クレド
日本企業の従業員で、自社の《経営理念》や《社是》を諳んじることができる人はあまりいないと思います。日々の仕事に追われて、会社の存在意義、使命にまで気が回らないというのが正直なところでしょう。
高級ホテルの『リッツカールトン』で有名になった《クレド》ですが、日本語では《経営理念》になります。企業全体の従業員が心がける信条や行動指針が示されているものです。
credoとは、ラテン語で「我は信ず」を意味するということで「信条」「志」「約束」を示すそうですが、似たような言葉のmission(ミッション)の「目的」「使命」「任務」と比べると、《クレド》はより【本質】や
【姿勢】のことが述べられているものだと分かります。
日本企業にとって、高度外国人財を活用して、共生・共成していく企業体になるためには、この《クレド》について真剣に語り合い、【共感】することが、何よりも一番初めに行うべき【神聖な儀式】だと心得てください。
会社の持つ根本的な価値観を示す《クレド》に【共感】できなければ、どんなに優秀な人財でも共に働くことはできません。
単に《クレド》を読み聞かせることや、一緒に読むことで、誓約書に「《クレド》に共感しました」とサインさせてみても意味がありません。
会社が出来た経緯、経営者や今まで会社を成長させてきた諸先輩方の行動や苦労話を語り、《経営理念》や《社是》が出来た経緯や深い意味を伝える必要があります。《クレド》は、代々語り継がれるものです。つまり、高度外国人財であっても次の世代への『語りべ』になるほど、染み込ませることが重要です。それが、すべての指針になるためです。
外国人だから難しい...?いいえ、その努力をしたことがないだけです。
言葉や文化が違うと、どうしても微妙にベクトルがずれていくものですが、それを軌道修正するのが《クレド》です。
採用後も、定期的に自分の仕事が《クレド》の精神にマッチしているのか振り返る場を持つことが必要です。《クレド》を中心とした【共感】が協力関係を生み、一人一人では達成できないような大きな目標に向かう力を得ることができます。そうです、あなたの隣に《高度外国人》が一緒にいることが、いずれ当たり前の時代がやってきます。
島崎ふみひこ
異文化コミュニケーション研究所(R)
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日本企業のダイバーシティ教育、高度外国人財の採用・活用