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[解説と設問を発表]「フラット化する世界」と21世紀のグローバル経済【英語で学ぶ未完の資本主義】第7回11/24(日)20時@オンライン

2024年9月から始まった新しい講座&ワークショップ「英語で学ぶ未完の資本主義」。第7回はトーマス・フリードマン氏の「フラット化する世界」での主張をもとに21世紀のグローバル経済と社会について英語で議論。


2024年9月から始まった「英語で学ぶ未完の資本主義」に関するワークショップのお知らせです。2024年11月24日(日)夜20時@オンラインで開催するワークショップ第7回は書籍「英語で理解する未完の資本主義」で、3度ピューリッツア賞を受賞したジャーナリスト、作家のトーマス・フリードマン氏が「グローバリゼーションと21世紀の世界秩序」について述べている第2章の最初のセクション(P40-43)を使い、英語で議論します。設問はこの記事の以下のセクションの内容も踏まえた形で設定しますので、書籍の購入がまだの方も、ぜひご参加ください。このワークショップの解説と設問を発表します。

「フラット化する世界」と21世紀のグローバル経済【英語で学ぶ未完の資本主義】第7回11/24(日)20時@オンライン

今回は、2005年に発表後、全世界でベストセラーとなり、その後も2度にわたって内容が大幅に更新されたトーマス・フリードマン氏の著作「フラット化する世界:経済の大転換と人間の未来」での議論を取り上げます。

フラット化する世界: 経済の大転換と人間の未来

英語版のタイトルの副題が示すように、書籍は21世紀の初頭に劇的な技術革新の連続により、世界経済が大きく変わった時期の歴史的転換について検証する内容になっています。

The World Is Flat, 3.0
A Brief History of the Twenty-First Century

著者は元々、オックスフォード大学で中東研究を専攻し、新聞の特派員として国際外交・政治の前線について取材してきた記者でした。その後、冷戦後の米クリントン政権での外交・経済政策を取材するニューヨーク・タイムズ紙のホワイトハウス付きの担当記者として活動する過程で、グローバル経済と技術革新の問題について関心を寄せるようになったようです。

彼が著書の中で主張しているのは「フラット、ファースト、スマート」を実現させた技術革新が経済を激変させたという事実です。これらの技術革新が世界中の人々を瞬時に繋ぎ(connectivity)、その技術を搭載した機器を使う手順が複雑さ(complexity) を取り除いたワンタッチになり、さらにIoTや5Gネットワークの進化で業務処理のスピードが上がった(fast)ことを説明しています。そして、注目すべきは、それらの変化のスピードが加速度的に増していることだといいます。

産業革命以降、100年(3世代)くらいは維持されてきた画期的な根幹技術の大転換が、現代では1世代くらいしか持たないくらい技術革新のスピードが上がっていることを指摘しています。彼は、楽観的ですが、この変化についていける国家も人もは多くはないでしょう。近年、人々の間、そして国家の間でも、「勝ち組」「負け組」がはっきりしてきたのは、この急激な技術革新と経済・社会の変化に対応できているか否かの違いのように思えます。

『無理ゲー社会』橘玲に聞く 「自分らしく生きる」が生んだ絶望

そして、次回取り扱いますが、国家としての日本が21世紀に衰退したのは、やはりこの技術革新のスピードについていけなかったのが原因だ、ともフリードマン氏は指摘しています。彼は、「平均は終わった」ことは事実であり、その現実に国家も人も備えなければならない、と説いています。果たして、どれくらいの割合の人が、この未来に対応できるかは、はなはだ疑問ですが、あなたはどう思いますか?

グローバル経済について考えるこのワークショップの詳細は以下のとおりです。教材としては、書籍を利用しますが、上記の記事も参考資料とします。

日時: 2024年11月24日(日)20時~21時30分
場所: オンライン
定員: 10名程度まで
費用: 見学のみ: 500円、初回参加者:800円~

【チケット】

チケットの申し込みは以下のYahooチケットサイトから、または銀行振り込みでお願いします。

「フラット化する世界」と21世紀のグローバル経済【英語で学ぶ未完の資本主義】第7回11/24(日)20時@オンライン

【銀行振込での申し込み】

振込用紙は以下のサイトからダウンロードお願いいたします。

このワークショップの設問は参加申し込み者、サロン会員、有料ニュースレター購読者及び後日発表するnote記事購入者にのみ送付します。過去の【英語で学ぶ大人の社会科】ワークショップと同様の設問を設定しますので、以下のマガジンの2020年4&5月の記事(設問を公開しています)を参考にしてください。

【英語で学ぶ大人の社会科】世界の知性が語る現代社会

【未完の資本主義】

2019年に出版されたインタビュー集『未完の資本主義』。その特徴は、現代社会で「知の巨人」たちと呼ばれる気鋭の識者7人に、「テクノロジー」と「経済」の観点から今後の資本主義の行く末について尋ねる内容となっています。

未完の資本主義:テクノロジーが変える経済の形と未来

今回新たに、この書籍の英語版の内容と関連記事について月2回のペースでワークショップを開催していく予定です。以下、それらの識者のラインナップです。

   ◆ポール・クルーグマン(ノーベル賞経済学者)――我々は大きな分岐点の前に立っている

 ◆トーマス・フリードマン(『フラット化する世界』著者・NYタイムズコラムニスト)――「雇用の完新世」が終わり「人新世」がはじまる

 ◆デヴィッド・グレーバー(文化人類学者・ウォール街占拠運動の理論的指導者)――職業の半分がなくなり、「どうでもいい仕事」が急増する

 ◆トーマス・セドラチェク(『善と悪の経済学』著者・チェコ共和国経済学者)――成長を追い求める経済学が世界を破壊する

 ◆タイラー・コーエン(ジョージメイソン大学教授・経済学者)――テクノロジーは働く人の格差をますます広げていく

 ◆ルトガー・ブレグマン(ジャーナリスト・歴史家)――ベーシックインカムと1日3時間労働が社会を救う

 ◆V・M=ショーンベルガ―(オックスフォード大学教授・ビッグデータの第一人者)――「データ資本主義」が激変させる未来

英語版の書籍はこちらです。今後、参加を希望される方は、以下の書籍を購入してください。特にグローバル経済について学びたい方に、うってつけのワークショップです。

英語で理解する未完の資本主義

「インタビューの英語書き起こし」「日本語訳」「用語解説」「7人のインタビュー音声」をまとめた、「英語を学びながら、英語で学べる」1冊です。英語を使って勉学・仕事をしたり、最先端の知に関心のある人におすすめの内容です。

【解説】

「フラット化する世界」の初版が発表された時期は、2008年のリーマン・ショック、そして同年に黒人初の米大統領となったオバマ政権誕生前でした。奴隷制度の名残から人種間の対立がいまだに根強く残る米国で、「Change」「Yes, We Can」という力強いメッセージを打ち出し、逆境を乗り越えて大統領にまで上り詰めたオバマに、人々は新しい希望を見出したのではないかと思います。

しかし、2008年の金融危機の後、富裕層を中心に米国の中上流階級(the upper middle class、中流層の上位グループ)は、いちはやく当時の損失を取り戻し、生活を元の軌道に戻すことができたものの、製造業・農業分野で働く労働者の経済的地位はさらに低下していきました。オバマ政権が取った経済政策は、クリントン政権時代に民主党が推し進めたグローバリズムを基盤としたものであった一方、2016年に米大統領に選ばれたトランプ氏は「反グローバリズム」の経済政策を掲げていました。2024年の彼の選挙戦も同様で、その経済政策の中心は、「反移民」「反自由貿易」「反リベラリズム」です。

ここから先の情報、設問はイベントへの申込者、サロン/メンバー/有料ニュースレター会員、note記事購入者に公開します。

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