バイオフォトンと井穴(せいけつ)の役割
ノーベル賞2024の発表が続いていますね。今日は化学賞。
2008年ノーベル化学賞『緑色蛍光タンパクの発見と応用』で受賞された下村先生は、「オワンクラゲがなぜ光るのか」ということに興味を持ち、その謎を解明するために研究に着手されたとのこと。
実は、人間も指先から光を放っていることをご存知か?
WHO認定のツボ361個のなかでもユニークなのは、手の爪の生え際と足の爪の生え際とその近くに六つずつある 合計12のツボで、井穴(せいけつ)と総称される。 いずれも臓腑の名前を冠した12経絡の始点か終点にあたる。古い医学書によれば、井穴は”経絡のエネルギーがあふれ出るところ”とされる。すなわち、井穴で起きる変化を知ることで経絡の役割の一端がのぞける。
この井穴からは、生物フォトン(バイオフォトン)と呼ばれる生体の極微弱な光が出ている。もちろん、肉眼では見えない光だ。他の部位より光の程度が強いことが近年分かってきているが、その役割や働きは明らかになっていない。ただ、何らかの病気があると、このツボの温度感覚に変調をきたすことは知られている。
井穴の温度変調は1950年、鍼灸師の赤羽幸兵衛(あかばねこうべえ)が発見したとされる。高熱と寒気で湯たんぽを使っていた時、熱さに気づかず、片方の足先をやけどしてしまったことがきっかけだった。幸兵衛は原因を明らかにしようと、火の付いた線香を使って井穴に刺激を繰り返し、熱さの閾値(刺激の違いが感じられるかどうかの境目の数値)を調べた。すると、病気の時には、左右の井穴で、温度感覚が違うことが分かったという。この違いは、そのまま経絡の異常を示しており、このメカニズムを利用した診断法は「知熱感度測定法」と命名されている。
これに着目したのが本山博博士だ。1970年、井穴の電流の流れやすさを測定し、経絡の状態を調べる機器を開発した。井穴にわずか3Vという弱い電圧を2000分の1秒だけかけるもので、井穴部位の皮膚で水分の多い真皮層の電流を測定できる。真皮層の水分量は、肌のうるおいと関係が深く、自律神経活動を反映していることを利用した。開発された機器はAMI(経絡臓器機能測定装置)と命名された。内臓に異常があると、ツボに電流が流れやすくなることはすでに知られており、それまでに二つの測定機器が開発されていたが、測定時の電圧が生体を刺激し、データが安定していなかった。本山博士の研究は、この欠点を解消したことで高い評価を受けた。FDA(米国食品医薬品局)の認可も受け、世界各国の研究所や大学病院で使われている。
これまで日本から8人が受賞している化学賞、光触媒の研究者などの受賞が期待されているとのこと。日本時間の今夜の発表が楽しみですね。
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