結論から言えば、甥っ子は大谷翔平似
結論から言えば、私の甥っ子は大谷翔平に似ている。
先日仕事で他部署のHさん(私と同世代の男性)に電話をした。
このHさん、よく言えばとても頭の回転が速く、悪く言えばせっかち。
私とは真逆な人で会話のリズムが絶望的にかみ合わない。
この時も、Hさんは順を追って説明しようとした私に業を煮やし、
「ちょっとちょっと、え さん、結論から言って」
と話を遮った。
いったいどういえばHさんにご満足いただけたのだろうか。
「〇〇の△△の件なんですが、どうなってるのか教えてくださーい!」
ではなく、
「どうなってるのか教えてくださーい!〇〇の△△の件なんですが」
と言わなくてはだめということか。
でもHさん、話は最後まで聞いてくれてもいいと思いますぜ。『〇〇の△△の件なんですが』の部分は30秒もかからないでしょ。
(私の説明がうまくないのは認める)
というわけで、今、結論を先に言うことを心掛けている私である。
(かなり根に持っている)
❀❀❀
以前、小学校に入学する甥っ子の入学祝いは何がいいだろうと悩んでいたところ、コメント欄にとても参考になる貴重なご意見をたくさんいただきました。
その節は皆さま、本当にありがとうございました。
皆様の意見を大いに参考にさせていただき、入学祝いに選んだのは名入れ鉛筆と飛び出す恐竜の絵本。
鉛筆は百貨店の文具売り場で3ダース名前を入れてもらった。
恐竜の絵本は少し大人っぽくてレトロなデザインと、開くと飛び出すカラフルな恐竜たちが楽しくて、ほぼ自分の好みで選んだ。
日曜日の仕事終わりに甥っ子に会いに行く。
久しぶりに再会した甥っ子は大きくなっていた。
そして、とても大谷翔平に似ていた。
いや、前から似ていたのだろうが、WBCで大谷翔平選手をがっつり見た後だったので、余計に甥っ子の翔平っぷりが際立って見えたのだ。
「久しぶりだね!わぁ、大谷翔平に似てるなぁ~」
と話しかけると、甥っ子は笑顔になった。やはり、というか、よく言われるという。以前はすぐもじもじしちゃうシャイボーイ甥っ子だったが、再会した甥っ子はきちんと目を見て会話する、素直で明るい少年に成長していた。
「これから野球やろうかなぁ」
と野球好きの私を喜ばせるリップサービスまでしちゃう甥っ子、成長したなぁ。
「どこに入学したんだっけ?」
弟が振ると、甥っ子は元気よく答える。
「▢▢▢▢小学校でーす!」
▢▢▢▢小学校は私や、姉や弟が通った小学校だ。
「そうかぁー、▢▢▢▢小学校、おばちゃんも通ったんだよ。校庭のイチョウの木はね、おばちゃんが通ってた時110歳くらいだったかなぁ。だからね、今150歳くらいかな」
そんな私の思い出話をいやな顔もせず、「そうなんだ」と聞いてくれる甥っ子。いい子である。
明るく陽気な弟とまるで友達みたいにキャッキャしてるのもほほえましいし(一人っ子の甥っ子には父親である弟は友達同然なのかもしれない)、自然体で見守る弟嫁も素敵だ。3人姉弟の真ん中でちょっとひねくれものの私は、このまま甥っ子がまっすぐ明るく育ってくれればうれしい、と思う。
先に来てずっと酒を飲んでいた夫が口を開けて爆睡し始めたり、父が「お父さんは池袋で生まれてね、大変な時代でねぇ……」と昔語りを始めたり、母が「あんたこれ持って帰りなさいよ」と総菜やらお菓子やら私が高校生の時作った木彫りの手鏡やらを袋に詰め始めたりしたら、宴もそろそろ終わりだ。
甥っ子に入学祝を手渡すと、弟、弟嫁と3人で絵本を開きながら、
「わぁ、すごいね!」と見入っている。
名前の入った鉛筆を見て、弟が「これで勉強するもんな!」と振ると、甥っ子は笑顔でうなずく。
そんな甥っ子を眺めながら、私は改めて思う。
君が笑ってくれるならおばちゃんは悪にでもなる。
笑顔の甥っ子とハイタッチして帰路につく。
父母と弟一家の平和を確認して、私の心に小さな灯がともった。