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“格”が決め手 ビジネスカジュアル -メディアが見たイメージ戦略 vol 5- :『PRIR』寄稿記事

※本記事は『PRIR』 9月号(2005年)に掲載された日野江都子の寄稿記事からの転載です。

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2019年7月29日現在の所感

世界的カジュアル化が進む昨今、米金融大手ゴールドマンサックスのように「全社的なフレキシブルなドレスコード」と服装規定が緩和され、スーツやタイは任意というようになっていく流れはどんどん出てくる可能性がある。

クールビズが14年目に入った今年だが、日本の夏のこの「クールビズ」は目的の大きな部分が暑さ対策ということもあり、ビジネスカジュアルの本来の意味合いや、カジュアルダウンした際に何が重要であるか、それが何故なのか?という根本的理解と理解を促すためのことが行われていない。

そのため、「タイを外したから、その代わりにポケットチーフを入れる」「タイを外したから、襟元にインパクトのあるシャツを着る」など、違った方向に向かっており、どんどんビジネスカジュアルの本筋からずれて行ってしまっていると言える。

タイというパーツが一つ減った分を補うべきは、違うパーツではない。それは何か?が、14年前に執筆した筆者の寄稿記事に書いてあった。

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 国際的に通用する、一流のビジネス・エグゼクティブとして評価される人たち、彼らに共通して見られる外見イメージのポイントがある。これが何であるかご存じだろうか?

 私は先日、ニューヨークのミッドタウン、アメリカでも大きな会社やホテルが立ち並ぶエリアにある、洗練されたカジュアルレストランでの気軽なビジネスランチの席で、その決め手を再認識するとともに、確信するに至った。

 私の周囲の人たちも、同じように、カジュアルなランチミーティングを兼ねたような方々ばかり。

そんな彼らの服装は

1)糊のしっかりきいた上質なシャツ。

2)ピシリとプレスされ、まっすぐなセンターラインの入った仕立ての良いズボン。

3) 手入れの行き届いたピカピカの靴とそろいのベルト。

4)ランチタイム・その店・ビジネス会食というTPOを踏まえたスマートな雰囲気作り。

 これらの項目が、NYで最高を見ている方々から伺った話と見事に一致していたのだ。

 NY唯一の日系ホテル「KITANO HOTEL」副総支配人 小島氏は、「アメリカのトップエグゼクティブは痛んだ靴など決して履きません。極端な人の場合、少々シワが入ったら、捨ててしまうこともあるほどです」と語る。

 NYのエグゼクティブを顧客に持つ高級衣料品店「リチャーズ」と「ミッチェルズ」のCEOジャック・ミッチェル氏は「スーツはもちろんのことながら、エグゼクティブのビジネスカジュアルであれば、なおさら上質な素材・仕立ての服装を身に着けることが望ましいです」という。

 見た目で判断されるイメージ重視の欧米社会から生まれた、的確な服装選択とメンテナンスのポイントがここにある。上質な素材や仕立ての物は、それだけで存在感と品位を感じさせ、カジュアルダウンしたとしても、その格を漂わせることができる。そして、靴にしろ、シャツ・ズボンにしろ、手入れの行き届いた曇りもシワもないさまは、余裕を感じさせ、生活レベルや社会的なステータスを顕著に表すことができるのだ。

 日本人エグゼクティブも、彼らに全く引けをとらない金額を衣服に投資しているはずである。ぜひ、彼らの服の選び方、手入れ方法、状況に合ったアレンジなどのイメージ戦略を取り入れてほしい。そうすることで、国際的なビジネスシーンでも、堂々と、そしてスマートに振る舞うことができ、欲しい評価・成果を手にすることがより容易になるに違いない。

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