「脱ステロイド後の療養生活 ⑦」
今回は療養中の入浴について書こうと思います。
ステロイドを突然やめると、そのリバウンドで身体がものすごく痒くなり、掻いているうちに身体のあちこちがキズだらけになると思います。ネットで調べても、やめた直後3ヶ月くらいは皮膚症状が悪化したような感じになると書いてありました。
私の場合、自己都合でステロイドを勝手にやめた為、今の主治医と出会うまでの3ヶ月くらい、それはもう地獄のような身体の状態で過ごしました。本来なら、先に医師を見つけて相談した上でやめる方向で治療すると良いと思うのですが、勝手にやめてしまうと私のような状況に陥ってしまいます。放っておいても治らない上に、良い医者も見つからないという、本当の「ステロイド難民」になってしまうので、かなりの注意が必要です。
話を元に戻しますと、身体中がキズだらけになってからの入浴は大変です。私の酷かった時はちょうどこれから冬に入る時期でしたので、寒くなってくると身体を温めたいので当然熱い風呂に入りたくなります。入ったまではいいのですが、出てからすぐに火照った身体が痒くなり始め、素っ裸の状態で身体中を掻きむしっていました。身体のあちこちから血は出る、汁は出る。痒みはすぐには止まらないので、身体のあちこちがずっとムズムズしてどうにもなりませんでした。入浴すると毎回こうなるので、私は入浴が怖くなり風呂に入ることができなくなりました。そして3ヶ月近く入浴はおろか、シャワーも浴びませんでした。ですが、入浴をしないことによる悪い体臭は不思議としませんでした。これは私の経験談です。
結論を先に言うと、脱ステ後の身体の状態が酷い時の入浴は絶対NGです。湯船に浸かってはダメです。主治医に一番最初にまず言われたことは、入浴は週に1回か2回、当分はシャワーだけにして、10秒で済ませて出て下さいと。10分じゃなくて、じゅ、10秒!?・・・(母もビックリ)
シャワーの水圧は緩くして、ぬるめのお湯を10秒身体にかけるだけです。これは細菌感染を防ぐために、皮膚の表面についている細菌を洗い流すという意味のようでした。実際やってみると10秒で済ませるというのはなかなか難しいものがありますが、本当に身体にぬるま湯をかけるだけ。そのついでに、足、脇、陰部や首周りを手でさすって洗い流す感じです。しかし、3ヶ月もシャワーすら浴びていなかったので、最初に入る時は怖い思いをしました。
「皮膚というのは基本、渇かさないとダメです」と言われました。これは阪南中央病院(大阪)の「脱ステ・脱保湿」を初めて提唱した佐藤健二先生も同じことを言われていたと思います。私の主治医と佐藤先生は同期だとおっしゃっていました。
医学的な詳しい話は解りませんが、皮膚が再生される過程は、キズが出来たらそこから汁(タンパク質)が出る。出ている汁はタンパク質なので、拭き取ったり、洗い流したりしたらダメ。その汁が渇いてくるとかさぶたになる。皮膚は濡らすと再生されにくくなるので、早く渇かさなければならない。できれば、水には触らないほうがいい。皮膚を濡らさないようにしつつ、かさぶたの下に新しい皮膚ができたら、自然とかさぶたが剥がれ落ちる。こんな過程のようです(違っていたらスミマセン)。
主治医のもとに通院するようになって5ヶ月経過して、最近では身体のキズもかなり少なくなり、ジュクジュクした部分もなくなりました。以前の皮膚に比べて弾力があり、少々掻いてもキズにならないので、皮膚の再生を繰り返すうちに丈夫になったようです。自分でもビックリです。主治医の先生も私の身体がだんだん良くなって行くのを観察しながら「良かった良かった。よく頑張ったね~」と言ってくれました。通院する中で色々と厳しいことも言われましたが、先生は命の恩人です。本当に有り難いことです。
入浴の他に似たことをもう一点書こうと思います。
手の甲や指、水かきの部分に炎症やキズがたくさんある場合、水に濡らさないほうがいいということで、茶碗を洗ったり、トイレに入る時は手袋をしなさいと言われました。
身体は水に濡らさなくても、手というのは生活の中で水に濡らすことが多い部位なので、食事をした後に茶碗を洗ったりする時は炊事用の手袋を使うとか、トイレに入る前に使い捨ての手袋(100均とかの)をはめておいて、用を足してから手袋を外して手は洗わないようにするとか、とにかく水に濡らさないようにとキツく言われていました。面倒くさいと言えばそれまでなのですが、キズがほとんどなくなるまで5ヶ月近くもかかったことを考えると、手袋もつけずにやたらと水に濡らしたりしていると、治るのに余計時間がかかることになってしまうと思います。
そういうわけで、酷かった療養中は大好きな自分の愛車さえ洗ってあげることができませんでした(苦笑)肘まであるグローブを買ってきて、たまにはクルマを洗車してあげようと思ってやってみたら、長い時間着用しているうちに内側が汗で蒸れてきて、外した時にはベトベトに濡れていました(主治医の先生に怒られる・・)。
最近は夏真っ盛りで、家の中にいても汗をかくので、毎日シャワーを浴びています。身体のキズも以前よりはかなり少なくなった(とは言っても、とても完治したとは言えない状態)ので、少しずつぬるい湯船にも浸かる訓練をしています。皮膚の再生というのはなかなか時間がかかるもので、「紙を一枚一枚重ねるように」という感じで治っているような感じです。
今回は入浴について書いてみました。
私と同じような境遇にある方、暑くて痒くて辛い日々だと思いますが、必ず治ると信じてどうか頑張っていただきたいです。痒みがあるうちは食べ物、飲み物には十分ご注意ください。白砂糖、お酒、スナック菓子などは絶対食べないほうが身のためですよ!
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました。