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死刑制度の是非について

2017年3月より主宰している「朝英語の会梅田@スタートアップカフェ大阪~The Japan Times紙記事について議論する」のブログ記事を掲載していきます。

7/26(木)朝英語の会梅田で利用する記事は日本の死刑制度についてです。7月6日に麻原彰晃他、元オウム真理教の幹部の信者7名の死刑が同日に執行されました。西日本豪雨の災害対応に人々が奔走している中での突然の発表でした。1990年代のオウム真理教による一連のテロ活動は国内外で大きな反響を呼んだ事件でであり、また死刑制度という国際的に制度存続の是非が問われている課題であるため、今回は以下の記事が議論のテーマになります。

Let’s discuss the death penalty in Japan

まず、注目すべきは、先進国の大半が死刑制度を廃止する中、いまだ80%の日本人が死刑制度を支持する(2014年調査)という現実です。そのような環境の中、米国人・日本人は海外でしばしば死刑制度に関して意見を求められることがあります。

特に7月6日は7人の死刑が同時に執行され、今までは死刑執行後に発表のあったわが国での刑の執行が事前にメディアで発表されるという異例の展開でした。今回の日本政府の対応に大きく反発したのがEU駐日欧州連合代表部と在日フランス大使館などです。特にEUは世界的に死刑制度の廃絶を目指しており「EUと死刑制度」というHPの頁で以下の様に述べています。

日本で死刑が執行されたこと受けた、現地共同声明
26.12.2019

「われわれは、死刑に対する確固たる、かつ原則に基づく強い反対の立場に沿って、いかなる状況においても極刑に反対し、世界中で死刑廃止を積極的に追求し続ける。死刑は、世界人権宣言に謳われている奪うことのできない生命権を侵害するものであり、残酷で非人道的かつ屈辱的な刑の最たるものである。また死刑は、犯罪を抑止する効果を持たず、誤審があった場合に取り返しがつかない」

駐日欧州連合代表部

「死刑制度のない世界」を目指すEUの取り組み

死刑を支持できない理由:  「いかなる罪を犯したとしても、すべての人間には生来尊厳が備わっており、その人格は不可侵である。人権の尊重は、犯罪者を含めあらゆる人に当てはまる」というものだ。さらに、人権的観点のみならず、死刑は「不可逆性」という重大な問題を抱えている。検察官や裁判官、陪審員、さらには既決囚を赦免できる政治家であっても、絶対に間違いを犯さないとは言い切れない。にもかかわらず、死刑は一度執行されてしまえば取り返しがつかない。冤罪(えんざい)による、あってはならない過ちを完全に回避するための最も確実な方法は、唯一、「死刑を廃止する」ことなのである。

EU MAG

これらの行動から、EUは日本に死刑制度の廃止を働きかけており、人権団体のアムネスティ・インターナショナルも「死刑制度廃止」に向けて様々なキャンペーンを展開するとともに、死刑制度を実施している国、処刑数、判決数等の様々なデータを毎年発表しています。

The Death Penalty in 2017: Facts and Figures

このような国際情勢の中、わが国で死刑制度に対する支持が高いのは何故でしょうか、そして、今回「処刑ショー」と揶揄されるくらい、死刑の執行が一気に行われ、かつメディアの報道体制も以前とは変わったように見えるのは何故なのか、記事をつうじて一緒に考えていきたいと思います。

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