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重層的な味ってこういうことか!バレルエイジドビールの衰退から復活までの物語も紹介
どん!
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はい、今日はこんなインパクト大!なラベルのビール「Founders Backwoods Bastard」について書いていきたいと思います。
キーワードは、「バレルエイジド」です。
とにかく最初に味の感想を書きたい!
不思議体験な味
キーワードは「バレルエイジド」とか言っておきながら、それよりもまず味の感想を書きます!
まず香りなのですが、これは正直結構普通でした。下の写真からも想像できるような、割とよくあるカラメルの香り。
バレルエイジドビールってずっと飲んでみたいと思ってて相当期待してたのに、ちょっとがっかりかも…なんて思ったりもしました。
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しかし!
飲んだ瞬間そんな思いは一掃されて、「不思議体験!」という感想に変わりました。
というのも、口に入れた瞬間、グラデーションのようにみるみる味が変化するんです。
飲んだ瞬間はチョコレートのようなレーズンのような、苦みとは違う尖った味がするんですが、すぐに口の中でじわ~と丸くなって、キャラメルやバニラのような味わいになります。
よくワインとかの味で、「重層的」って言ったりするじゃないですか。私、あれあんまり実感したことなかったんですが、今回このビールを飲んで「重層的な味って…こういうことなんだッッッ!」とそれはもうびっくりしました。
ちなみにIBU(苦み指数)が50らしく、これはIPAと同等なんですが、苦みは感じませんでした。
本当においしい!でも注意点も…
グラデーションのように変わる味、そのどの段階の味も本当においしくて、また絶対飲みたい!というくらい気に入ったのですが、1つ、飲み方について失敗したな~と思う点もあります。
さっさと飲み切らなかったこと。
実はこのビール、お高いんですよね。税込みで1300円くらいしました。それに加えてこんなにもおいしいので、すぐに飲み切ってしまうのがもったいなくて、ゆっくりゆっくり味わいながら飲むことにしたんですね。
でもこのビール、時間が経つほどに結構普通の味になっちゃいます。だんたんとチョコムースみたいなコーヒームースみたいな味になっていって(「ムース」というのが肝です。チョコやコーヒーそのものの味とはちょっと違います)、この時点ではまだすごい美味しいんですが、最終的にはよくあるカラメル味になるんです。
それでも美味しいんです。普通に。でも、最初の鮮烈な美味しさではなくなってくる。
だから、もったいぶってちびちび飲むより、「美味しい~~~!!!」というテンションでサクサク飲んだ方が良かったなって思いました。
まあアルコールが11%なので、そんなにめちゃくちゃテンポよく飲むというのもちょっとアレなんですけどね。
で、バレルエイジドって何?
木樽で熟成されたビール
はい、とにかくまず味について書きたかったのでキーワードの解説が後回しになりましたが。
バレルエイジドというのは、木樽で熟成されたビールのことです。
樽は、バーボン樽、ウィスキー樽、シェリー樽、ワイン樽などいろいろなものが使われます。
また、樽の中にどのようなスタイル(ピルスナーやIPAなどといったビールの種類のこと)のビールを入れるかも自由です。
木樽で熟成されるとどうなる?
さて、木樽で熟成されるとどんなビールになるの?という点ですが。醸造期間や樽の木材、何に使っていた樽なのかによって味が変わってくるのですが、一般的には次のような特徴が出てきます。
木樽にしみこんでいたお酒の香りや木の香りが移る
炭酸や水分が抜け、アルコールが高くなる
チョコレートやコーヒー、チェリーなどの濃厚な味わいになる
とろみが出ることもある
大量生産、短期間での生産が難しいため高価になりやすい
書いていて思い出したんですが、今回飲んだこのFounders Backwoods Bastardも、グラスに注いだ時に若干とろみを感じました。飲むときには特にとろみは気にならなかったです。
木樽の個性はさまざまなので、同じスタイルのビールを同じ期間熟成させても、木樽によって味わいが変わってきます。このことから、「一期一会のビール」と言われたりもします。
バレルエイジドビールは昔からあった!?
実は、木樽でビールを熟成させる手法というのは昔からあるものでした。
たとえばロシアのエカテリーナ2世(在位1762~1796年)の時代には、宮廷でスタウトを1~2年樽熟成させていたのです。
また、東インド会社を通じてイギリスからインドへ出荷されていたビールとして有名なIPAですが、これも出荷前に木樽で1年半ほど熟成させていました。熟成された味わいの方が好まれたからです。
そんな木樽熟成のビールですが、1800年代終わりごろには一度、流行から外れてしまいます。木樽熟成のビールが脚光を浴び復活するまでには、1995年ごろまで待たなければなりません…。
バレルエイジドビールが復活したきっかけ
流行から外れたバレルエイジドビールの復活に寄与したのは、シカゴにあるグースアイランドビール社(GOOSE ISLAND BEER)のグレッグ・ホール氏でした。
グースアイランドビールのこれ、何か見たことあるよって人もいるんじゃないでしょうか。
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少し話がそれましたが、バレルエイジドビールの復活は、このグレッグ・ホール氏が、1992年にジムビームの入っていたオーク樽でビールを熟成させたことから始まります。
彼はグースアイランドの100バッチ目(100回目の仕込み)記念となる特別なビールとして、バレルエイジドビールを作ったのです。
その後、ホール氏はこのビールを1995年のGreat American Beer Festival(GABF)に出品します。
当時のどのビールのカテゴリーにも当てはまらなかったため失格になったものの、他の醸造家からの評判はすこぶるよく、さらに失格になったにもかかわらず佳作の賞を受賞したんです!
大会の規定に従えば失格にしなければならないが、それを踏まえても素晴らしいビールだ…!という評価になったんでしょうかね。すごいことです。
そしてここから再びバレルエイジドビールが注目されるようになり、続々と他の醸造所でも作られるようになりました。
今ではビールの国際大会ではバレルエイジド部門が設けられ、シカゴでは毎年バレルエイジドビール専門のフェスティバルが開かれています。
長くなったので醸造所情報はまた次に
さてさて、ここまで書いてきて、続けて今回飲んだ「Founders Backwoods Bastard」の醸造所のことも書いていきたいところなんですが。
…もう結構記事長くなってますよね?笑
というわけで、醸造所の話は次に回したいと思います。
まだリサーチが十分にできてないんですが、面白そうです。
Founders Backwoods Bastard自体についても味の感想しか書いてないので、次回ちゃんとした情報など載せようと思います。
ではまた次回~!