続・もしも芸者が弁護士だったら
えっまだその話すんの?
と言われようとも書く。
書かねばならない。
土曜ワイド劇場「京都の芸者弁護士」だ。
先日投稿した「もしも芸者が弁護士だったら」では、法廷に芸者が出てきて真犯人を白状させるドラマ終盤の様子をレポート。弁護士が芸者というシュールすぎる展開にもかかわらず、滞りなく淡々と進行する裁判に、
「もしかしたら私が知らないだけで、京都では法廷に芸者がいるのは普通の光景なのかもしれない」
と感想を述べた。
しかし、やはり京都でも弁護士が芸者姿で法廷に現れるのは問題になっていたようだ。
シリーズ5作目「清香危うし! 芸者の入廷を禁ず 扇連続殺人仰天アカペラ法廷!」の中で、芸者弁護士・藤波清香は法廷において芸者姿で踊ったことが弁護士法の懲戒事由にあたる、として所属する京都弁護士会から弁護士綱紀委員会への出頭を求められる。
‥‥まあ、普通そうでしょう、そうなるでしょうね、としか言いようがない。
弁護士法第56条第1項に次の文言がある。
第56条 弁護士及び弁護士法人は、この法律(外国法事務弁護士法人の使用人である弁護士にあつては、この法律又は外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法)又は所属弁護士会若しくは日本弁護士連合会の会則に違反し、所属弁護士会の秩序又は信用を害し、その他職務の内外を問わずその品位を失うべき非行があつたときは、懲戒を受ける。
綱紀委員会で清香は、
「法廷に着物で出席してはならない、踊りを踊ってはならない、そんなことが弁護士法のどこに書いてあるんです?」
と、まるで、
「おいセンコー、窓ガラス割ったらいけねえなんて、どこにかいてあるんだよぉ?」
と教師に反抗する不良少年のごとき戯言をかまして反発。(今どき教師に向かってセンコーと言う不良がいるのかは知らない。さらに今どき窓ガラスを割る不良がいるのかどうかもわからない。)
出席している弁護士たちが、
「世の中には常識ってものがあるでしょう。」
「芸者姿を認めたら、今に水着姿で出てくるやつもいるんじゃないか?」
などと至極まっとうな意見を述べるも、突然田嶋陽子が弁護士役で現れ、
清香の味方になって男性弁護士たちを圧倒。
だが、清香は今後弁護士として芸者姿で法廷に入るのは禁止と委員長に勧告されてしまう。
さて、裁判が始まり、弁護士として質問を行う清香だが、例のごとくしらを切る真犯人に決定的な証拠をつきつけられないまま30分の休廷。
審議が再開されると、同僚弁護士が先斗町の芸者清香さんを喚問したいと言い出す。裁判長が、
「その清香さんはどこに?」
と問えば、法廷に声が響き渡る。
「ここにいてます~」
扉が音もなく左右に開き、お囃子の笛の音とともに後ろから進み出る紫色の着物の芸者。
一斉に振り向く傍聴人。
動揺を隠せない真犯人。
弁護士としては芸者姿で入廷できないが、証人ならいいだろうという、一休さんのとんちのごとき考え方で無理やり芸者姿になる清香。
決定的な証拠の品を出して犯人を追い詰めるも、犯人は罪を認めない。
「裁判長!この女は大噓つきです!こんな芸者の言うことを信用しないでいただきたい!」
ぽん ぽんぽんぽん ぽんぽんぽん ぽんぽんぽん ぽんぽんぽん ぽん!
振り返った芸者の左胸には金色に輝く弁護士バッチ―――。
「芸者弁護士・藤波清香。なめたらあきまへんえ。」
がっくりと膝をつき、観念する犯人。一件落着―――。
芸者姿になって無事真犯人を白状させたものの、芸者弁護士と名乗ってしまったためにまたしても綱紀委員会で詰問される清香(芸者姿)。
「証人としてなら全くの問題外です。」
「芸者であるからこそ相手が油断ししっぽを出すんです。」
と譲らないが、
「芸者に身をやつして弁護士活動をするなどもってのほか!」
と断じられ、業務停止の危機に立たされてしまう。危うし、芸者弁護士!
と!そこへまたしても田嶋陽子が現れる。
芸者遊びをしていた男性弁護士たちをやり込め、
「芸者芸者ってバカにした言い方なさいますけど、ホストに化けて依頼人のために調査活動するなんて芸当、おできになります?男性のみなさん!」
と何が何だかよくわからない力技でその場を押し切り、清香(芸者姿)と一緒に会議室を出ていく。
‥‥‥‥あの~、何が問題になってたんでしたっけ?
こうして芸者弁護士が堂々と認められた京都弁護士会。
法廷で芸者姿の弁護士が認められたのだから、水着姿の弁護士が現れる可能性も出てきたというものだ。
京都の水着弁護士―――。
見たすぎるなあ~~~~~~~!