外国人の反省に対する意識
日本人は、子供の頃から、何か悪いことをすると親や先生から「反省」を促されます。私も、小学校で「反省文」なる作文を書かされたような記憶があります。
私的な解釈ですが、反省とは、『何か問題を起こした場合や、誰かに迷惑を掛けた際に、きちんとそのやったこと(してしまったこと)を認め、もう二度と同じ過ちをしない(起こさない)ように意識して、謝罪をすること...。』だと思うのですが、皆さんはどのように考えますか?
さて、反省という言葉に私たちは「気まずい」「後ろめたい」印象を持ちますが、本来はきっと正しい道を進むためのポジティブなもののはずですよね。
それでは、どうして私たちはそんなマイナスの印象を持っているのでしょう?私の推測ですが、親や先生から「反省しなさい!」と言われ続けたために、どこかで「悪いのはあなたです!」と念押しをされたような気持ちになるからではないでしょうか。
反省は自分で行うもので、誰かに強制されるものではないはずです。
この「反省」という行為は、『周りが正しい中、自分が悪い』という意識を植え付ける「タガ」になっている面もあると考えられます。これって、周りを気にしすぎる「日本人気質」の一つですよね。
さて、私たちにとっては「反省」という考え方はおおよそ共有しているかと思いますが、外国人にとっては別だということを是非覚えておいて欲しいと思います。
ネットで、「反省 英語」と検索をすると、下記のような回答となっていました。
>>反省 reflection
>>reflection:反射, リフレクション, 反映, 反省, 省察, 映像
>>introspection:内省, 内観, 反省
>>reconsideration:再考, 見直し, 反省, 再議, 再思, 再考慮
>>reflexion:反射, 反省, 反映, 回想, 倒影, 反照
>>meditation:瞑想, 思索, 冥想, 反省, 黙考, 思案
>>contemplation:沈思, 黙考, 冥想, 嘱望, 反省
どれも、ある程度は「反省」の一部を表現していますが、私たちの持っている「反省」とは完璧に一致するものがありません。つまり、私たちが持っている「反省」という概念を、外国の人は同じように持っているとは考えない方が良いということです。
そのため、何か相手に「反省」を促したい場合には、「反省」という言葉以外の言葉で相手に理解させなければなりません。
たとえば、下記のように....
『①丁寧に順序良く、起こった事象についての「あなた」の解釈を述べる。
②それが相手の認識と一致しているのかを確認する。
③「あなた」が相手に望むこれからの行為を伝える。
④それが相手の望むことと一致していることを確認する。
⑤二度と同じ問題が起こらないためには、何をしなくてはいけないのか、
相手の考え方を自分の口から話させる。』
少々面倒な気がするかもしれませんが、意思疎通を誤ると、不要な禍根を残すことになることを心してください。
島崎ふみひこ
異文化コミュニケーション研究所(R)
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