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共通の縄張り

※この物語はフィクションであり、実在の人物や団体とは一切関係がありません。

職場での親睦会は、社会人にとってはお馴染みのイベント。この日は、れなと聡子の素晴らしい成果を祝う特別な飲み会が開かれた。一人だけでは成し遂げられない業務を、れなと、聡子たちは見事にこなすことが出来た。聡子は、れなと心を一つにして仕事をしたかのような団結力と、その成功に対する誇りを胸に参加していた。



ただ、お互いにアルコールを飲むことができない。




偶然の休日の出会いは少し気まずいものだったが、写真愛好家の聡子が何を撮影したのかには興味があった。彼女のカメラから生まれる作品は、れなの好奇心を刺激する。彼女がどんな瞬間を捉え、どんな物語を語るのか。


居酒屋での社員間の非公式な会話は、一般的に問題視されていない。実際、仕事後の懇親会は、従業員間の絆を深め、チームワークを促進し、職場の雰囲気を向上させるとされている。しかし、個人のプライバシーや機密情報の取り扱いには、常に注意が必要である。このような微妙なバランスを保つことに戸惑いを感じていたれなは、休日の出来事については話さないことにした。


店の外に出る人々の中で、少し酔った足取りで歩く者もいれば、すっかり潰れてしまった者もいた。聡子はそんな光景を眺めながら、れなを追いかけた。

「飲めない私たちにはつまらないですよね」と、聡子はれなに声をかけ、止めようとした。

「ただ聞いてるだけじゃね。だからこういうの苦手なんだ」と、れなは苦笑いしながら答えた。不思議と、その瞬間に二人の間には共通の理解が生まれたようだった。



「この間行った、海沿いの写真、SNSにアップしたんですか?」と、聡子がれなに尋ねた。れなは、予期せぬ話題に少し驚いたが、興味が湧いてきた。



彼女が話してくれたことは、二人の絆を深めるものだと、れなは確信していた。


聡子の言葉は、時間を超えたメッセージのように、れなの心に深く響いていた。








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