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準備編その5:「文章構成」「文章構成EX」

 奇妙な夢

 グッドモーニングGiZAIYAだ。今起きた。俺は「見た夢の話を毎日すると気が狂う」という2ちゃんねるの書き込みを真に受けている臆病者なので普段はそんな話はしない。だが今日はとてもヘンな夢を見たので書いておく。

 夢の舞台は夜の名古屋駅だ。西口のビックカメラの近く。人気も少なくなるほど夜遅く、大学時代の先輩たちと三、四人でプチ同窓会をしていた俺は居酒屋だかカラオケだかの後に次に行く店を探しながらぶらぶら歩いていた。先輩は寄っていた。そこで女の子集団とすれ違って、その中には高そうな赤い服を着た女の人がいた。それは俺が大学時代、片思いしていた相手だった。彼女は当時からモテまくっていて俺なんかには手の届かない存在だったが、あの頃はマジで人生が楽しくて仕方がなかった。俺の大学時代を象徴する女性だ。今では結婚していると聞いていた。俺は気づかず素通りしようとした。

 「K!K!」普段は俺を名字で呼ぶ先輩が、酔っぱらって俺を名をイニシャルで呼んでいた。先輩たちが女の子集団に話しかけていた。大学時代に交流のあった女の子たちだった。「奇遇じゃん」と俺は云った。どうやら向こうは社会人になってからバンドを結成して、たまにみんなで集まっているようだった。俺は彼女の姿を探したが、なぜか遠くのほうにいた。服は黒色に変わっていた。「みんな今なにしてんの?」と女の子のひとりが云った。

 各々に勤めている会社のことを話していた。そしてその女の子は俺に「GiZAIYAくんは店長になりたいの?」と聞いた。大学時代バイトを入れまくっていたせいか、俺は勤め先で正社員にならないかと誘われたことが(二、三回ほど)あった。就活なんかしなくていい。当時はそう思っていたし、皆の間でも俺は『働きモノ』だった。ウチは芸大なのでこれは皮肉な例えだ。俺は「いや……」と戸惑いながらも、どうしてかはっきりと「小説家以外になりたくねえよ」と答えた。自分でも意外だった。(俺は本気で文章で食っていく気なのか?)と。みんなは「あー小説家かー」と云った。片思いしていた彼女はなぜかもうそこには居なかった。そして夢は終わり、俺は目が覚めた。

 モチベーションを得るには素晴らしい目覚めだが、「大学時代に別の道を歩んでいれば……」と平行世界の存在を願わずにいられぬ夢なので今後は控えたい。


依頼する前に / 文章構成


 前回は2P目以降の内容を伝えると云ったにも関わらず、そこまで踏み込めなくてすまなかった。しかしお前は本当に俺が手順通り進めると思っていたのか? 俺とお前は「読者と作者」というこの世で最も信用ならない関係だというのにか? お前の意識の低さにはガッカリだ。そこまでセオリー通りの教えを乞いたいなら痴女家庭教師モノのAVを鑑賞するべきだろう。

 さて、まだブラウザを閉じないお前のために今日は少し難しい話をする。文章構成の話だ。俺はいつもこれに戸惑う。かつてmixiにて望まれていない誕生を受け、現在ではnoteにエクソダスを完了したポエマーくずれの連中と違い、俺は文字を書くことに頭を使う。文字を書けないヤツと文字を読まないヤツを信用しない俺はnote住民にとって天敵と云える存在だ。

 お前が文字を書くのに慣れているかどうかは知らん。だが生きて行く上で役に立つので読み書きだけは欠かさず継続するべきだ。ちなみにこれは常識だが、どのような文章を書こうが上司に嫌われれば出世は難しい。出世したければ日本語3 : 外国語7くらいの割合で海外の言葉を勉強するべきだろう。

 依頼文書の作成においても言葉の力は重要だ。真に伝わりやすい言葉を書く秘訣は、単に丁寧に書けばいいというものではない。お前が書く文章のなかでイラストレーターがどの言葉を重点的に捉えるかを考えて書くことだ。以前から伝えていたが何度でも書こう。読む者の気持ちになって考えろ。

 依頼文書において、お前は優れた文章能力を持つ文筆家ではなく、相手の想像力をコントロールする詐欺師だ。相手は未だお前がどういうイラストを要求するかわからない。よってピントを絞る必要がある。今から例を一つ挙げてみよう。


①依頼主Aはある日、黒ストッキングを履いたセーラー服を着た女子高生のイラストを描いている人を見つけた。
②その絵をとても気に入っていたAは、それを描いた人物に「女子高生描いてください!」という旨の依頼内容を送り依頼が成立した。
③しかし完成した作品は女子高生ではあったものの、ブレザーに生足というイラストで、それは彼が望んだものではなかった。

 どうしてこのようなことが起きたかを考える。

 答えは単純に、クライアントが依頼先に『どういうものを望んでいたか』を正しく伝えられていないからで、この場合はAのなかにあった『黒ストッキングとセーラー服の組み合わせがいい』という最も重要な部分が抜け落ちていたからだ。

 そんなことを伝えるのは常識だ、とお前は思うかもしれない。だが実はこういったトラブルは個人の依頼では割とよくある。ついでに色んな業界で結構頻繁に起きている。俺なんか学生時代ピザ屋でバイトしてたときは発注者が引っ越し前の住所で注文してきたこともあるし、草刈り業者にいたころはクライアントの指示間違いで他人の敷地を狩りそうになったこともある。社会人になってからはこれよりひどいのもあった。

 こうしたことが起きないようにまず「その人物のどこを気に入っているのか」「どの部分を魅力に感じて依頼を決めたのか」「自分の依頼でもその魅力を描いてほしい」と明確に伝えておく。そうすれば相手のイラストレーターも「あ~俺が描いた絵のあそこが好きなのね。あんな感じで描けばいいのね」とすんなり把握してくれるだろう。これを明確にしておかないと、自分が目指したような作品にならない可能性が高くなるからだ。何を書けばいいのかは前回で説明した『お前がそのイラストレーターを選んだ理由』を掘り下げることで見えてくるだろう。俺はこのために前回あえてあのような記事を書いたのだ。

 イラストレーターはpixivやtumbler、または個人サイトなどにイラストを載せている。趣味で描かれたものでもいいし、同人誌やその他、過去に販売された作品でもいい。とにかくその人物が発表した作品のどこに惹かれたかを自分のなかに覚えておく。そして発注段階で『この作品をみて依頼を決めた』『この作品のこの部分は絵の中に入れてほしい』という旨のことを添えておく。大切なことなので繰り返し伝えておく。


依頼する前に / 文章構成EX


 自分の勝手な思い込みを羞恥心かまわず公開することに始まったこの講座だが、お前だってこの話に興味があるからここまで読んでくれているのだろう。今日はそんなお前に俺の自己流を一部公開する。

 実は俺の場合はtwitterでフォローしている相手への依頼が殆どだ。その理由はフォロー基準が「自分の作風に合いそうな人」になっているからで、要するに自分の目に届く範囲にいる絵描きはすべて「資金と企画さえあれば仕事を頼みたいイラストレーター」という扱いだ。

 この方法はオススメだ。前回俺はイラストレーターを選ぶうえで『3つの基準』があると話した。フォローすれば日常的にその人物のつぶやきが流れてくるので、そういった問題がないか随時チェックすることができる。また本人の人間性を把握することは依頼文書のなかで相手に対して言葉選びをするときの重要な資料になる。相手の人間性を掴むことも依頼の足がかりになるのだ。

 具体的な例を挙げるのにも一役買うだろう。例えばお前がその人にメカデザインを頼みたいがどう説明すればいいかわからないときだ。「ヒュッケバインみたいな感じで」と説明しても、相手がスパロボ作品をやっていなければわからない。そこでお前は相手のツイートから初代ガンダムを見ていることを思い出した。なのでまず「初代ガンダムみたいな感じで」と伝えておけばいい。そこから細部のデザインなどをわかりやすく説明してヒュッケバインに繋げることもできる。(この場合は画像を見せたりするほうが早いがあくまで例えだ)

 イラストレーターに関わらず、ビジネス相手と共通の話題や知識を持つことは大切だ。相手とそこまで交流をする気がなくても、仕事の作業で役立つのでしっかりとリサーチしておくといいだろう。(つづく)

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