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基山瑣末
2023年4月13日 18:00
1. 私と富士津西燭の出会いは30年前にまで遡る。 私の実家に彼の描いた絵が飾られていたのである。 その絵は、富士津が美大在学中に描いた作品だ。何のことはない、ただのシロツメクサの絵である。しかし、在学時から既に稀代の天才と囃されていた彼の筆力を以てすれば、8才の少年に画家を志させるに足る尤物となる。 富士津の絵は写実的である。だが、見た物をそのまま写すのならカメラの方が余程上手くやる。彼の