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業務改善の落とし穴(後編)

今日も天気がいい@東京です。

少し肌寒いですが、窓を開けると気持ちのよい風がオフィスに流れ込んできて、好きなBGMをかけながら仕事をスタートさせています。

さて、今日は「業務改善の落とし穴」の後編です。
後編は個人で出来ること:仕事の受け方改善(目的を知る!)です。

前編が会社や組織、チームで取り組むことを前提にした改善、中編が仕事の出し方の基本でした。そして、後編は仕事の受け方改善です。

こちらは誰でも、直ぐにできる業務改善なので是非取り組んでもらいたいと思います。ターゲット読者は仕事をする全ての人です。(広っ!)

慣れないテレワークで準備した資料が依頼者の求めているものでなかったら残念極まりないですよね。今日はそんな残念な日常を撲滅するためのコツをお伝えしたいと思います。

昨日も書きましたが結論は、

依頼者(指示を出す人)の本当の目的を知ることが劇的な業務改善に繋がる

です。

依頼者の本当の目的を知るという視点がすごく大事です。

指示されたこと、言われたことを、出来るだけ早く、出来るだけ忠実にという改善の方向性は一見正しそうですが、大きな落とし穴になっているのです。

特に今はテレワークで仕事をしている人も多いので、途中途中の迷ったタイミングでタスクの確認をすることがしづらい環境です。

知らない間に方向性がずれてしまうこともあるでしょうし、最初から違っていたなんてこともあるかもしれません。


なので、依頼者の目的を知ることは、方向性のズレを防ぐことになることだけでなく、完了状態の質にダイレクトに良い影響を与えるので必須です。


これは仕事の受け方改善の話しではありますが、仕事の本質みたいな所だと思うので意識されてなかった方は是非トライして欲しいと思います。

仕事の指示とは依頼者からすると目的を達成するための手段です。依頼者からの指示が必ずしも最適な手段とは限りません。

依頼者の目的を把握したうえで、適宜提案とすり合わせをしてから業務を引き受けるのが大事です。

これは手戻りを無くすだけでなく、無駄な仕事をしないという観点からも非常に重要です。


僕らの会社では企業広報の仕事をさせてもらっています。
例えば社内広報誌を作る際にお客様から担当者へこんな依頼をいただいたとします。

次号の特集ページで「働き方改革」を取り上げたい。
ついては他社さんがどんな企画をしているのか事例を教えてほしいのだけど


皆さんならどうしますか?


この時に「わかりました。」と伝えて、自社にある働き方改革の他社事例を会社が特定できない状態に編集した資料をお客様へ提出することは果たしていいのでしょうか?

ここで必要な問いは

なぜ働き方改革の特集を組むのか?

ですし、

もっと言えば、

働き改革の特集ページで得たい効果は何か?

になります。

文字にすると当たり前すぎるほど当たり前なことです。目的を知るのは簡単で質問すればいいだけなのですが、リアルなコミュニケーションだと抜け落ちしてしまうことが多くあります。


例えば、「なぜ働き方改革の特集を組むのか?」の質問が以下だとします。

トップからもっと生産性を上げるように号令がかかっている


そこですかさず「御社にとっての生産性とはどういう意味ですか?」となぜ?を深掘っていくのです。

短い時間でより高い収益を上げること


「この特集記事を読んだ社員にどのような効果を期待したいですか?」と更になぜ?を深掘っていきます。

働き方改革が理想論ではなく、実現可能だということを伝えたい。
そして、自分にもできるかもと思ってもらいたい。



ここまでなぜ?を深掘ると、お客様へ提出すべき資料のアウトラインがみえてきました。

この企業では働き方改革がトップによる押し付けのように見えている可能性があります。

あらためて、なぜ働き方改革に取り組むのか、取り組むことによって社員にどのような恩恵があるのか、取り組む社員のために会社からどのようなサポートをしていくのか、キックオフ的な事例が必要かと思います。

また、収益性を下げずに働く時間を短縮した事例の共有や、働き方改革のロードマップ(いつまでに誰が何をする)づくりに参考になる事例も喜ばれると思います。


一方で別の企業では「なぜ働き方改革の特集を組むのか?」の質問が以下だとします。

フレックス制度や在宅勤務制度があるのだけど利用が促進されていない


更に「なぜ利用が進まないのですか?」と深掘ります。

チームによって取得のバラつきが多いのですが、
管理職の理解度によって差が出ているのが実情です。


「この特集記事で管理職にどのようなメッセージを届けたいですか?」と更に深掘りします。

ダイバーシティを推進することで
結果としてチームの競争力が高まることを伝えたい

このように少しなぜ?を深掘りするだけで、お客様の課題や要望の輪郭はみえてきます。


この企業の場合、管理職が推進の障壁になっている可能性が高いです。

例えば、管理職が押さえたい「働き方改革Q&A10」みたいな事例で、個人の認識のずれを〇×のようなクイズ形式で啓蒙する事例や、多様な働き方を推進して生産性を上げたチームの取組み事例などが喜ばれると思います。


次号の特集ページで働き方改革を取り上げたい。
ついては他社さんがどんな企画をしているのか事例を教えてほしいのだけど

という依頼に対して反応的には仕事をするのではなくて、その裏側にある目的をしっかり知った上で必要な資料を提出していくことが求められています。

こうした目的を押さえるクセをつけることで、余計な手間や無駄な資料を作成しなくても済みます。

そして、余った時間でそのお客様にあったオリジナルの企画案を添えて提出するのがプロフェッショナルな仕事の進め方だと思います。

急にテレワークになりまだまだ不自由を感じている人は多いと思いますが、その仕事の依頼の目的を押さえるクセをつけて、生産性を落とさない毎日を送って欲しいと思います。

頑張りましょう!

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工藤太一/印刷会社二代目/glassy株式会社代表取締役
こんにちは。最後までお読み頂きましてありがとうございます。このnoteは僕のつたない経営や、インナーブランディングを行う中でのつまづきや失敗からの学びです。少しでも何か皆様のお役に立てたら嬉しいです。サポートはより良い会社づくりのための社員に配るお菓子代に使わせていただきます!