ツボでいきいきー東洋医学よもやま話
002_ツボの数は1年の日数と同じくらい
ツボのことを専門家は経穴(けいけつ)と呼ぶ。
広辞苑では「灸(きゅう)を点じ、鍼(はり)を打つべき身体の箇所。全身に数百か所あり、経絡(けいらく)の要所にあたり、病気の診断と治療の対象点」と説明している。
痛みがある所に、とげが偶然に刺さったり、石が当たったり、やけどになったりして、痛みが和らぐことで新しいツボは発見されてきた。
一つひとつのツボが、経絡と呼ばれる体内のエネルギーの通り道に点在し、自分の健康状態を把握できるポイントも多い。
ツボの呼び名の由来もさまざまだ。
日月(じつげつ)のように古代の天文にちなむもの。
鳩尾(きゅうび)のように動物の名前になぞらえたもの。
光明(こうめい)のように効能を表現したものもある。
ところで、ツボはいかほどあるのだろうか。
紀元前200年ごろの中国医学最古の医書「黄帝内経(こうていだいけい)」には、160個が紹介されている。
中国元代(1300年ごろ)に書かれた医書「十四経発揮(じゅうしけいはっき)」では、354個になっている。
1964年には、中国政府が新たに7個を追加して361個とした。追加は清(しん)の時代の書物に従ったようだが、日本と国際鍼灸(しんきゅう)学会はすぐにこれに倣い、1989年にはWHO(世界保健機関)も採用している。
今でも諸説があるものの、ツボの数はほぼ1年の日数ぐらいとするのが一般的なようだ。
経穴の場所について、日中韓で92個のその解釈に微妙な相違が存在していたため、2003年からWHO経穴部位国際標準化公式会議が日中韓をはじめとした9カ国2組織が参加して開かれ、2006年に経穴の場所が統一された(WHO/WPRO標準経穴部位)
日本では、2009年からは世界基準に従い、鍼灸養成施設でもWHO方式を採用する事が決定し、現在はWHO方式が採用されている。
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