考古学の散歩道 田中 琢・佐原 真著
1997年4月 第13刷 岩波新書
もう覚えてもいない昔、この本を購入して読むこともなく本棚の奥にしまってあったのを先日、発見した。考古学とは何を研究する学問なのか、以前は専門的な知識はなかったが民族学や民俗学、ひいては考古学(と思われること)に興味があった。
今、改めてこの本を読んで考古学の難しさが若干ではあるけれど理解できたような気がする。考古学における国際化とは何か、特に海外に発信することに意欲的でなかった日本の状況、戦争、大規模な他社の殺戮を伴う争いはいつ始まったか、北海道アイヌおよび沖縄琉球と本州島との関係、北方領土やドイツとポーランドを例に、領土領有権における考古学の役割、文化財保護の考え方など、様々な課題があることが分かった。
「人間は何をしてきたか」を知り、「人間は何をすべきか」を考えることが大切であり、そのために考古学は大きな役割を果たすだろうと、僕も思っている。 (2020年11月25日(水)付)