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小林まゆみ
2021年5月7日 20:20
我が家のピアノは購入して半世紀が過ぎている。APOLLO(アポロ)という「東洋ピアノ」製のものだ。たまに高音のシが突然消えるという不思議な現象がおこるが、弾いているうちにまた音が出るのでそのままにしている。このアポロに関して私は半世紀もの長い間大きな思い違いをしていた。恥ずかしいけれど…告白しよう。半世紀以上前のある日、学校から帰ったら家にピアノがあった。親はこのサプライズを私が喜ぶと確
2021年4月7日 15:34
あれは確か母親と暮らし始めた頃だから10歳くらいだったと記憶している。家庭の事情でそれまで祖父母や親せきの家に預けられて育った私は、初めて母親と暮らすことになり少し緊張していたように思う。ご多分に洩れず母は教育熱心で、お誕生日といえば英語の辞書や偉人伝など、子供にはあまりうれしくない本のプレゼントだった。そういえば母の兄にあたるおじからは「ワーシャと学校友達」というロシアの本をプレゼントされた
2021年3月22日 18:18
生まれてこのかた視力は1.5から落ちたことがなかった。30歳をすぎてからも特に変化もなく、まわりに眼鏡をかけた若い人達を見ると気の毒に思っていた。小さな子供にいたっては親の責任だと思っていた。暗い所で読書をしたりファミコンに興じた結果だと勝手に決め込んでいたのだ。そんな私が、転職して図面をひくようになった5年目あたりから、細かい作業の後に周りの景色がぼんやり霞んで見えることが多くなった。疲れ目
2021年3月22日 19:57
私はガラス作家で本を書く人ではないので、文章を書かなくても生きていけるのですが…最近文字離れの生活のせいか(歳のせいか?)物忘れがひどく、言葉での表現がおぼつかない時があり、背筋の凍る思いをすることが多くなりました。あれほど慣れ親しんでいたはずの言葉たちが、赤の他人のようになっていくのは寂しいです。つい最近も大好きだったビートルズの曲名がすぐに思い出せなくて…悲しかった。 友人のK氏は、
2021年3月7日 16:29
生まれて初めて色ガラスに触れたのはいつのことでしょう?ラムネの瓶の淡い緑、金魚鉢の縁の青、色とりどりのビー玉やおはじき、風鈴やビードロ、お父さんのウィスキーの瓶…子供の頃に出会った色ガラスの美しさに心奪われた経験はありませんか?私は7歳まで祖父母に預けられて育ちました。幼いころを過ごした静岡県の大井川河口近くの川尻という町には、東芝の大井川工場がありました。当時は(昭和30年代)高い塀もな