国民的トラウマ
どこの誰が言ったのか分かりませんが、『島国根性』。これって、良い意味では使われませんよね。どちらかというと『村八分』という言葉と同様に、どうも「島」「村」といった閉じられた社会の中に生活する人たちの『内向きな集団意識』を表しているような気がします。
確かに、日本は『島国』ではありますが、かの大英帝国は自身のことを『島国根性』と卑下するでしょうか?
日本人は、どちらかと言うと「日の当たるところ」よりも「影の部分」に自分の印影を持つ傾向が強すぎると思っています。
でも、これってずっと昔からそうだったのでしょうか?太平洋戦争で敗戦国になってから、特にそういう傾向が強くなったのではないかと推測しています。これって脱却しないといけない一種の『国民的トラウマ』なのだと思います。
外国人との接し方についても、どうもこの『国民的トラウマ』の虜になっているようで、未だに「外」の人扱いをしている訳です。何か言葉を考えるべきでしょうね。
でもそうやって「外」と「内」と分けている訳には、宗教観はまさにインターナショナルです。神道も仏教もキリスト教もヒンズー教も、ごっちゃ、ごっちゃ混ぜです。これは受け入れる能力、異文化許容力が非常に高いことを示しています。
七福神の神様たちは、ヒンズー教の神様も、道教の神様も、仏教の神様も一緒に船に乗っています。
他の文化の人たちにとっては、驚異的な信仰心だと思います。なんせ異教徒が共存する世界をなんの違和感もなく作り上げることができるのですから...。
そんな、とっても曖昧な、許容力の高い国民が、私たち日本人なのです。
比較的最近に植え付けられた『国民的トラウマ』の乗り越えて、世界の人たちとこの地、日本でもっと積極的に共存するようになることが求められている時代が、今だと感じます。
優秀な人財を活用できる日本企業が増えることを、願うばかりです。
島崎ふみひこ
異文化コミュニケーション研究所(R)
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