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#13 IB試験で成功するテクニック(1)

皆さんこんにちは!
November 2023 のIB最終試験が近づいているという背景もあり、IB生に向けて試験で成功するために行えることをご紹介しようと思ったのですが、なんと筆記用具について書いただけでかなりの長さになってしまったので残りは次の記事に持ち越したいと思います。

今回に限らずですが、ご紹介している内容はあくまで自分自身の経験に基づいた一個人の考えなので、実践してみた際の効果には個人差がある点はご了承ください。また、既に過去の記事で少し触れた内容が繰り返されることもありますが、改めてまとめることでつながりを整理したり、情報を紐付けたりできると思うので、併せて参考にしてくださると幸いです。

なお、今回(次回も併せて)の記事では学力や知識量とは無関係に、試験のときに自分が持っている力をより引き出す工夫を挙げています。そのため、試験でのパフォーマンスを高められるとは言っても、暗記していないと解けないはずの問題が突然解けるようになるなどといったことは起こりません。本質的に学力や知識量を身につける、いわゆる「試験対策」に関しては、こちらの記事をご覧ください!


筆記用具の大切さ

ペン書きへの慣れ

IB試験の特徴の一つに、一部例外を除き回答をすべてペンで書くことが挙げられます。ペン書きだと鉛筆のように間違えた箇所を消して書き直すことはできないため(フリクション等は使用不可です、答案はスキャンされて採点官に送られるので)、訂正したい場合は線を引くなどして cross out してから新たに書き直す必要があります。案外、慣れていないとこれが大変に感じられることもあるので、「本番はペンで書けば良いだけでしょ」と侮ってはいけません。例えば、数学の問題で式を少し書き間違えた場合、採点官にも自分自身にも分かるように誤りを cross out し、改めて書かなければならなくなります。Essay などの長文回答で途中に付け足したい場合も、うまく工夫してどの箇所にどの語句・文を付け足したいのか、明確に伝わるように書かなくてはなりません。

ペン書きに慣れるためにも、最低でも試験を意識して(時間を計って)past paper を解く際にはペンで回答するべきです(所要時間に差が出る可能性もあります)。また、日頃からペン書きを習慣付けるために、ノートをペンでとるのも良いかもしれません。ミスをした際にやや汚くなってしまうのは難点ですが、逆に数学の問題などの場合は間違えた過程が分かるため、復習にも効果的です。個人的には、鉛筆書きだと紙がこすれて字が薄くなり、見えづらくなってしまうのが気になったので、11年の冬頃からペン書きに切り替えていました。

自分に合ったペン選び

選択科目にもよりますが、IB試験は記述量が多いのも特徴となっており、手の持久力勝負という側面もあるのではないかと思うくらいです。私自身は恐らく一番記述が少なくて済む科目選択となっていたのですが、それでもそこそこ手の疲れを感じることもありましたし、Lang&Lit と History をHLでとっていた人からは痛みを緩和しないと耐えられないといった話を聞いたこともあります。このように、essay なども含む長丁場の試験であることを加味すると、書くという行為にできるだけ体力を割かないためにも、自分に合ったペンを選ぶことが非常に重要だと言えます。人によって持ちやすい太さや書きやすいインクの出具合など、好みはそれぞれだと思うので、試験期間以前から色々試して最もしっくりくるものを携えていってください!ちなみにですが、いくつかの色(青・赤・緑など)が出せるペンを持っていると、答案には黒・青しか使えないのですが annotation で便利だったりもするのでおすすめです。

ここからはかなり細かい個人的な意見になってしまうのですが、共感してくださる方は読んでみてください。「自分に合ったペン」と言っても、数学の問題を解くときと日本語で essay を書くとき、英語で essay を書くときでは最もしっくりくるペンが異なると思います。さらに言えば、essay を書く際に序盤で体力がまだあるときと、終盤で疲れが出ているときでは、書きやすいペンが変わることもあります(より弱い力で書けるものに切り替えたい、など)。個人的にはここまで考慮して、準備するペンの組み合わせを paper ごとに変えていました。ペンを複数本用意しておくのはインクが切れたとき用の予備としての意味合いもありますが、このような工夫を施すこともできるということを参考までにお伝えします。

筆記用具の使い分け

ペンで回答を書くには、鉛筆を使うときより思い切りが必要です。一度書いたことが消せないという性質があるため、essay の書き出しに悩んでしまったり、数学の問題を解く際に最初の一歩が踏み出しづらくなってしまうこともあり得ます。これが理由でタイムロスをしてしまうのは非常にもったいないので、まず最初に鉛筆で大まかな構想を練ってからペンで回答を始める、という工夫もおすすめです。あくまで思考・回答の障壁を取り除くために鉛筆書きから始めるという趣旨なので、決して下書きを鉛筆で完成させてからペンでなぞるなどといったことはしないでください(かえって時間がかかってしまいます)。採点されるための回答はペン書きでなければいけませんが、自分用のアウトラインや検算などを行う際にはペンを使う必要はなく鉛筆で書いて消してしまえばよいわけです。なので、試験には常に鉛筆と消しゴムも持っていくと良いと思います

また、先ほどは流してしまったのですが、IB試験にもペンではなく鉛筆などで回答する paper や箇所もあります。その代表的なものがMCQ (Multiple Choice Question) で、Biology や Physics の Paper 1 はこのタイプです。また、diagramgraph を描く際には鉛筆書きが許可されています(むしろ軸や解答欄が提供されている場合、修正不可になると困ってしまうので、消しゴムで消せるように鉛筆で描いてください)。基本的に答案作成に用いるのはペンと鉛筆の2点ですが、試験開始前に毎回行われるアナウンスでは Geography に限って色鉛筆を使用できる、と言われます。Option によっては色鉛筆が必要あるいは効果的なこともあるのかは分かりませんが、正直「使って良いと言われてもどこでどう使うんだよ」という疑問を抱いたままIB最終試験を終えたので、これは気にしなくて良いと思います。

もう一つ、忘れてはならない重要なアイテムが定規です。数学では軸や直線のグラフ・図形を描く際に必要ですし、Physics/Chemistry/Biology(場合によっては Geography も)でも長さを比較したり、グラフを描いたり読んだりするために必要だったりします。これを忘れてしまうとGDCのカバーを使って線を引かなければいけなくなるので、使うか分からなくても念のために、必ず用意するようにしましょう。過去に Physics の Paper 1 で、理論は分かっているのに選択肢にある矢印の長さの比較でミスをし、誤答してしまったことがあります。この経験から、必ず目測ではなく、定規を使ってしっかり長さを確かめるようにしようと決めたわけです。皆さんも同じようにもったいない点の落とし方をしないように気を付けてください!

ペン書きならではの工夫

何度も繰り返しているように、IB試験では essay も含めてペン書きでの回答となるため、回答の修正に工夫が必要な場合もあります。それを見越して、特に Lang&Lit の essay を書く際にはあらかじめ余白を確保しておきましょう。既に指導されているかもしれませんが、English A の場合は double space(一行おきに余白)を空け、Japanese A の場合は必要ならば段落ごとに間隔を数行余分に空けるのが良いと思います。こうすることで、後から校閲して書き直したり付け加えたりするのが楽になりますし、採点官にとっても読みやすくなるはずです。

理系科目では、枠の中で必要に応じて数式や図も用いながら回答する必要がある問題も出題されますが、その際のスペース配分も慣れの側面が大きくなってきます。これに関しては、やりやすい方法は人それぞれだと思うので一概には言えませんが、やはり日頃からペンで答案を作成する練習を積み、「こういうタイプの問題はこう回答するときれいに収まる」という経験を重ねていくのが効果的です。なお、必要であれば何枚でも answer booklet を追加でもらうことができるので、無理に枠に収めようとせずにゆとりを持った記述を心がけてください。

これらの点に加え、特に essay では適度に雑に書くのも重要な工夫です。Lang&Lit の Paper 1 などで、初めのほうは字が丁寧なのに、終盤にかけて乱れてくる、ということはよくあります。もちろん、採点官に読めない答案になってしまっては問題なのですが、丁寧に書きすぎると時間が足りなくなってしまい、書きたかった内容が書ききれなかったり、結局終盤で字が乱れることになります。慣れていないと序盤から丁寧さはほどほどに、ハイペースで書き進めていくことは案外難しいので、これも練習によって身につけるべきです。

以上がIB試験におけるパフォーマンスを高めるうえでの筆記用具の大切さについてでした。ここまで内容が膨らむことは当初、自分自身も想定していませんでしたが、それだけ筆記用具は重要なのだということです。試験直前になってバタバタしないように、前もって入念な準備をしておいてください

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