「社会を変えたい」と思っている人がスタートアップ社員に向かない理由
こんにちは!スタートアップやベンチャー企業を社員として4社渡り歩いている私が、「社会を変えたい」と思っている人がスタートアップに向かない理由についてnoteしたいと思います。
社会を変えたいマインド
「社会を変えたい」というのは、具体的な例としては以下のような仕組みや文化を変えようとするチャレンジのことです。
・社内のDXを推進させたい!
・エンドユーザーの顧客体験価値を向上させたい!
・デジタルシフトを加速させたい!
・Web3.0に向けて事業を加速させたい!
・会社でデータドリブンを根付かせたい!
などなど、志があって仕事をすることはとても素晴らしいことですが、スタートアップでは通用しないことの方が多いでしょう。
自己実現と社会的役割の衝突
スタートアップで求められる人材は、今ある作業をそつなくこなせる人です。スタートアップは人数が少ないので作業をこなせる人以外は要らないことが多いです。
スタートアップの企業はよくビジョンに共感できる人材を求めがちだったりします。そこで求職者が社会を変える一員になれるかもしれないという錯覚を起こします。しかし、入社後に待っている世界はそつなく作業をこなすことです。メール配信を決まった回数こなし、SNSやプレスリリースの入稿に追われ、計画立てた訪問先にひたすら足を運び、契約書など様々なドキュメントに目を通し…これらの業務が専業でなく兼務で色々こなしていき…。それで1日が終わったと思ったら、なんだかんだ2年3年と経過していきという世界です。
そして我にかえったとき「社会を変えたいはずが…」ってなり目的意識や会社から求められる期待役割と自分がやりたいことが違うということに気づいて、退職したりメンタル病んで休職したりというという原因につながります。
スタートアップで社員として働くために必要なマインドセット
大義名分のためになんでもやるという覚悟が1番大事になってくるかと思います。その大義名分というのは8〜9割は会社のビジョンです。会社にビジョンがないような中小企業とかだと社長や幹部への完全共感が求められます。
掃除が好きでない男性にとっては、家の掃除とかをするのですら苦痛に感じるものです。ところが、好きなアイドルが家に来てくれるとして「掃除してある綺麗な部屋にいきたいな〜」って言われたら、単純な生き物なのですぐ掃除します。同じ掃除をするというプロセスでもアイドルのためにやるという大義名分がある状態と、誰のためでもないただの掃除とではモチベーションや掃除の意味合いが全然違うと思います。
そしてそのアイドルに「美味しい手作りのご飯が食べたいなー」って言われたら、ご飯を作らざるを得なくなりますし、「家の近所案内してよ」って言われたら、すぐに近所の名所とかを調べてエスコートすることになります。
会社もこれと一緒で、自分がしっかり共感できる大義名分かどうかの見極めは大前提です。「日本のデジタル化を浸透させる!」「日本の伝統文化を世界に発信!」など会社のビジョンがあってその実現のために苦手な営業活動や得意な書類の読み込み作業、差し込みで入ったタスク、急に変わった経営方針など、あらゆるものを「会社のビジョンのためだ!」って割り切ってやり遂げられるかどうかがスタートアップで問われるところです。途中で急に「やっぱ俺には得意な書類の読み込みしかできねぇえええ!!」「明日から目標数字引き上げとか無理だああああ!!」「急に営業プロセスの合理性を可視化したくなってきた!」ってなったら負けです。スタートアップでは役立たずもしくは扱いづらい腫れ物のカテゴリーに転落します。
ちなみにこれらの部分は「泥臭いことができるか」「キラキラして見えるけどやることは地味だよ」という言葉で濁されがちで具体的に開示してもらえない場合が多いです。企業側もどんな変化が今後起きるか把握していないことが多いのと、選考の間で相手の人柄を十分理解した上で想定されるリスクまで考慮できないからです。体育会系出身だとついうっかり「泥臭いことやります!」「地味な仕事でも私大丈夫です!」って考えもなく反射的に言いがちで、入社してから「こんなはずじゃなかった」ってなりがちなので心当たりある方は気をつけてください。
社会を変えたい志を形にするならどうすればいいか
本当に社会を変えたいならば、出資者か役員になってください。資本主義はお金が出せる人間と責任が持てる人間が上位です。自分で会社作るなり、近しい価値観の会社や人に出資して社会を変えるという志を形にしていってください。
会社を作るのであれば、自分が進めたい事業は黒字化させるまでにどれぐらいの元手が必要なのかを概算して、事業の壁打ちをして精度上げて、その必要な元手を稼ぐのか借りるのか融資を募るのかして集めて開設するというのが1番手っ取り早いでしょう。出資者になるのであれば、資産形成やストックオプションを狙って働きながら投資するという方法しか凡人はありません。両親が資産家とか、祖父母が大富豪とか、親戚が土地持ちとかであればそこから引っ張ってくる術を模索するのがいいでしょう。
いつでもあなたは社会を担う一員である
気の遠くなる話に聞こえたかもしれませんが、サラリーマンとして仕事をしていても、スタートアップにいても、資産転がす立場に居ても、社会を担う一員として活躍していることには変わりはありません。改めて自身がしたいことと社会的役割を時間が空いている時に真剣に考えて、より真っ当なライフスタイルを送るためにどんな道があるか模索して、自身にとって正しい選択をしていきましょう。
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