ファッション視覚心理考: 「ストライプ柄」
パブリックな場面、そしてビジネスシーンにおけるその人の心理状態や意思(考え)、それをプレゼンス/アピアランスからプロファイリングし、人に与える心理作用や人を動かす戦略の根源を分析している本note。
それらを理解し読み解くにあたり不可欠なパーツである服における「柄」
・人は、どうしてこの柄を選びやすいのか?
・その柄は自分にどういう効果をもたらしているのか?
・どの柄は他者にどのような印象やメッセージを伝えているのか?
・それをうまく自分のものとして取り入れるには?
そんなことをふと思い、まずは「ストライプ柄」から思いつくままに整理し、斬ってみます。
ストライプ柄は、
●その人の長所や才能を伸ばす効果があると言われる。
●仕事や勉強がはかどる(予定を着実に進める意識になる)
●細いストライプは、明確な意思もありながら、デリケートさも感じさせる
●太いストライプは、決断力と実行力を強める。
縦のラインは、誠実さを相手に印象づけるとともに、相手からの許諾を引き出しやすいと言われます。規則正しく配置された縦線は、知的で理路整然とした清潔でまっすぐな印象を与えます。また、縦線の流れに沿って目線が上から下へと動く行動が、頭を縦に振り頷く人間の日常行動とその時の心理とが重なりやすいわけです。故に、謝罪や、相手を説得する場面にも効果があると言われます。
縦のラインは、物事を秩序的に計画的に進めたいという意志表示でもあり、ストライプのスーツやシャツを選びがちな時は、そのような心理が無意識に現れている可能性があるとも言えます。また、そのように物事を進めたい時には、最適な環境を整えるツールとして、意識してストライプを選ぶのも有効といえます。
ラインの太さや地色とストライプの色のコントラストが強くはっきりしていればいるほど、その意志表示とメッセージは強くなります。
ストライプの縦線は、物を縦長に見せる効果があります。故に着用している人の身長を高く・すっきり見せることができます。ストライプを着用した人(主に太めでコントラストの強いストライプ)は「目立つ」「強いメッセージを放つ」と言われますが、理由の一つは存在が縦に大きく見えるためと考えられます。実寸ではなく、一目見た時の印象で、人は「大きく見えるもの」を「強い存在」と認識する心理作用のためです。また、すっきり見えることは、自己管理ができている整然とした印象と受け取ります。
ストライプの配色
有効かつ好まれるのは、同系色・補色(反対色)・ナチュラルな色(植物の色)など。
細いストライプ・ボーダー
明確な意思もありながら、デリケートさも感じさせる。ドレスシャツへの活用が適切。
太いストライプ・ボーダー
男性にはネクタイなどに使うと、決断力と実行力を強めることができる。
ビジネスシーンで活用する場合、ドレスシャツで白地にブルーもしくは薄いブルー地に白の細いストライプが清潔感・冷静さ・誠実さ・信頼を与える。
筆者がコンサルテーションを行ったクライアントには、強いリーダーシップ・メッセージを示す際に有効なネクタイとして、クライアントには無地もしくは「強めストライプ」の赤(その方をもっとも強く見せる赤の種類を選定)のタイを必ず用意するようアドバイスをしています(クライアントのコーポレートメッセージやご本人のタイプ、意向によって「強め」の意味やバランスは変わります)。
ちなみに筆者は、時々無条件で水色地に白の細いストライプ柄に惹かれる傾向があります(特にコットンかリネンといった適度に張りはある天然素材で、生地は薄手でしなやかなもの。主に上半身に着用するものでシャツ)。それを着用する場面は、実は仕事以外の時。
コントラストの弱い、寒色系・明度(明るい)の高い配色、細いストライプ
その心は:適度にピシッとした規律を求めている、でもそれほど強烈さは不要、涼やかでさっぱり明るい気分、きちんとしたい(一緒にいる人を不快にさせたくない)、ってところでしょうか。
大抵、そのシャツ(トップ)の前は深めに開けて(バックリ空いているものを選び)、ボトムはブルー系でアンクル丈のパンツもしくは結構履き込んだブルーか白のデニム。硬く真面目にならないよう、最大限緩く着るのがお決まりですが(笑)。