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ビジネススーツの近未来についてユルく考察①:ワークマンのリバーシブル・スーツ
2月も半分がすぎ、NYは明日も雪。一般的に企業は社員に通勤を義務付けていないので、ほとんどの人々が在宅勤務。当然、従来毎日スーツをきていた人々(主に男性)も、それを着る機会がほぼ皆無。自宅ではオンライン・ミーティングがあって姿が映るとしても、カジュアルなシャツに履き心地のよいパンツであれば十分だ。自宅でスーツを着るというのは、不自然極まりない異様な光景だからだ。
日本では、緊急事態宣言がまだ解除されていないとはいえ、通勤をしている方が多くいる様子をニュースで目にしているが、その方々の中でどれだけの人が、COVID以前のようなびっしりしたスーツスタイルを日常的に貫いているのだろうか。
もう何年も前から、ビジネス界隈の装いも世界的にカジュアル化しており、スーツのあり方とその立ち位置や方向性を、売る側ではなく、身に付ける側の人々が考えなくてはならないのではないか?と思っていた矢先にCOVIDで世界的にパンデミック。
この強制的社会機能停止期間をプラスに捉えるのであれば、ここで一旦仕事の仕方の棚卸しをし、仕切り直して、それに適切なツールとしての服とそうでないものを入れ替えていく時期にすることができる。
と、前置きが長くなったが、New Normal(ニューノーマル)、そしてNew Reality(ニューリアリティ)の仕事服として、「こんなアイテムってアリ」というものを、紹介していくのも面白そうだなと思い、思い立ったが吉日なので開始してみる。
一つ目はワークマンのリバーシブルワークスーツ
これ、写真でみると、普通に良い感じのカジュアルダウンされたスーツとして成立しており、作業服感自体が無く思える。もっといえば、アスレジャーっぽく見えるのは筆者だけだろうか? 写真の撮り方とモデルが良いのかな(笑)
スタイル&テイスト
いずれにしても、スマートで、スポーティさによる颯爽とした感じは、ビジネスシーンでプラスの要素。
素材
ストレッチ性に優れた素材を使用しているのも、動きやすさ・着心地の良さにつながる。
ケチャップも弾く防水、防汚加工も施されているとのこと。男性によくある食べこぼしもこれで問題解消。ご本人も安心、ご結婚されている方は奥様も平和。
3月には夏向けの高通気機性素材ドットエア(DOT AIR)を使用したタイプも登場するらしい。
機能性
ポケットが複数あるのも男性には嬉しいポイントだろう。「ビジネススーツのポケットには物を入れるな、あれはただの飾り。しつけ紐を取ってはならない」とクライアントに口酸っぱく言う筆者だが、スポーティでカジュアルなスタイルはそれとは別。どうぞどうぞ、入れてください。
そして、ビジネスシーンでの着用を考えた時、コンパクトに畳むことができるポケッタブル仕様であることが役に立つのは、出張の時だろうか。
疑問点
そして、これはどうなの?と個人的に思ったことがある。それは、裏返しにすれば作業服になるスーツ、言い換えればスーツの仮面をかぶった作業服」という部分。ワークマン的には作業現場とオフィスを行き来する必要のある人や自転車通勤をしている人などを具体的なターゲットにしているそうだが、
1. この作業服だったらそのままで十分よいのでは?
2. 一旦着て少なからず通勤の最中に汗をかいた服を裏返して、汗をかいた側を表にして着るのってそちらの方が躊躇するような?
まぁ、使うも使わないも利用者次第ということだろうか。
価格設定
4800円(税込み)とは、リーズナブル。作業服として汚れることが前提だからこそ、数を持ちどんどん洗って清潔に着続けられることが考慮されている。
着こなしのポイント
このリバーシブルスーツをビジネスの場面で着るとした場合、かなりのカジュアルダウンが許可されていることが前提。一般的ビジネス・カジュアルのレベルよりもカジュアルになってしまうことが予想できる。なぜなら、襟のついたドレスシャツ やスポーツシャツを合わせてしまうと、いきなりおかしなことになるからだ。このリバーシブルスーツに合わせるのであれば、少し上質な白のクルーネックTシャツ。少しスタイリッシュでクールにするのが許される場であれば、同じ形態の黒のTシャツ。ここで手を抜くと、いきなり清潔感がなくなってしまうはずなので、要注意。
総括
日本に帰国できるのであれば、夫のお土産として一着買ってきて、試しにNYで着せて、ニューヨーカーの反応をリサーチしてみたいくらい。現実には、それが当面叶わず残念なのだが
こんな風にかいていると、従来のビジネススーツとそのスタイルというのはなくなってしまうと筆者が思っているように受け取られてしまうかもしれないが、それは断固として違うと言っておこう。重要な場面でのビジネスアタイア(ビジネススーツを着用すること)はなくなることはない。しかし、今までのように、「とりあえずスーツを着ておけば無難」では無くなっていく(すでにそうでは無くなっている)ということなのだ。
ビジネスシーンで何を着るか? それはご本人が、それを着る意味や、その場面と必要性をしっかり理解した上の行動として、それを選んでいるという意思と行動の一致の可視化がさらに重要になってくるだろう。