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24時間社会と働き方改革
2017年3月より主宰している「朝英語の会梅田@スタートアップカフェ大阪~The Japan Times紙記事について議論する」のブログ記事を掲載していきます。
5/10(木)の朝英語の会梅田に使う記事が発表されました。テーマは24時間社会、働き方改革、企業と権力等についてです。
事件は今年2月の大雪の福井県で、長時間休みなく雪かき作業をすることを余儀なくされたセブン・イレブンのオーナーが本部に何度か一時閉店のリクエストをしたことから始まります。オーナーは「屋根に積もった大量の雪のため、顧客に対する危険もある」として、店舗を一時閉めてよいかどうか、数度本部に確認しました。しかし、本部からは「24時間営業の原則」を守るため、一時閉店の許可は下りませんでした。オーナーは結局50時間睡眠する時間も全く無く働き続けなければならなかったのです。
今回はフランチャイズの代理店と本部の間の営業時間の「ルール」に関する確執でしたが、コンビニの労働慣行や食品廃棄に関するルールに関しては多くの識者が倫理面や環境面から異議を唱えています。その代表的なものが食品ロスの専門家である井出留美さんが報告しているコンビニ業界の「恵方巻」や「クリスマス・ケーキ」の季節食品に関する大量の食品廃棄です。
コンビニ恵方巻は食品廃棄問題の「象徴」だ
http://diamond.jp/articles/dol-creditcard/158130?skin=dol-creditcard
また、廃棄による店舗側の損失をを減らすために、オーナーがコンビニで働くアルバイト等の店員に販売ノルマを課したり、買取させたりしていたことも問題になりました。
そしてコンビニにみるフランチャイズの本部のルールの厳しさ、従業員の労働条件、多額のロイヤリティと代理店側の負担の格差は、フランチャイズ経営の本場である米国でも大きな社会問題になっています。2015年に、マクドナルドはフランチャイズの店舗で働く従業員から直接、残業代未払いの訴訟を起こされています。しかし、オバマ時代に作られたフランチャイズ本部とオーナーの労働者に対する共同責任の原則はトランプ政権になってからは破棄されました。今回の記事で明らかなように日本でもコンビニ等のフランチャイズのオーナーの収益は低く抑えられ、そこで働く労働者の権利は弱いままです。
Guidelines on franchise owners, workers
https://www.iol.co.za/business-report/international/guidelines-on-franchise-owners-workers-9689869
Franchisors, franchisees must both be liable for labor violations
私達は今やコンビニエンス・ストアや24時間営業の様々な店舗・サービスの存在を当たり前のように受け入れて生活しています。しかしこれらの営業形態が現在の様にわが国で一般的になったのはせいぜいこの30年です。一方、従業員の休日を確保するために欧州では日曜日は閉店、夏のバカンス・シーズンは一ヶ月まるまる休業、昼休みは昼寝も兼ねて数時間という国が多くあります。それでもこれらの国々の一人当たりの労働生産性は日本よりはるかに高いのが実情です。
24時間社会を追求することによって、我々は豊かになったのでしょうか?生活満足度は高まったのか?今一度自問してみる必要がありそうです。今回利用する記事は以下のものです。皆さんの議論に期待します。
Let’s discuss that Seven-Eleven that was forced to stay open in a blizzard
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