病気にならない体は腸が作る
皆さんは、便秘(もしくは下痢)なら、それさえも治ってしまえば
問題ないと思われるかもしれませんが、実際は違います。
便秘や下痢、あるいはガス腹(おなかに張り)は必ずと言って
いいほど、体の別の部分、あるいは全身にわたる不調を伴い、
おなかと全身状態の切っても切れない関係が生まれます。
おなかの状態が悪いと体調も悪化します。
逆に言えば、病気にならない体は病気のならない腸から
生まれます。
体の1器官にすぎない腸が、体全体を左右するほど影響をもたらす
理由があるのです。腸は口から入った食べ物を「消化、吸収、排泄」
する唯一の器官であると同時に「第二の脳」と呼ばれ、脳に次いで
神経細胞が多く集まった器官でもあるのです。
よって腸は、ヒトの血となり肉となって、生命活動を支える栄養素を
吸収する唯一の存在であるばかりか、神経のネットワークから全身
に様々な情報を伝達する重要な役割までも担っているわけです。
ここで注意したいのは、腸の不調を訴える人が爆発的に増えていることです。便秘、下痢、あるいはその両方を切り返す、ガス腹、、、
慢性化はしていなくても、何かの折にこうした症状を感じる人は
後を絶ちません。いったい日本人の腸に何が起こっているのでしょうか
日本人は「停滞腸」に陥っている。
停滞腸とは
腸管の基本的な運動が低下した腸で、蠕動運動が適切に行われず、
低下している腸の状態をいいます。
このような停滞腸は内視鏡をみれば一目瞭然。本来、健康な腸は
美しいピンク色をして弾力にとんだ管なんですが、停滞腸は色が
くすんで形も弾力が失われダラっとしています。
シミのようなものが出来ていたり、むくんだような形状をしていたり、
大腸憩室と呼ばれる風船のようなふくらみまでできていることもあります。
大腸憩室は、腸の中の圧力がストレスや便秘によって高まることにより、
腸の中の粘膜が押し出されてできるものです。
もともと高齢者にはできやすかったのですが、若い人にも増えてきました。
現代の日本人の腸の状態が悪化している一つのバロメーターになると
思います。
停滞腸に陥っている人の腸は、全長約9Mにも及ぶ腸管のあちこちに、
不要な老廃物がたくさんこびりついています。すると、そこから血管
を伝って老廃物(毒素)が全身に回っていきます。その結果、頭痛、
肩こりから疲れやすさ、だるさ、じんましんまで様々な症状があらわれ
ることがあります。ほかに、ニキビや肌荒れ、シミなどの肌のトラブル
も腸の汚れまわりまわって、結果的に肌に現れるケースは少なくありません。
停滞腸による便秘に伴って、患者さんがよく訴えられるのがガス腹です。
皆さんはガス腹というと「ああ、おならが出やすいのでしょう」と思う
かもしれません。それだけなら、日常生活にさほど支障はないでしょう。
しかし、このガス腹は意外と侮れません。おなかにたまるガスの量は、
多い人で大型のペットボトル2本分ほど、つまり2~3Lものガスが
とどまっていることもあるのです。これだけたまれば、下腹もポッコリ
と出ないわけはありません。スタイルを気にしてどんな食事量を減らした
ところで、ガスはとどまればひとたまりもないのです。
体調面でも、おならとして排出しきれないガスはたまっておなかが苦しい、
痛いというケースに陥ったり、胸やけや、げっぷ、吐き気、胃の不調の
原因にもなりかねません。口臭、体臭、さらにはむくみまで生じることも
あります。むくみは本来、水分代謝が適切に行われていないことによっておこる現象です。ところがガス腹によって排泄が滞ってしまうことで、細胞間
に余分な水分が滞留し、むくみが生じるです。
体の外に出なければ水分が体の内側にあれば、当然体は重たくだるくなります。また、朝は顔がはれやすく、夕方委はふくらはぎがむくむなど、特に
女性の方の摂ってはありがたくない現象が後を絶ちません。
たかが停滞腸、されど停滞腸、。いったんていた腸になると、様々な不調が
ドミノ倒しのように起こることがお分かりいただけるでしょうか。
これもすべて、腸の健康が全身の健康につながっているためです。
停滞腸を放置しておくと、トラブルだらけのからだになりかねません。