まだまだ諦めるのは早い!”Elijah Greenレース”5月編
お久しぶりです、イサシキです。
現在、実習期間の4日前にあたりますので、カブスのハイライト記事をストップしています。実習が始まれば7月中旬まで活動を停止します。
今回は「スキマ」時間を縫って執筆をしております。
さて、MLBは開幕してからもうすぐ2か月を迎えようとしています。皆さんの推しチームの調子はどうでしょうか。
今回は先月に引き続き、今シーズンここまで勝率の低い球団ワースト5の現状などを紹介していこうと思います(※先月もそうでしたが、決してその球団を貶めるとかそういう意図は全くございません。苦手な方はこの時点で引き返していただけるといいかなと思います)。
5月もまだ終わっていない中での投稿とはなりますが、よろしくお願い致します。
なお、この記事は「2022年ドラフト全体1位指名権争奪戦」というマガジンで読むことが出来ます。また、記事のタイトルにもなっている”Elijah Green(イライジャ・グリーン)”はアメリカ・IMGアカデミーに所属する外野手で、2022年のMLBドラフトで全体1位指名が予想されている選手です。グリーンに関するプレー動画は下記リンクよりご覧ください。
前置きが長くなってしまいましたが、ここからが本編です。
Elijah Greenレース(上位5球団)5月24日試合後
1位:ボルティモア・オリオールズ(ア・リーグ東地区)
2位:アリゾナ・ダイヤモンドバックス(ナ・リーグ西地区)
同率3位:ミネソタ・ツインズ(ア・リーグ中地区)
同率3位:デトロイト・タイガース(ア・リーグ中地区)
5位:ピッツバーグ・パイレーツ(ナ・リーグ中地区)
戦前より前評判の低かった球団が軒並み名を連ね始めましたが、やはり目がいくのは昨年のア・リーグ中地区覇者、ツインズではないでしょうか。後にも詳しく解説していきますが、とにかく今年のツインズは主力の不振と運の悪さが付き纏っているイメージです。
では残りの球団を含め、解説していきます。
1位:ボルティモア・オリオールズ
あまり想定されてなかったレッドソックス躍進の裏で、いつの間にか最下位を独走していたオリオールズですが、その意味合いは大きく違います。
まずはなんといっても現在ア・リーグ防御率2位(1.79)のJohn Means(ジョン・ミーンズ)。開幕から安定感ある投球を続け、ここまで無傷の4勝無敗。そして5月5日(現地時間)のマリナーズ戦では、振り逃げのランナーを1人許したのみでのノーヒッター(準完全試合)を達成。まさにチームのエースといって差し支えないでしょう。
打線の方では、大腸がんから復活したTrey Mancini(トレイ・マンシーニ)がここまで2ケタ本塁打(10本)を記録して打線を牽引しています。
となると、あとはこのまま期待の若手がガンガン活躍するのを待つのみですが、現状はなかなか結果が伴っていないというところでしょうか。
今シーズンがメジャー2年目となるRyan Mountcastile(ライアン・マウントキャッスル)は、印象に残る一打はあるもののここまで打率.224、本塁打4本。三振率も30%を超えるなど2年目の壁に阻まれ気味ですが、まだフルシーズンの出場もありませんし、全然長い目で見ても大丈夫だと思います。
投手陣に目を向けると、クローザーを務めるベテランCesar Valdez(セザー・バルデス)はここまで劇場を繰り広げながらもチームトップの8セーブを記録していますが、それ以外の選手は特にめぼしい成績をあげることが出来ていません。リリーフのPaul Fry(ポール・フライ)、昨年は開幕当初クローザーだったCole Sulsur(コール・サルサ―)、今シーズンもある程度好投しているTanner Scott(タナー・スコット)はそこそこ成績を残しているものの、全体的に小粒なイメージは拭えません。
既に4位のブルージェイズと6.5ゲームと離されていることからも、今後コンテンダーとして今シーズンを戦うことはほぼないと見ていいと思いますが、個人的には奪三振全盛期のMLBにおいて、左の技巧派であるミーンズがどこまで好投を維持できるのか、そのまま今シーズンを飛躍の1年として過ごせるのかどうかというところに注目しています(ミーンズさんの場合は昨年の後半から結構良い投球はしていました)。
2位:アリゾナ・ダイヤモンドバックス
4月こそ14勝12敗と2つの貯金を蓄えた状態で5月に入りましたが、現地時間4日から6連敗、現在も現地時間16日から目下8連敗中という大失速で現在ナ・リーグ西地区の最下位となっています。もとよりこの地区には昨年ワールドシリーズを制した絶対王者ドジャース、オフに大補強を敢行したパドレスの一騎打ちが予想されており、現在はそこに古豪のジャイアンツを加えた三つ巴の争いとなっていることもあれば想定内の展開とは言えますが...。
打線はNick Ahmed(ニック・アーメド)が打率1割台と苦しんでいたり、Ketel Marte(ケテル・マーテ)やAsdrúbal Cabrera(アズドゥルバル・カブレラ)、Kole Calhoun(コール・カルフーン)らがちょこちょこ戦列を離れながらもそこそこ打てている印象を持ちますが、とにかくムラが激しいです。
ここまでダイヤモンドバックスが勝った試合の平均得点数は7.37点(小数第3位を四捨五入)で、そのうち7点以上取った試合が11試合と爆発力を秘めている打線であることはわかる一方、負けた試合の平均得点は2.5点とかなり湿っており、そのうち3得点以下の試合が18試合となっています。
特に直近10試合でも平均得点2.9と打線が湿っているため、まずは連敗脱出のために得点力を復活させる必要があるかなあと思います。
投手陣もなかなかに打ち込まれており、特にリリーフ陣の平均防御率が5.38という焼け野原ぶり。先発陣も今シーズン球速が戻りつつあり、少し復活の兆しが見えたバムガーナーも気づけば防御率4点台中盤、FIPも3点台後半とそこまで突出した成績にはなっておらず、昨シーズンから安定した投球を披露し続けてきたZac Gallen(ザック・ギャレン)も現在は右腕の怪我でILリスト入り。なかなか苦しい投手事情となっております。
今後も苦戦することが予想されますが、今シーズン再建モードで試合をしているわけではないので、今後その舵切りがどの方向へと進むのかにも注目すると面白いかもしれません。
同率3位:ミネソタ・ツインズ
いやー、苦しんでますね。私個人としてはコロナの影響で試合が延期になったり、開幕投手を務めた前田健太やホワイトソックスから移籍し、今シーズンクローザーを任されていたAlex Colome(アレックス・コロメ)らの不振もありましたが、それは一時的なものだと思っていたんですよね。
ところが5月に入ってもなかなか勝てない日が続き、さらには好調をキープし、一時はMVP級の活躍を続けてきたByron Buxton(バイロン・バクストン)が今月6日(現地時間)のレンジャーズ戦で臀部を痛めて全治不明のIL入り(10日間)。いくら怪我がちの選手とはいえ、攻守の要を失ってしまった穴は大きく広がったままになっています。
投手陣はここまで
などと昨年軒並みリーグ上位の成績を残していた投手陣が打ち込まれている現状となっています。
前田のみならず、ここまで先発で好投していたMichael Pineda(マイケル・ピネダ)も先日右脚の膿瘍でIL入り。先月まで好投が光っていたJ.A.Happ(JA・ハップ)、Jose Berrios(ホセ・ベリオス)も打たれ、いよいよ先発陣が崩壊しそうであるのと同時に、リリーフ陣もやや劇場型であるもののそこそこ抑えてくれるTaylor Rogers(タイラー・ロジャース)以外はパッとしない状態が続いています。元々シーズン開幕当初からリリーフ陣がリードを守り切れずに接戦を落とす展開が多かっただけに、投手陣全体の復調無くしてはここから巻き返すのがかなり厳しくなってしまうのではないでしょうか。
一方でバクストンを失った打線も、不惑の大砲Nelson Cruz(ネルソン・クルーズ)は期待通りの働きをしているものの、その他はなかなか調子が上がっていません。
しかしここ数試合では長らく不振だったMeguel Sanō(ミゲル・サノー)にあたりが出始め、元シルバースラッガー受賞者のMitch Garver(ミッチ・ガーバー)や今月からメジャー昇格を果たした「レフ」ことRob Refsnyder(ロブ・レフスナイダー)もしっかり仕事をしています。
チーム打率は.239(リーグ6位)ではあるものの、本塁打数はリーグ3位タイの63本。打点(203)、得点(213)ともにリーグ6位であると考えるとそこそこの破壊力は持っているように思いますが、やっぱりそこにはバクストンの力があったことを考慮しないといけません。
というよりも、昨年からガーバー、サノーが不調に陥ったり、Josh Donaldson(ジョシュ・ドナルドソン)やバクストンが怪我して戦線離脱した影響で理想のオーダーが組めていないというのが本音だと思うので、ここからは選手のコンディション管理も重要になってくると思います。これ本当にEddie(エディ・ロサリオ:現クリーブランド・インディアンス)出して良かったのかなあ…。
とはいえ、先日のインディアンス3連戦では5月初のカード勝ち越しを決めるなど、まだまだお先真っ暗といえる状態ではないので、ここからの怒涛の追い上げに期待したいところです。ただし、それがうまくいかない場合はタンキングに踏み切る可能性も十分あるとみてよさそうです。
同率3位:デトロイト・タイガース
同地区のツインズと共に低迷中のタイガース。先月は一時期チーム打率が2割を切りそうになるほどの貧打っぷりが目立っていたものの、現在は少々改善されつつあります(とはいえまだチーム打率は.229ですが)。
ただ、ここまで最も高いWARを記録しているのがオフにアスレチックスから移籍してきた好打者Robbie Grossman(ロビー・グロスマン)であることなどを考えると、やっぱりまだまだ再建中なんだなあという感じがします。
先発陣に関しては奮闘しているといっても良い選手が多い印象です。写真でも紹介したターンブルをはじめ、エースのMatthew Boyd(マシュー・ボイド)も3つ負け越しがあるもののここまで防御率3点台前半と安定感があり、2018年全体ドラフト1位のCasey Mize(ケーシー・マイズ)も着実に成長してきているといっていいでしょう。彼らの活躍もあり、現在先発防御率は3.96となっています。
ただボイドに関しては今オフFAとなるため、トレードデッドライン時に先発を補強したい球団にトレードされる可能性は否定できません(過去にも何度かトレードの噂は出ていました)。
その一方でブルペン陣はかなり苦戦しています。全体的にかなり打ち込まれており、リリーフ陣の防御率は5.90。正直頼れる選手が見当たらないというのが現状です。
戦力的な上積みがあまり期待できない分、ツインズとは違って今後浮上する見込みは薄いと思いますが、着実にプロスペクトは育ってきていますし、まだまだメジャーに昇格していない楽しみな選手も多いので、そちらの方にも注目すると面白いかもしれません。
5位:ピッツバーグ・パイレーツ
今年のドラフトで全体1位の指名権を得ている絶賛再建中のチームですが、実は4月に12勝13敗とそこまで他球団に遅れをとることなく奮闘していました。
開幕早々今シーズンのナ・リーグ新人王筆頭候補だったKe'Bryan Hayes(ケブライアン・ヘイズ)が故障で、結果的に60日間のILリストに入るという大誤算がありながら、それでも写真の通り、フレイジャーがここまでナ・リーグ3位(全体5位)の打率を記録していることや、正捕手のJacob Stallings(ジェイコブ・ストーリングス)、Bryan Reynolds(ブライアン・レイノルズ)らの活躍は目につきます。
しかし、打線の長打力不足、得点力不足は否めません。
同リーグでの本塁打数は貧打に悩まされているメッツと並んで最下位。得点、打点もそれぞれリーグ14位と、とにかく点が入りません。
今シーズンの1試合最多得点は8点。1試合当たりの平均得点は3.35点と全30球団中29位(30位はメッツの3.29点)であるため、そこそこ出塁をしてもそれが得点に結びついていないというのが現状かなあと思います。
一方投手陣は、クローザーのRichard Rodriguez(リチャード・ロドリゲス)がここまで圧巻の投球を披露しているなどの明るい話題もある一方、今オフにエースだったJoe Musgrove(ジョー・マスグローブ)らをトレードで放出した先発陣は全員防御率4点台以上と振るわず。開幕投手のChad Kuhl(チャド・クール)は4試合登板で防御率6.32の成績で、4月22日(現地時間)に肩の違和感を訴えてIL入り(先週AAAEastに降格)。その他ジャイアンツから移籍のTylor Anderson(タイラー・アンダーソン)もなかなかの投球を見せていますが、思うような成績につながっているのかと言われるとやや微妙なところ。その中でも1人好投を続けていたJT Brubaker(JT・ブルベイカー)もここ2試合11イニングで12失点と調子を落としてきています。
もともと再建中ということもあって、チームの成績などは二の次として考えている可能性もありますが、実はトッププロスペクトも即メジャーで試せるレベルとまではいっておらず、5月の中旬には大きくロースターをいれかえながら慌ただしく動いていました。
個人的にはカブスからDFAとなったIldemaro Vargas(イルデマロ・バルガス)をウェーバークレームで獲得するなど、かなりユーティリティプレイヤーを揃えている印象を受けますので、これは本格的に以前から噂されていたフレイジャーのトレードに踏み切る準備段階に入っているのではないかと考えております。フレイジャー自身も今シーズンの活躍でトレードバリューを取り戻している感はありますので、トレードデットラインまでのどのタイミングで敢行されるのかにも注目してもいいかもしれません。
終わりに
長い記事になってしまい、申し訳ありませんでした。
今回はこの5チームを紹介しましたが、ロッキーズも勝率4割を下回っていますし、大谷翔平が所属するエンゼルスもMike Trout(マイク・トラウト)の長期離脱などで苦しむ状況が続くかもしれません。
各チーム45試合ほど消化していますが、あと120試合ほどレギュラーシーズンは残っていますので、ここから各チームがどう動いていくのか、また7月にかけてファンを驚かせるトレード移籍があるのか。これもMLBの見どころですので、注目して見ていきましょう。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
今後もMLBやカブスに関する記事を書いていきますので、ぜひ良かったらお読みください。
※データに関しては24日試合前のものも含まれています。
<参考・引用資料>
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