか。このテクノロジーを使うことも、手段なわけで、みんなにとって幸せな社会を作るとか、一人一人にとって大切な人を守る手段の1つがテクノロジー、それくらいに思っておくのが良いと思います。

サコ先生:この間、アメリカのある大学にいったときに、歩いたらあちこちにロボットがいた。自分の研究室で何かほしいものあったときに、ボタンを押すとロボットが運んでくれる時代なんですよね。だから、技術というのは私たちの生活の支援なんです。タカさんが仰っていたように、その手段を目的に変えてしまうと良くないと思います。もう1つは、それを使って、自分は何をしたいかを考えないと、使いづらかったり、使い間違えたりする。テクノロジーは、我々が何をしなくても、これからもっともっと発展していく。それは私たちの手段であると同時に、私たちは何が欲しいのかという自己認識を持つ必要がある。

タカさん:ちょっと追加でコメントいいですか。さっきのChat GPTとかAIの話で、AIの特徴は、たくさんのことを学んで、その中で学んだことを効率良く出す技術なんですよね。これって人間がもともとやっていたことで、それをChat GPT等は、世界中の人が学んだり、発言していることをAIが学んでアウトプットすることができるようになっている。ということは、さっきの話にもありましたが、経験で学んだことや、長く生きている中での知識は、世界中の人が学んだことを一挙に集めてくるAIに比べたら、単一の情報量なので相対的に価値が下がると思います。そうなったときに、何が価値になるかというと、これまで学んできたことをどの視点で切り取れるかが大事かもしれない。

 パネルディスカッションの最後には、質疑応答が行われました。その一部をご紹介します。

質疑応答の様子

質疑応答

質問者:年功序列が残っている環境をイノベーティブな環境にしていくにはどうすればいいですか?

サコ先生:年功序列を必ずしもマイナスに受け入れる必要は無いと思います。上の人はその人なりの経験もあるし、失敗の経験もあるでしょう。ただ、いま年功序列で難しくなっているのが、「伝え方」だと思います。持っている経験や年齢をリスペクトしながら、色んな目線で話す技術を身に付ける必要がある。時代に合ったコミュニケーションの仕方があると思います。だから、最近、リカレント教育があるのかもしれない。

質問者:学生の時にグローカルによく来ていた。社会人になってここに来たのは、仕事も楽しいし、やりがいもあるけど、「あれ、でもこれでいいんだっけ」って思ったときに、イベントに来ないかと声をかけられたからです。そうした「これでいいんだっけ?」ってなった時の視点の変え方やヒントはありますか?

タカさん:私は起業家でありながら、起業家を支援する仕事をしているのですが、特に社会課題解決を目的としている起業家を応援しているので、「こういう世界にしていきたい」というすごく強いビジョンがあるんですね。だから、周りからは、やりたいことが明確で、自分の人生に納得感がある人に見えるが、結構、頻繁に燃え尽きている。
 そうなったときに、新しいことや深ぼりたいことを知れる場所に自分がいることや、それを探究していることをよしとしてくれる場所にたまに身を置かないとつまらなくなることに気づきました。
 何のアドバイスにもなっていないかもしれないけど、明確なソリューションじゃなくて、「私は居場所があるんだ」とか、「いつでもここにもどってこればいいんだ」、「私はこういうことを知る人生が豊かだと思っているんだ」ということを再実感するだけで、100点というか、十分だと思う。

サコ先生:もし質問で返すとすると、仕事を何と思っているかだと思います。仕事は手段であって、目的ではない。それを目的化してしまうとしんどいと思います。会社のために自分を犠牲にする必要はない。「何でしているのか」を考えるときに、自分のためでないといけない。
 もう1つは、自分の軸をしっかりしていた方がいいと思う。就職して2-3年くらいすると、アイデンティティクライシスに陥りがちなところがあるけど、一番重要なのは、自分の芯を持っていることだと思う。
 あとは、無数の楽しいことが私たちの周りにはたくさんあるというのを忘れないこと。周りが見え無くなってしまうこともあるけど、会社以外にも色んなことをすればいい。

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前半記事はここまでとさせていただきます。続いて、分科会形式でのグループディスカッションとなります。後編もぜひご覧ください👀

記事の終わりに

 グローカルセンター10周年のイベントにレポーターとして参加して、グローカルセンターの活動は様々な企業や人とのつながりがあって、成り立っているのだと改めて気づかされました。
 京都精華大学前学長のウスビ・サコ先生と社会起業家の支援でご活躍されている中村多伽さんをお招きしたパネルディスカッションは、考えさせられる、本質的な、深い内容だったと思います。特に、サコ先生の「教育は本当は畑なんです」と、中村多伽さんの「最初の灯はすごく小さいので、簡単に消えてしまうため、その灯をどう最大化して、どう火柱にしていくか」は非常に印象的で考えさせられる言葉でした。
 ユネスコ(UNESCO)の21世紀教育国際委員会報告書の表題に「学習:秘められた宝(Learning:The Treasure within)」と名付けられているように、学習は各人の内面に潜んでいる能力(秘められた宝)を掘り起こすことが重要だと思います。それを実現するための機能が本来、教育には存在するはずであり、サコ先生の言葉はそれを示唆するものであり、非常に共感しました。
 ただし、中村多伽さんの「小さい灯を最大化する」という言葉、教育の文脈で例を挙げれば、「ふとした瞬間に発現した子どもたちの興味や、やる気をどのように受け入れ、支援をしていけるか」もサコ先生の言葉とも繋がる重要な視点だったと思います。
 これから次の新たな10年の旅へとグローカルセンターは出発するわけですが、そこでの教育活動において、大切にしたいと思えるようなエッセンスがたくさん詰まった、実りのある会だったと思います。
 本イベントにご参加いただいた皆さんをはじめ、普段、グローカルセンターに関わっている皆さん、本当にありがとうございました。次の10年間のグローカルの活動も楽しみにしていてください。

執筆者:
グローカル人材開発センター エンドレスインターン
大阪大学 大学院人間科学研究科 博士課程1年
高津 遥

レポート後編はコチラ


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