![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/61026410/rectangle_large_type_2_32654bd09f99e40a461f2b032580a2b3.jpg?width=1200)
Contrerasは本当に「再建のコア」なのか
お疲れ様です、イサシキです。
今回は、再建期に入ったCubsのオフシーズンの考察及び展望記事となります。随時更新していく予定ですが、今回は5年前の世界一を知るCubs不動の正捕手、Wilson Contrerasに関する内容となります。多少Cubsファンの方にとっては耳が痛い話も出てきますが、あくまでも個人の展望ですので悪しからず。
現時点では紛れもないCubsのコア
![スクリーンショット 2021-09-11 210622](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/60982604/picture_pc_39e7b7f3c449b06abc11fd6bb8f7d7cd.png?width=1200)
![スクリーンショット 2021-09-11 211945](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/60983800/picture_pc_6bfa4dd1bf82975ff2e507ce278091b9.png?width=1200)
![スクリーンショット 2021-09-11 212039](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/60983818/picture_pc_ca747f6b72397034e6bc5d2c4f2b0a12.png?width=1200)
![スクリーンショット 2021-09-11 212106](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/60983826/picture_pc_01314c7347a98b311081026c07ffbb7b.png?width=1200)
Contrerasはベネズエラ出身のメジャーリーガーで、2009年7月にCubs傘下のDSL(Rookie)と契約を結び、現在に至るまでCubs一筋のフランチャイズプレーヤーです。
2016年にメジャー初昇格を果たすと、翌年からはDavid Ross(現CubsManager)の引退等を契機に正捕手に定着。プロ入り当初は3Bということもあり、コンバートの時から守備に課題を残していたものの、持ち前の強肩を武器として徐々に捕手として成長し、昨季は課題だったフレーミング技術の向上と捕逸0という目に見える形で大きくチームに貢献しました。
加えて高い長打率と選球眼を活かした打撃もマイナー時代からの変わらぬ魅力。隔年気味でやや成績にムラがあるものの、OPSは毎年.800前後を記録しており、Bryant、Rizzo、Baez、Schwarberらと共に2010年代後半の打線のコアとして活躍してくれました。
捕手という扇の要でチームをまとめながら、打撃でも貢献してくれる姿は、間違いなくCubsの中心的選手そのものであると思います。
絶えない「トレードの噂」
そんなContrerasですが、昨季のオフはトレードの噂が絶えませんでした。その大きな理由として挙げられているのが、今オフCubsからFAになるはずであった選手たちの存在と、Covid-19による更なる緊縮財政です。
![画像5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/61026470/picture_pc_866b88a3029fb51ff13788ca1ef06bd6.png?width=1200)
現在は今夏のTDLでCubsのコアであったBryant、Rizzo、Baezを他球団へとトレードしたため、1つの結論が出ましたが、2020年のオフでは、これらの選手に加えてSchwarberらといった世界一を経験した選手たちが一斉にFAとなる2021年オフに向けてどのようにチームの舵を切るかが大きく検討されました。
そんな中、2020年全世界で猛威を振るったCovid-19によってシーズンが60試合にまで短縮され、Cubs主催の試合は全て無観客試合となったため、大幅な収益の減少が起こりました。
元々厳しいチームの運営状況に追い打ちをかけられてしまったため、結果的にSchwarberやAlmora Jr.といった2016年の世界一に貢献したメンバーを次々とノンテンダーFAにしたり、昨季サイヤング賞投票でナ・リーグ2位となったダルビッシュを、女房役の2番手捕手、Caratiniと共にSDへとトレードするといったムーブが影響し、主に球団とサービスタイムの件で揉めていたBryantと共にトレード候補として名前が挙がっていました。
理由としては、以下の2点がよく挙げられていました。
①順調にいけば2022年シーズン終了後にFAとなるため、2年間の保有ができる
②オフにGMが交代し、2021年問題を機にチームを大規模に解体する可能性が取り沙汰されていた
鍵を握る「年俸調停最終年」
![スクリーンショット 2021-09-11 222454](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/60989072/picture_pc_38d1ebb735ac5c42fbfb9e28fb7c7a3e.png?width=1200)
MLBでは、基本的に実働3年経過で、選手に年俸調停権が与えられます。平たく言えば、これを得ると毎シーズンのオフに選手、球団共にその選手の契約年俸に対しての調停申請を行える制度の事ですが、Contrerasは調停権を得た2020年から2年連続で調停を回避した契約を結んでいます。
ということは、今シーズンオフがContrerasにとって年俸調停最終年となり、ここでの契約内容やその前後の動き、報道で今後Contrerasがどうなるのかということが予想しやすくなります。
今のところ考えられるプランとしては、大きく3つが考えられます。
①今シーズンオフに複数年契約を結ぶ
正直ファンの方ならこれを最も望んでいるのではないかと思います。そしてこれすなわち、「Contrerasを軸としたチーム再建」を意思表示する一手になります。2000年代のようにスター捕手が各球団に1人いるような時代ではないですし、その分FAやウィンターミーティングで市場に出てこようものならその価値は高騰すると思います。
至ってContreras本人もチームに残りたいという趣旨の発言をしていますし、ただでさえ大物捕手不在の状況が今後も続くと考えられるので、3~5年の長期契約を視野に入れることが出来れば、その間にMiguel AmayaやPablo Aliendoといった捕手のプロスペクトを次世代の正捕手として育成してメジャー昇格させる時間も作ることが出来ます。
②今オフもしくは来季TDLまでにトレードに出すorFAによる流出
とはいえさすがに年俸調停取得選手は年々確実に年俸が上がっていきます。もしも今オフに契約が難航して公聴会にまでもつれるようなことがあれば、その時点でトレードによる放出も覚悟しなければなりません。
正直Contrerasも再びCubsがコンテンダーとしてリビルディングされた際に、まだ捕手が務められているのか、打棒は契約に見合ったものなのかという点で不安があるのも事実です。
まずContrerasは過去に2度ハムストリングの怪我で約1か月の戦線離脱を経験していることと、今季新たに膝の怪我をしたことは明らかに今後の捕手人生において痛手になります。勿論まだ怪我でボロボロの状態ではありませんが、もし今後も怪我を再発するようなことがあれば...というリスクがあります。
また打撃も正直伸び悩みしている感じもあります。確かに捕手としてシーズン20本塁打を2回記録した長打力は非常に魅力ですが、ここ2シーズンは打率が.220~.240台と低迷。そして年々三振率も高くなってきており、今季はここまで29.0%とキャリアワーストの成績。OPSもここ2シーズン.700台と平均的な数値。ただStatcastの指標は打球速度、バレル数、ハードヒット数と率はキャリアハイを超える勢いで伸びている状態で、一概に打撃が劣化したとは言えませんが、期待していた姿から遠ざかっているのもまた事実です。
そのため、Contreras本人とチームの財政状況や将来的な再建像とを熟考した結果、放出に至ってしまうのは仕方ないのではないかと思います。
③年俸調停を回避して来シーズン分の単年契約を結ぶ
ここまで説明してきたように、Contrerasは単年当たりの成績で評価することが難しい選手ですが、ある程度若くて捕手としての実績がある希少価値が高い選手でもあります。そのため長期契約を結ぶにも、放出するにもそれぞれのデメリットが表裏で付き纏うため、今のContrerasに対して大きなムーブを起こすことはかなりリスクが高いのではないかとも思います。
そのため、まずは今オフで最終年となる年俸調停を回避する形で契約を結び、2022シーズンに議論を持っていくという形が現時点でのベストな選択かなあと考えています。
そうなると気になるのはContrerasの年俸相場。ここ2年の年俸調停権を持った状態で$1,660,000(約1億8000万)→$6,650,000(約7億3000万円)と推移しています。同じ捕手で、近年年俸調停権を持っていた主な選手は下記の図の通りになります。
![スクリーンショット 2021-09-12 084347](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/61013058/picture_pc_517d7e164bf294a3e8bf023d76791e11.png)
この選手の中であれば、NYYのGary SanchezがContrerasと近い年俸になるでしょうか。そして現在のMLBを代表する捕手の2人、RealmutoとGrandalは調停を申請した側と調停を回避した側とに分けることが出来るので、非常に比較しやすいです。
年俸調停とはいえ、おおよその選手は調停を回避して単年(複数年)での契約を結ぶことを考えると、仮にContrerasが単年で契約を結ぶのであればGlandalの調停3年目に匹敵もしくはそれを上回る金額を要求する可能性が高いと思います。
Cubsは現状2番手捕手がChirinos(37歳)、Romine弟(32歳)とContrerasよりも年齢が高く、且つ全員今オフFA(Lobaton含め)になるため、彼らをいくら格安で契約しても数年と持たないことが容易に想像できます。少々高いかなあと思われる契約でも、現在のCubsの捕手事情を考えれば、まずはContrerasとしっかり来季の契約を結ぶことが必要になるのではないでしょうか。
まとめ
現状を考えればContrerasと調停を回避した上で、今後のCubsの行く末を見極めながら事を進める必要があります。
個人的にはやはり今年か来年のオフで長期契約を結んでほしいですが、残る可能性が100%とは言い切れないことと、絶対にCubsのフランチャイズプレーヤーとして全うするであろうと信じていたBaezとBryantの移籍を目の当たりにしたこともありますので、今のところは今オフの動向に注目という段階かと考えています。
なので今のところ、Cubsの再建のコアになるという結論にします。
Contreras自身も、生涯Cubsを貫けばSTLのMolinaやKCのPerez、SFのPoseyのように絶大な人気と信頼を勝ち取るチャンスがありますし、何よりチームに残りたいという思いをメディアを通じて発信しているので、それが叶えばいいなあとは思います。
ということで、今回は以上となります。
また、今オフのCubsの動向やFA選手へのアプローチ等の予想は、もし機会さえあればMasatoさんとフェグリーさん主催の「カブスラジオ」にお邪魔して触れていければと思っています。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
今後もMLBやCubsに関する記事を執筆していきますので、もしよければ次回の記事もお読みください。