見出し画像

ウィンドウは再度板張り、NYCは不穏な空気:米大統領選 投開票日 前日のNYC

日付は11月3日、いよいよ米大統領選 投開票日当日。こんなに緊張感が高まり、不穏な空気の流れる投開票日は今まであっただろうか?

どちらが勝とうが抗議活動が行われることが予測され、少し前にBLMのプロテストが行われた時と同様、暴徒化した人々による店舗の襲撃が行われる可能性があるということで警戒し、店舗はウィンドウに板の貼り付け作業をすすめていた。

写真は、11月2日(月)の早い午後、定点観測の為歩いたUpper East Sideの様子。

BLOOMINGDALES
すでに全面板張り。貼られた板もしっかり黒く塗られ、目立たないようにされていた。

画像2

画像3

画像4

画像1

高級ブランド店が立ち並ぶMadison Avenue

BRNELLO CUCINELLI
板張り作業中

画像5

HERMES

画像6

画像7

Chopard

画像8

CHANEL
入り口のドア上にある「CHANEL」の文字も板で隠し、一見店舗が判別されないようにしていた。

画像9

画像10

TORY BURCH

画像11

Max Mara

画像12

Dolce & Gabbana
キッズ(上)とレディース(下)

画像13

画像14

PRADA

画像15

The RealReal

画像16

RALPH LAUREN
ウィンドウディスプレイの中身がわからないように内側に布がはられていた。

画像17

板をはっていない店舗も思いの外多くあったが、歩いてみたのがまだ午後早い時間だったこともあり、その後夜にかけて作業が行われたかもしれない。

このようなブランド店舗も危機感を覚えているだろうが、同じくらいの不安と被害を受ける可能性とその覚悟をしているのかもしれないと思うのが飲食店。なぜなら、このコロナ禍によるアウトドアダイニング実施で、店舗の外に飲食スペースを仮設している店が大半。その上、冬に備えてそれらをよりしっかりした設備にしている。暴動がある可能性があるとわかっていても、仮設とはいえもはや撤収できるような簡単な作りではなくなってしまっているのだ。その上、歩道上や道路の一角に設置されているこれらの設備は、万が一暴動が起こったとき、その輩が歩き回る目の前にわかりやすく飛び出して存在することになり、標的になってしまう可能性は否めない。

ブランド店の板張りをみても分かるとおり、板の色をそのままにせず黒く塗ったり、ブランド名がわからないよう店名も板で隠すなど、素通りしてもらえるよう可能な限り存在を消すよう努めている。いわば、一流店が通常行っているブランディングとは、真逆の事をしなくてはならないわけだ。しかしこれも身を守るための危機管理。自らが標的になりそうなのであれば、それをどこまで隠せるかが勝負だ。

飲食店も移動させられるものは全て店内に運び込むなどの対処はするのだろうが当然限界はある。今晩から暫くの間、不安な日々を過ごすのだろうと思うと、本当に気の毒でならない。

在ニューヨーク日本国領事館からは、11月2日付で以下のような注意喚起のメールが配信された。

大統領選挙に関するニューヨーク市等の治安情勢について(11月2日)

1 明日11月3日(火)は大統領選挙の投票日です。
 NYPDでは、大統領選挙に関連して現在までのところ具体的な脅威情報は無いものの、投票妨害行為等に対処するため、市内88か所の期日前投票所及び選挙当日の投票所1201か所に警察官を配置し、警戒を強化する旨を発表し対応にあたっています。本2日、デブラシオNY市長も記者会見において、投票日当日、NY市内で複数の抗議活動が実施される可能性があり、事態が暴力行為に発展する場合にはNYPDが介入することにつき述べています。
 マンハッタン内の一部商業ビルや商店ではガラス窓を板で覆う等して投票日及び投票日以降に発生する可能性のある抗議活動や抗議活動に便乗した不審者による略奪行為を防止するための予防措置をとっています。

2 現時点において投票日及び投票日以降の抗議活動については必ずしも予見できませんが、2016年に実施された大統領選挙の投票日夜には投票結果に反対する人々がニューヨーク市内において抗議活動を行った経緯があります。
 本年の大統領選挙においても既に主義・思想が対立するグループによる衝突が発生しており、昨日は、マンハッタン(チェルシー)において大統領を支持するグループに対抗するグループが行った抗議活動においては複数名が逮捕されたり、大統領を支持するキャラバン(多数の車列)がニュージャージー及びニューヨークにおいて交通渋滞を引き起こす事案も発生しています。
 このような状況を踏まえると、明日の投票日を含め今後数日間は注意が必要です。また、この状況はニューヨーク市内のみならず、各地域においても同様です。

3 本2日以降、ニューヨーク市においては以下のような抗議活動等が予定されています(15時00分現在)。当館管轄内の他の地域においても同様の抗議活動が行われる可能性があることから、報道等を通じて最新情報を確認してください。在留邦人及び当地滞在中の邦人の皆様におかれては、報道等により選挙情勢や治安等に関する最新情報の入手に努め、外出される際には不測の事態に巻き込まれないよう身の安全に十分留意してください。
 また、抗議活動等が行われている際は、平和的なものであっても状況により突然不測の事態になる可能性に十分留意し、抗議活動の近辺や人が集まっている場所などにおいては、常に周囲に目を配り自分の身を守ることを優先してください。暴動等に発展するおそれがある場合には、被害に遭わないための回避行動を取るなど、安全の確保に心がけてください。

11月2日
・BROOKLYN
1500-: December 12 Movement “Black Solidarity Day Unity March” @ Restoration Plaza-1368 Fulton St to Unknown
1700-: Brooklyn NAACP Chapter “Power to The Polls” Caravan @ Fulton Street & Marcy Avenue to Unknown
1900-: “Black Lives Matter McCarren Park Vigil & March” @ McCarren Park-776 Lorimer Street to Unknown
・MANHATTAN
1300-1500: AHRC “Black Disabled Lives Matter Rally” @ Foley Square-Duane Street & Centre Street
1600-: Refuse Fascism “We Demand Trump/Pence Out Now” Demo @ Union Square Park-E 14th Street & Broadway
1900-: Upper Eastside for Black Lives Matter Vigil @ Carl Schurz Park-East 86th Street & East End Avenue

11月3日
1400-1500: Protest “Count Every Vote Rally” @Tmes Square (44 St & B’way)

11月4日
1400-Unknown: Protest “Occupy the Streets if Election is Stolen” @Columbus Circle
1530-1145: Protest “Don’t Let Trump Steal the Election Rally” @NY Public Library Main Branch (476 5 Ave)
1700-2100: Rally “Don’t Let Trump Steal the Election Rally” @Union Square Park
1700-Unknown: Protest “Shut It Down Protest The Day After The Election - REGARDLESS OF RESULT” @Croatian Church of St Cyril (502 W41 St)

本日11月3日が投開票日ではあるが、郵便投票分の集計がこの日のうちにできない可能性もあり、夜に正式な結果が出ているとは限らないのが今回の厄介なところ。しかし、トランプ氏は一方的に勝利宣言をすることも懸念され、不安がさらなる不安を呼ぶ今回の米大統領選だ。

今日は、このコロナ禍で大打撃を受けている多くの店舗や人々が、これ以上被害や危険な目にあわずに済む事を心から願いつつ、選挙の結果を追いかけようと思う。

いいなと思ったら応援しよう!