コロナに怯える外国人 〜 日本人が楽観的にコロナと向き合える背景 N108
日本人はコロナに無敵なのだろうか?日本国がコロナに無敵なのだろうか?海外から日本を眺めると不思議でしかない。そのコロナに対する脅威を全く感じない姿勢とのギャップにどうしてこんなに差があるのだろうと。
家族(妻x1子x1)との会話を除き、日常生活での顔を合わせての会話はない。スーパーでの生活必需品の買い物すらセルフレジで手短に済ませる。朝、唯一許された外出のランニングですれ違う人とはもちろん挨拶をすることはない(昔は挨拶をすることもしばしばあった)。いわゆる絶望の暗黒、まるでヨーロッパの冬季を過ごしているようだ(実際に冬なんだが・・・)。
この絶望の中、たまに恋しくなった日本の風景を見るのだが、今日の驚きは書かずにはいられなくなった。このコロナ以前と変わらないまでに戻っていた渋谷の光景のことを。
牧場型の風土で暮らす人たち(ヨーロッパ大陸、北米、オセアニアの人たち)(1*)はとてもコロナに怯えている。日本で暮らすヨーロッパ人とzoomで話したが日本で暮らしていようととても怯えていた。これはまさに風土からくるメンタリティで一言で言ってしまうと自然に対しての苦労がないことからコロナに対しての対処の想像がつかないことが恐怖につながっているのではと私は思ってしまう。
当初(3-4月頃)はペストという経験が根深く染み付いていてコロナへの対処に適切な姿勢を私は評価したのだが、終わりの見えない戦いに対してある意味根負けしつつある彼らを目の当たりにして感じたのは風土からくるメンタリティである。
日本は地震があり、台風があり(最近はゲリラ豪雨などによる河川氾濫)、経済不景気がありとこの21世紀に入った20年間だけでも大事件のオンパレードだった。そして降りかかる災難に対してあまりにも慣れすぎて多少のことには揺るがない強靭な気概を持った(これは誇るべきものだと思う)。
科学的根拠なく日本人はどうも大丈夫らしいと街を歩くのはどうかと思う一方で、この自然による災害に対して不幸を不条理にも受け入れる準備ができている日本人のメンタリティは不確実な未来を乗り越える武器になると確信している。
1*) 和辻哲郎、「風土」
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