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「好き!」の解体

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「たで食う虫も好き好き」とは本当なのでしょうか。人の好みはさまざまで、一概には言えないのでしょうか。「好き!」の解体ではこれらの疑問を追い風に、脳科学やプロダクトデザインにヒント…
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2020年9月の記事一覧

#01 人の好みはさまざま?

概要「好き!」の解体シリーズでは、「人は何をどうして好きか」について3 つの切り口から探っていきます。これは私がデザイナーとしてプロジェクトに関わるなかで、ユーザーと製品(プロダクトやサービス)の理想的な関係を構築するするにはどのようなデザインが適切なのかと、言わば「デザインのデザイン」について思索探求する中で出会った事柄を、反転させてユーザー目線から書き直したものです。 「たで食う虫も好き好き」とは本当なのでしょうか。人の好みはさまざまで、一概には言えないのでしょうか。こ

#02 木でなく森を見つめてみる

おさらい 前回の「人の好みはさまざま?」では、人が何をどうして好きかには、間違いなく個人差があること。そして人は理性ではなく感情で選んでいること。また感情は刹那的で移ろうものなので把握が難しく、独自性にズームインすると、主体と客体が同じになり壁にぶつかるという洞察を得ました。 人間性?それでは今度はズームアウトして、集合的な人間全体を眺めてみることにしましょう。そうすれば客観的に言える部分が出てくるはずです。木でなく森を見つめてみましょう。 たとえば想像してみてください。

#03 トカゲの世界観

おさらい前回の「木でなく森を見つめてみる」では、人が何をどうして好きかには、独自性にも依れば人間性にも依ること、そして個人にフォーカスするよりも広角レンズで人間全体を捉える方が糸口が見つかりそうだということが分かりました。 ここからは、時間軸も広げ、三位一体説の3つの脳をモデルに、私たちが進化の過程で受け継いできた特質や特性を検証しながら解体作業を進めていきます。 まずは3つの脳・レイヤーのおさらいです。実際の私たちの意思決定には3つが複雑に影響を与えながら進んでいきます

#04 こんにちは爬虫類脳

おさらい前回の「トカゲの世界観」では、爬虫類脳:直感レイヤーではすべてのものを良いか悪いか、もしくはその間か価値判断していること、そして進化の過程で食べ物・暖かさ・保護を与えてくれた状況や物を私たちは理屈抜きに好むことを確認しました。 もう一度リストに軽く目を通して記憶を新たにしたら、早速写真を見ていきましょう! ポジティブ・リスト 暖かく適度に明るく照らされている場所 温暖な気候 甘い味や匂い 彩度の高い(鮮やかな)色 心地よい音 シンプルなメロディーやリズム 調和のと