
Photo by
casa_de_jackson5
米の高騰、、、事実上の減反政策
なぜコメ不足が起こったのか。気候変動による不作やインバウンド需要の増加を挙げる人もいますが、根本的な原因は別のところにあります。それが政府による「減反政策」です。
日本では'70年以降、主食用のコメ余りが問題となり、コメの作付面積を制限する減反政策が導入されました。主食用のコメから飼料用米や麦、大豆などに転作した農家に補助金を給付することで、コメの生産量を減らして、米価を市場で決まる水準より高く維持してきたのです。
安倍晋三元首相は'18年から「減反政策を廃止する」と主張しましたが、これはまやかしです。確かに国は農家に対する「生産数量目標」の通知はやめました。ところが、飼料用米や麦などへの転作補助金はむしろ拡充したのです。
さらに農水省は毎年、翌年作るコメの“適正生産量”を決定・公表し、これに基づいてJA(農業協同組合)などが農家にコメ生産を指導しています。要は実質的な生産調整が行われており、実態はまったく変わっていないため、コメの生産量は右肩下がりになっているのです(上図)。
このように日本のコメの生産量は人為的に低く抑え込まれていて、そこへ猛暑やインバウンドが重なり、コメが足りなくなったというのが、「令和のコメ騒動」の真相です。