中華王朝による「冊封体制」とは?
○「冊封体制」もまた、ジャイアンである
では、
ここから聖徳太子について
細かく見ていきましょう!
と言いたいところなのですが・・・、
中華思想の他にもう一つ、
中華王朝による「冊封体制」
というものについても説明させていただきます。
この後、
「冊封体制」
という言葉が多数登場して参ります。
聖徳太子を理解するためにも、
もう少々お付き合いください。
「聖徳太子」による遣隋使の派遣は、
当時の中華王朝・隋王朝による
「冊封体制」に組み込まれ属国になるか、
あるいは、
冊封体制に入らず
独立国として対等な関係になるか
のせめぎ合いであリました。
「冊封体制」。
聴き慣れない言葉だと思います。
「中華思想」とは、
「お前のものは俺のもの」
というジャイアン的思想
とお話ししましたが、
実は「冊封体制」もまた、
ジャイアン的思想なのです。
冊封体制の場合のジャイアン的思想
とは次のような考え方です。
ジャイアンはドラえもんにおいて力を持った権力者です。
特例を除いては基本的に無敵であり、
自分の気に入らないものは
力・暴力によって排除するか服従させ、
気に入ったものは他人のものでも奪い取ります。
これはまさに、
「お前のものは俺のもの」という
中華思想的概念と共通するところであります。
そんな
中華思想的権力を振るうジャイアンですが、
自らに媚び諂(へつら)い
従属するものに対しては甘いところがあり、
その典型例がスネ夫です。
逆に、
自らに媚び諂(へつら)わず従順ならざる者
に対しては容赦無く暴力(権力の行使)を振るいます。
のび太くんはいつもボコボコです。
さて、
この場合のジャイアンを、
中華思想バリバリの中華王朝
と置き換えて考えてみると、
冊封体制についても非常に理解しやすくなります。
なぜなら、
冊封体制とは中華思想を根本原理とし、
絶対的権力者である中華皇帝に対し、
自国の名産品や奴隷(自国民)・女性(自国民)
などを献上し、
さらに、
跪き、額を床に擦り付けて服従を誓う
ということを前提にしているからです。
ちなみに、
この中華皇帝の前に跪き、
額を床に擦り付けて服従を誓い貢物を送る儀礼
のことを「朝貢」と言います。
中華皇帝は
この従属国による「朝貢」に対し、
倍以上のご褒美や、
軍事的圧力をかけない
という暗黙の了解的軍事的同盟
のようなものを約束し、
主従関係を結び、周辺の朝貢国を
中華の「属国」としていったのです。
???
この構造は何かに似ていませんか?
そう!
ジャイアンとスネ夫の関係です!
おフランス製の豪華なケーキや
最新のゲームやラジコン・漫画
などの貢物を献上し、
「さすがジャイアン!」
とごまを擦りおもね、
絶対的権力者・ジャイアンを味方につける
という・・・。
まさに、
冊封体制とはジャイアンとスネ夫の関係
であるのです。
つまり、
中華王朝による「冊封体制」という
中華王朝独特な政治体制とは、
ドラえもんで言うところの、
ジャイアン(中華王朝)とスネ夫(朝貢国)の関係
と考えるとわかりやすいということです。
中華思想?
冊封体制?
朝貢?
などと、
あまり難しく考えないで大丈夫です(^ ^)👍
次回・・・、
○「冊封体制」のメリット
乞うご期待!