[解説と設問を発表]日本での多様性社会実現を阻む偏見・ステレオタイプとは【英語で学ぶ大人の社会科】第70回 2/25(日)20時@オンライン
多様性社会を実現するための壁、「ステレオタイプ」と「偏見」について英語で議論。
2024年2月後半の「英語で学ぶ大人の社会科:世界の知性が語る現代社会」のワークショップのお知らせです。2024年2月25日(日)夜20時@オンラインで開催するワークショップは、BBCの記事「Japan: Foreign-born residents sue government for alleged racial profiling」を使い、英語で議論します。このワークショップの解説と設問を発表します。
【ワークショップ】
2024年1月29日、外国生まれの日本在住者3人が、日本の警察から、特にこれといった理由もないのに、「外見」を理由に繰り返し「職務質問」を受けたことにより、苦痛を受けたとして、国と東京都、愛知県に対し、原告1人につき300万円の損害賠償を求める裁判を東京で起こしました。
外見理由の職務質問は「人種差別的」で「違憲」……外国出身の3人が国などを提訴
以下の文書にあるように、2019年、国連人種差別撤廃委員会(CERD)は、警察・検察などの捜査機関の人種的偏見に基づく捜査手法を「レイシャル・プロファイリング」と呼び、それを撲滅するためのガイドラインを発表しています。
Preventing and countering racial profiling of people of African descent (2019)
翌年には、それが正式な国連機関の勧告として発表されました。
General recommendation No. 36 (2020) on preventing and combating racial profiling by law enforcement officials
上記の文書に関しては、日本弁護士連合会が仮訳を試みています。
国連 人種差別撤廃委員会 法執行機関職員による人種プロファイリングの防止及び撲滅に関する一般的勧告第36号(2020年)
https://www.nichibenren.or.jp/library/ja/kokusai/humanrights_library/treaty/data/cerd_gc_36_jp.pdf
しかし、捜査機関による在日外国人に対する差別的な取り扱いは、厳密な「国籍」に基づくものではありません。日本の警察官による職務質問は、外国籍の親を持つ人たの子どもで、日本国籍を取得しているような人たちに対しても、繰り返し行われています。警官のそのような行動は、対象者の「外見」をもとにした「ステレオタイプ」による判断ではないかと疑われています。国際結婚や日本への移民の増加に伴い、近年、日本でも、人種差別問題が大きくクローズアップされています。
以下の記事で取り上げられた男性は、中学生の頃から何度も警察から職務質問を受けてきた、と言います。
職務質問30回 身に覚えはないのに… レイシャルプロファイリングとは | NHK | WEB特集
外見に基づく差別(特に権力のある捜査機関によるもの)は、日本だけでなく、他国でも長年問題視されてきています。海外からの移民や観光客なしには、この先、日本経済の発展はあり得ません。あなたは、この問題について、どう思いますか?ご関心のある皆様の参加をお待ちしています。
このワークショップの詳細は以下のとおりです。教材として、下記のBBCの英語記事を利用します。
日時: 2024年2月25日(日)20時~21時30分
場所: オンライン
定員: 10名程度まで
費用: 見学のみ: 500円、初回参加者:800円~
【教材】
Japan: Foreign-born residents sue government for alleged racial profiling
【参考資料】
国連・人権条約体の役割とは ー 人種差別撤廃委員会(CERD)の活動
チケットの申し込みは以下のYahooチケットサイトから、または銀行振り込みでお願いします。
【チケット】
日本での多様性社会実現を阻む偏見・ステレオタイプとは【英語で学ぶ大人の社会科】第70回 2/25(日)20時@オンライン
【銀行振込での申し込み】
振込用紙は以下のサイトからダウンロードお願いいたします。
このワークショップの設問は参加申し込み者、サロン会員、有料ニュースレター購読者及び後日発表するnote記事購入者にのみ送付します。過去のワークショップと同様の設問を設定しますので、以下のマガジンの2020年4&5月の記事(設問を公開しています)を参考にしてください。
【英語で学ぶ大人の社会科】世界の知性が語る現代社会
解説
人種とステレオタイプの問題が大きな注目を集めた事件として、忘れることができないのは、何といってもパンデミックが始まった2020年5月に米警官による拘束時に死亡した黒人男性、ジョージ・フロイド氏の事件を契機として世界中に吹き荒れた「#BlackLivesMatter」の抗議運動です。彼の死は、奴隷制度を長く維持し、それをもとに築かれてきた米国の警察の組織文化とは無縁ではありません。
また、英国をはじめとする他の旧植民地諸国でも「#BlackLivesMatter」は、瞬く間に拡散しました。帝国主義は、近代化を成し遂げた大国が武力により征服された他民族を自分たちの民族より知能や能力が劣る存在であるとみなし、侵略や搾取を正当化する思想です。人種によるステレオタイプに基づく偏見が、警察機構の「レイシャル・プロファイリング」の根底にあります。
拘束時死亡の9割が有色人種、米ミネソタ州の警察にはびこる差別体質が露呈 フロイドさん暴行死事件から2年でも改革進まず:東京新聞 TOKYO Web
一方、ステレオタイプは、人種に基づくものだけではなく、年齢、体重、職業、肌の色、性別、居住地域など、多数存在し、私たちは、普段はこの存在に無意識です。しかし、他人が発した何らかのステレオタイプの偏見による言動に傷ついたり、あるいはそれを見聞きした経験がない人は、ほぼ皆無なのではないか、と考えています。
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