(カブス考察シリーズ第1弾)ホズマーさん引き取りは実際にアリなのか
お疲れ様です、イサシキです。
MLBもいよいよワールドシリーズに突入。それと同時にオフシーズンへと向かっていきます。今オフはMLBの新労使協定が締結されるまで移籍市場は動かないどころかストに突入する可能性があるので、何とか機構と選手会で折り合いがつくといいなあと思っています。
さて、今回の記事のヒントをいただいたのは、前回の記事で紹介させていただいたBaseballTradeValuesというモックトレードサイトからです。そちらのサイトに対する知識があると、この記事がさらにわかりやすく読めるようになっていますので、「BaseballTradeValuesって何?」という方は、是非私の前回記事を読んでみてください。また、NPBの「ヨソドラ」でお馴染みのARAさんのnoteに、こちらのサイトに関する記事があります。興味のある方は是非そちらもお読みになってください。
(※以下は前回記事へのリンクです)
ここから本題に入ります。
最近卒論以外ほぼやることがないので、毎日このサイトを見ることがルーティーンとなり始めていましたが、そんな中でこんなモックトレードがよく見られました。
ババっと4枚の画像を貼り付けましたが、この中で1人だけ4枚の画像に名前が登場している人物がいますね、既にタイトルで察していると思いますが。
そうです、サンディエゴ・パドレス所属のエリック・ホズマー内野手の名前がよく出てきています。
ホズマーといえば2008年のMLBドラフト全体3巡目指名選手(ロイヤルズが1巡目で指名)で、持ち前の強打と高い1Bの守備能力を有してシルバスラッガー賞(2017)や4度のゴールドグラブ賞(2013~2015、2017年)など様々なタイトルを獲得してきた実績のある選手です。またロイヤルズ時代の2015年にはワールドシリーズ制覇を経験したことに加え、パドレスに移籍した現在も数多くの若手選手に慕われている選手でもあります。
そんなホズマーを、なぜファンは放出したがっているのでしょうか?また、どうしてトレード先によくカブスが挙げられるのでしょうか?そして、カブスがホズマーを獲得することによってどんな効果が予想されるでしょうか?
今回はそれらを考察する記事となっております。少々MLB初心者に向けた内容も含まれますので長い記事になりますが、どうぞ最後までお付き合いください。
ホズマーさんをトレードしたい理由
MLBではFA取得までの年数がNPBよりも2年早い(実働6年で取得)ことやチーム状況などでよく選手が移籍します。それが例えチームの顔ともいえる存在の選手であっても、です。なのでホズマークラスの選手がトレードされることは珍しくありません。
そして、選手がトレードされるのには必ず理由が存在します。
基本的には選手本人のキャリアを良いものにするために行われることが多いトレードですが、中には後ろめたい理由でトレードする場合もあります。残念ながらホズマーはそちらの部類に入りまして、それが、選手の成績と年俸が不釣り合いであるケースに当てはまります。
ホズマーさんはどんな成績を残しているのか
メジャーデビューから今年で10年が経過したホズマー。毎年20本前後のHRを記録する長打力に加えて選球眼も良く、特に2017年にマークしたスラッシュラインがキャリアハイといっても差し支えがないほど打撃成績が良い選手でした。
ただFAでパドレスに移籍してからは8年総額1億4400万ドルに見合う活躍とは言えず、特に今シーズンはBarrel%が前年の10.3から5.8へと急降下してしまい、ゴロヒッターへと逆戻りしてしまったことなどでメディアやファンからバッシングを受ける対象となってしまいました。
また安定した1B守備も隔年で成績が安定しなくなっており、今シーズンのDRS(各ポジションの平均と比較した際にどれだけ失点を防いだかを示す守備指標の1つ)は-4といまひとつ。4年間パドレスで稼いだWAR(Fanglaphs算出)はわずか0.5(Baseballreference算出で2.5)と、正直全盛期を過ぎてしまった感は否めません。
実は今夏も報道された「ホズマー放出説」
そんなホズマーは、今年のトレードデッドラインで放出されるのではないかという報道も出ていました。
パドレスはこの時60勝44敗という好成績でナ・リーグ西地区の凄まじい首位争いを繰り広げている真っ最中だったこともあるため、その数日前にパイレーツから獲得したアダム・フレイジャー内野手の他にも選手を補強するのではないかと予想されていました。
しかし、チームにはホズマーに加え、MLBのスター選手マニー・マチャド内野手やウィル・マイヤーズ外野手といった年俸の高い選手と、シーズン開幕前にダルビッシュ有投手やブレイク・スネル投手という好投手で年俸の高い選手をトレードで獲得していたため、チームの年俸総額がぜいたく税の対象となるラインまで膨張していました。ぜいたく税を超えると課されるペナルティに関しては割愛しますが、どちらにしてもこれ以上の補強をするのであれば今チームにいる高額年俸の選手をトレードに出す必要があるという状況に陥りました。そこで槍玉に挙がったのがホズマーだったのです。
理由は様々でした。同じチームのジェイク・クロネンワース選手やジュリクソン・プロファー選手が1Bを守れること、プロスペクトの豊富なパドレスであれば、その選手を抱き合わせてトレードすることも可能ではないか、今年から全球団へのトレード拒否権が一部球団のみになったが、再来年にはまたトレード拒否権(10&5ルール)を得る可能性が高いため、今のうちに放出してしまおうという考えに至ったetc...。
いずれにしても、大半の球団がオフシーズンに入ってもホズマートレードの話は消えることなく、くすぶり続けている状態です。
なぜカブスが候補として挙がったのか
先程も少し説明しましたが、高額選手をトレードするには、そのトレード先のチームのペイロールに余裕がないとなかなか成立しません(まあ基本的には所属先の球団がその選手の年俸を負担することが多いですが...)。
そこでトレード先として浮上したのが、シカゴ・カブスでした。
カブスは例のパンデミックの影響で緊縮財政に舵を切らないといけない状況に陥り、さらには2021年シーズン終了後にチームの主力であるクリス・ブライアント内野手、ハビアー・バイエズ内野手、アンソニー・リゾ内野手らが一斉にFAとなるため、チーム成績によってはトレードデッドラインまでに他球団へと移籍してしまうのではないかと言われていました。実際にカブスは6月中旬まではコンテンダーとしてナ・リーグ中地区首位をブルワーズと競っていましたが、ドジャース相手に達成した継投ノーヒッターを境に悪夢の11連敗。ここで編成責任者のジェド・ホイヤー氏がシーズンギブアップ宣言をし、上記の選手を含めた合計9名の選手を他球団に放出してチームを解体しました。
このムーブメントにより、カブスの2022年シーズンのペイロールは大幅に削減されました(1億4460万ドル→約5900万ドル)。これにより、高額選手を引き取っても過剰にペイロールを圧迫しない状態となりました。ここがトレード相手にカブスが挙げられた最大の理由です(下記リンクにて確認可能です)。
さらには来シーズンオフにFAとなるウィルソン・コントレラス捕手やチームのエースであるカイル・ヘンドリックス投手にもトレードの噂が流れており、まだまだ2016年の世界一を知るメンバーの移籍があるのではないかとの報道も出ています。
またMLBNetworkのインサイダーであるジョン・ヘイマン氏によると、実際にリゾとホズマーをトレードさせようと両球団間で取引が進められていたということも明らかになっています。
ここまでで、どうしてホズマーがトレードされる話が出て、そのトレード先になぜカブスが挙げられたのかを説明させていただきました。ここからは、カブス目線でこのトレードが実現した際の影響を考察していきます。
もしホズマーさんがカブスに来たら…
では、良い点と懸念点に分けて、ホズマーがカブスに来た際の影響を考えていきたいと思います。
良い点その①:再建チームでのリーダー役にピッタリ
ホズマーはこれまでに所属したロイヤルズ、パドレスでそれぞれチームの中心的存在となっており、特にパドレスでは前述のトレードの話が出た際にチームメイトが難色を示したというほど慕われていることがわかります。
来季で33歳となるホズマーは、ニック・マドリガル内野手やニコ・ホーナー内野手といった若手の有望株を多く抱えて再建を目指すカブスの選手たちにとって非常に良いメンターとなってくれる可能性が高いです。実際にロイヤルズに所属していた時に経験した世界一(2015年)も、長い長い再建期(低迷期とも)の真っ只中にあった2011年から一線級で活躍した選手なので、再建期(低迷期)→常勝期のムーブで経験したことや、チームのモチベーションなどといった点で多くの選手の見本になれるのではないでしょうか。
良い点その②:ファンサービスも旺盛
非常にファンサービスも熱心ということで知られているホズマー。2014年のディビィジョンシリーズでエンゼルスを破った際には祝勝会と称して、地元カンザスシティーのバーでファンとともに過ごし、その飲食代合計1万2000ドルをすべて自腹で支払うという豪放磊落な性格ということもあるのか、非常にファンから愛される存在であることは間違いありません。もしカブス在籍中に再びチームがコンテンダー復活を遂げ、ホズマー自身も活躍することができれば熱狂的なカブスファンにも受け入れられることでしょう。
良い点その③:割と三振が少なく、当たりも決して悪くはない
プレー面においては、やはり三振率の低さがカブスにとって最大の長所かなと思います。
今年のカブス打線は162試合で1358個の三振を喫しており、1試合平均で8.38個の三振を献上している計算になります。
現代のMLBが奪三振全盛期なので三振はどうしても増えてしまうというのは理解できても、やはり三振が多くなればそれだけ攻撃のチャンスをつぶしてしまうのも事実です。そこでホズマーの三振率の低さが作用してきます。
決してホズマー自身もMLBでトップクラスの三振率の低さを誇っているわけではありません。今シーズン記録した17.5%はMLBの1Bで10位、全体で38位と平凡な成績ですが、MLBの中では上位約25%に食い込むレベルの成績となっています。今シーズンのカブスで規定打席に到達したのはイアン・ハップ外野手のみでしたが、そのハップの三振率は29.2%と高く、今シーズンブライアントが保持していたカブスの新人本塁打記録を塗り替える活躍を見せたパトリック・ウィズダム内野手に至っては驚異の40.8%。これで打線のつながりを求めるのは無理があります。ここにホズマー選手が加わることで、打線のつながりが出てくるのではないでしょうか。
さらに今シーズンのハードヒット率は47%なので、2本に1本はしっかりと速い打球を打てています。後述する致命的な弱点さえ克服することができれば、まだまだ打の選手として通用すると思います。
良い点その④:「カブスメソッド」で蘇る?
これは少々オカルトチックな話になりますが、今年のカブスは特に後半戦で30歳前後のいわゆる4A選手と呼ばれる選手たちが大活躍をしました。詳細はよくわかっていませんが、私自身カブスが何かしらの「打撃改造メソッド」を持っており、そこで選手たちがバッティングに関する何かを習得してメジャーの舞台で活躍したのではないかと思っています。
ホズマーもそこで同じように打撃を「魔改造」されるようなことがあれば、再び活躍できるのではないかとも考えています。
また、ホズマー自身も「チームを勝たせなければならない」という強大なプレッシャーから少しは解放されるので、伸び伸びとプレーできるようになるかもしれません。
ここから先は、懸念点となります。
懸念点その①:使い方が大きく限定されてしまう
確かにカブスにとって良い面もあるホズマー加入案ですが、考えなければならない事があります。そのひとつにホズマーの起用法が挙げられます。
まずホズマーはMLB昇格後、2015年にRFを守って以来1B以外の守備位置についたことがありません(RFでの出場も5試合のみ)。現在のスプリントで外野手を務めるのは不可能ですので、ナ・リーグであるカブスでは1B以外守るところがありません。
では現在のカブスは誰が1Bを務めているのかといえば、下記の通りになります(拡大推奨)。
やはり目を引くのは突如現れた29歳の新星、フランク・シュウィンデル内野手ではないでしょうか。
6月にアスレチックスをDFAにされてからカブスにクレームされ、7月30日のナショナルズ戦でデビュー。その後は見事なスラッシュラインに加え、OPSは1.002と、自身のキャリアハイをマークしました。
さらにカブス打線が苦手とするブレーキング系統の球種に対しても強さを発揮し、後半戦のカブス打線に必要不可欠な存在となりました。
シュウィンデルは一応コーナーの外野手も守っていましたが、基本的には1Bを守ることが基本線になると思います。そしてカブス編成責任者のジェド・ホイヤー氏もシーズン終了後の記者会見でシュウィンデルの活躍を称賛し「来シーズンは彼を中心に」という趣旨の発言も出ていることから、3Bを守るであろうウィズダムと合わせて内野のコーナーを補強する可能性は低いと予測できます。
となると、ホズマーは良くて対右のプラトーン要因兼インターリーグ時のDH限定という立ち位置に落ち着いてしまいます。しかもシュウィンデルは割と欠点の少ない選手で、右左関係なく打つことを考えるとより出番が少なくなります。もちろん実績が少ない選手ではありますが8月~シーズン終了まで好調を維持し続けたシュウィンデルを使わない理由がないので、ホズマーにとっては逆風の環境になります。ただもしかしたら来シーズンよりナ・リーグにもDH制が導入されるかもしれないという話もありますので、現時点では一概に分析することはできません。
懸念点その②:不安が残るスタッツの数々
先程はホズマーの三振率やハードヒット率について触れましたが、逆に致命的な欠点となるスタッツも存在します。それがバレル率と長打率です。
前述した通りホズマーは生粋のゴロヒッターなので、打球がとにかく上がりません。それを裏付けるかのように、今シーズンのバレル率5.8%に対して長打率が.395と、1Bで規定到達した選手の中でワースト3となっています(1B平均長打率は.472)。さすがにポジション的に失格レベルと言われても仕方ありません。
また、スライダーに弱いのも今のカブスにはマッチしません。今シーズンのカブスのwSLは-38.5ということで、打線全体がスライダーに弱く、その影響で得点が40点近く減少しています。その中でスライダーに対するRunValueが例年-10近くをたたき出しているホズマーが打線に加わると、より一層打線の弱点が表面化してしまいます。今シーズンスライダーに対して打率.208という時点でいろいろと察せる部分もありましたが、これでは打線にとってプラスとはならないことが予測できます。
懸念点その③:やっぱり契約が重い
やはり実績のある選手だけに、簡単に複数年で高額契約のホズマー選手を引き取ることはリスクもあります。例えば移籍後に怪我をしてしまって全く試合に出れないパターンや不振でベンチを温める機会が増えてしまうと、そこにマイナーリーグ行の拒否権なんかが盛り込まれている場合、本当にチームからお荷物扱いされてしまう可能性があります(現行の契約ではマイナー拒否権が含まれているという記載は一切ありません)。
もし今オフカブスに来たら、来季分の年俸(おそらくパドレスが幾らか負担はする)2100万ドル+オプトアウトを行使しない場合の年俸(合計3900万ドル)をホズマーに対して支払わなくてはなりません。ただ2023年からの年俸1300万ドルはそこまでチームのペイロールを圧迫するものではありませんし、トレードに出すにも年俸が2100万ドルの状態よりは全然トレードしやすいと思います。なので先程示した通り、来シーズンに10&5ルールによってトレード拒否権を得るということさえなければ、実はそれほどチームにとって重荷になる契約ではありません。
ただ、いくら1300万ドルに年俸が下がるといってもチーム内で高額な契約になることは間違いありません。そしてそんなプレーヤーが不振に陥って試合に出ていない日々を過ごしていくと、いつかカブスファンからこんな風に揶揄されてしまうかもしれません。
懸念点その④:若手の出番を奪う可能性も
一番懸念している点はここにあります。先述の通り、カブスは今シーズン主力選手をトレードし、今後再建期に入ることが予想されます(ホイヤー氏はそんなに時間はかからないと言っていますが…)。となれば、現在カブス傘下のマイナーリーグで結果を残している選手たちにも当然チャンスは巡ってきます。
直近で言えば、今シーズンMLBに昇格してある程度適応したアルフォンソ・リバス内野手(MLBPipelineチーム内プロスペクトランク30位)やニック・マーティニ外野手は開幕メジャースタートが見込まれる選手ですし、2年以内にはMLB全体プロスペクトランク14位の22歳ブレネン・デービス外野手や今シーズンAAとAAAで合わせて18本のHRを放った長打力が自慢の22歳クリストファー・モレル内野手らがメジャー昇格を控えている状況にあります。
これらの選手のメジャー昇格は、今後のカブスにとっても非常に大きなことになるため、場合によっては他の選手をDFAしてでもアクティブ・ロースターに組み込まれる可能性もあります。その時にホズマーが若手の出場機会を奪ってしまう可能性は捨てきれません。そうなると、これからのカブスにとってホズマーという存在がどうしてもマッチしなくなることも考えられます。
パドレスさんもそんなにプロスペクト出していいの?
さて、今度は少々パドレス目線から考察します。MLBファンの皆様であればご存じの通り、今シーズン前に次々とエース級の先発投手をトレードで補強し、ナ・リーグ西地区でドジャースと一騎打ちをするのではないかと言われていたチームです。
もちろんその代償も大きく、カブスからダルビッシュ(andカラティニ)をトレードで獲得した際には、前年にパドレスのローテーションを守っていたザック・デイビーズ投手とプロスペクト4名を放出。また、レイズからスネル、パイレーツからジョー・マスグローブ投手を獲得する際に、ルイス・パティーニョ投手やフランシスコ・メヒア捕手、ジョーイ・ルケーシー投手(三角トレードでメッツへ移籍)など合計で9選手を放出しています。
これでマイナー組織が大きく変わったパドレスですが、もしホズマーをトレードしようと画策すれば、間違いなく年俸の一部負担に加え、プロスペクト選手との抱き合わせとなるでしょう。
そうなると、他球団は5ツールの揃った将来のスーパースター候補であるCJ・エイブラムズ内野手(MLB全体プロスペクトランク6位)や既にメジャー経験も積んでいるルイス・キャンプサーノ捕手(MLB全体プロスペクトランク37位)、そして少し評価を落としたものの、今か今かと昇格が噂されていたマッケンジー・ゴア投手(MLB全体プロスペクトランク56位)らを見返りとして要求する可能性が高いです。
現在はコンテンダーになれる力があるので良いと思いますが、ここまでマイナーが一気に過疎化してしまうと、将来のチーム作りに多大な影響を及ぼす可能性があります。確かにパドレスは長い再建期や低迷期を経験してきたチームで、現在はMLBを代表するスター選手フェルナンド・タティスJr.内野手がチームの顔として奮起している以上、何としても選手が揃っている今の時期にチームを世界一まで押し上げたいというパドレスGMのA.Jプレラー氏の気持ちもわかります。ただ「ホズマーを売却する」という意図がメインのトレードでプロスペクトを出すのはさすがにまずいのではないかと個人的に思います。確かに相手の主力級の選手はもらえると思いますが、それ以上に5年後、10年後と強いチームを継続させるチーム作りも大切だと思うので、安易なプロスペクトの安売りは避けた方が良いと勝手に思っています。
カブスが放出するのは?
おそらくこのトレードにおいて真っ先に登場するのはコントレラスでしょう。FAまであと1年というところで日に日にそのトレード価値は落ちていくので、カブスも本当にコントレラスを売るのであれば、今シーズンオフにトレードを成立させる可能性があってもおかしくありません。パドレスにもオースティン・ノラ捕手とビクター・カラティ二捕手らがいますが、ノラはもともとユーティリティ選手のため、コントレラスの加入によってさらに活用の場が増えると思います。
ただ個人的には先述のヘンドリックスに加え、ジェイソン・ヘイワード外野手とデービット・ボーティー内野手の3人がカブスと複数年契約を結んでいるため、この3人のうちの誰かをトレードしてさらにペイロールを緩和させたいところですが、現実は甘くなさそうですね…。
まとめ:面白い考えではあるけど…
ここからはまとめに入ります。
私の結論としては「戦力にはなるけど、今のカブスにはマッチしにくい」ということになります。
Statcastの指標を見る限りでも打球の質そのものが悪いわけではありませんし、とにかくバレル率が2020シーズンの水準まで上がってくればまだまだ長打は増加すると思います。また、今のカブスは左打者が不足しているので、ホズマーをラインナップに加えることができれば、オーダーのバリュエーションも増えてくるでしょう。但し、1B専ということもあって使いどころがかなり限定されるのはあまりうれしくありません。
確かにシュウィンデルやウィズダムの台頭がなければこれはあり得た話でもあるかもしれませんが…。
ただ契約面からみても、カブスがホズマーのサラリーダンプトレードに付き合う可能性は低いとみていいかもしれません。
今回は以上になります。
不定期ですが、このカブス考察シリーズは連載しようと思います。全ての記事が単発で完結するようにしますので、ぜひ今後もお読みください。
あと、この記事の内容やBaseballTradeValueのサイトに挙がっているモックトレードは鼻で笑うくらいが丁度良いので、あまり真面目に捉えないようにしましょう。あれは楽しむためのサイトです。
今後もMLBやカブスに関する記事を執筆していきますので、良かったらお読みください。