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日大アメフト問題:あなたが無意識の加害者にならない為に

この一つ前のポストで、「日本経営合理化協会」のWeb連載コラム『社長の戦略印象リスクマネジメント』vol.3として掲載された「「日大アメフト反則タックル問題:謝罪会見」から企業トップが学ぶべきこと」を紹介しました。

どこに寄稿する際もそうなのですが、私のモットーとして、問題の本質や責任の所在などに関しては一切言及しません。それは司法が判断してくれること。今回のように国民感情が高まりすぎてしまった問題は特に、意識して静観しないと大事なことを見落としますし、違う問題にも発展しかねませんから。

それが証拠に、今回の問題で激昂し、早とちり・勘違いをした人たちによる「日体大」への抗議の電話があるとのこと。

日体大、思わぬとばっちり アメフト日大と混同されて

日本体育大学からの重要なお知らせ

一番気の毒なのは、巻き込まれ事故に遭ってしまった日体大。
今年の成人の日に起こった「はれのひ」問題で、フォトスタジオの「ハレノヒ」が名前の読みが一緒ということで風評被害に遭ってしまったのと同じです。

人の持つ正義感は本当に素晴らしいし大事。でも、だからと言って一切関係のない人や組織を勝手に勘違いし、巻き込んで良いなどということはありません。それこそ「ごめんなさい」では済まない。それに、この手の巻き込まれ事故状態の場合、勝手に勘違いして巻き込んだ人から、被害にあった側は謝罪を受けることなどありません。そうなると、被害を受けた側はどうしたらいいのでしょう。

問題の渦中にはいない、ニュースを見て激昂している一個人が、高まり過ぎた気持ちがゆえに起こしてしまった行動や発言により、その人は知らぬうちに加害者になる可能性がある。でもそうなった自覚がない不特定多数の個人個人は、また違う時にも正義感による熱を高め、気づかぬうちに誰かを被害者にしてしまうかもしれない。

人の気持ちになり、人の為に怒れるのは人間の暖かい部分ではあるけれど、一人一人のほんの少しが重なって”マス(mass)”になると制御不能となるのは明らか。かなり危険であることを今回の問題を通じて感じています。

自分の意見を持つことはとても大事、熱い思いを持つことも大事。でも、関係のない誰かを巻き込み、迷惑をかけたり傷つけたりしてはいけない。これこそ人として大事なことなのではないかなと思うのです。

今回の問題のポイントでもある「ルールを守るのが大前提」という意識、メディアを通して問題を見聞きしている我々も、再度自らの中に「モラルを守る」ことを意識する必要がありそうです。

日大アメフト問題は連日会見が行われ、様々な報道もされています。早期に良き解決を望むのであれば、暖かくかつ冷静に見守り、もし一般の人間として何らかを求められる時があったら、その時にこそ正しく大きな声を上げ、適切な行動に出る。それが本当の親切なのではないかな。

まずは、誰もがなる可能性のある無意識の加害者にならないよう、一人一人がそれを意識すること、そしてこれ以上巻き込まれ事故が起きないことを切に願います。

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