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バイアスロン世界チャンピオン イワン・マルコフ インタビュー日本語翻訳
こちらの記事はケトルベルスポーツのバイアスロン世界チャンピオンの、イワン・マルコフ(Ivan Markov)のインタビューの日本語翻訳となっております。
GIREVIK ONLINE様より許可を頂き翻訳及び掲載させて頂いております。文章の無断転載は一切禁止いたします。
インタビュアー Valentin Egorov
翻訳者 渡辺陽介
動画公開日 2021年7月14日
○ Valentine
やぁ、イワン。こんばんは。お会いできて嬉しいです。あなたは現在、ロシアそして全世界で最も強いプロフェッショナルケトルベルスポーツアスリートですね。今回はプロフェッショナルアスリートの人生についてお話しできればと思っています。
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トレーニング以外の時間の過ごし方
では早速プロフェッショナルアスリートの普段の生活についてお伺いいたします。普段どれくらいの時間トレーニングをしますか?それからトレーニング以外ではどのようなことをしていますか?
● Ivan
まずはじめに、このような私の話をお話しできる機会を与えていただきとても嬉しく思います。ありがとうございます。普段の生活についての質問を良く受けますが、ケトルベルスポーツに費やす時間を増やせば増やすほど、私の人生はスポーツだけではないと考えるようになりました。
私は私の人生の中の全てが調和するように努めています。それは例えば友人と過ごす時間とひとりで過ごす時間の調和、スポーツに打ち込む時間と親戚や家族と過ごす時間の調和、これらが全て調和の中にあるように努めています。トレーニングから切り替えてリラックスしたり仕事をしたりすることも同様です。全てはバランスの中にあります。
私は人生のほとんど全ての時間をスポーツに捧げてきました。しかし、それは良くないことだと気付きました。スポーツに打ち込みすぎた結果、記録が落ちてしまったのです。どうやらメンタルに過負荷がかかっていたようです。そこで私は全ての時間をスポーツに捧げることをやめました。
今の私の一日ですが、まず朝起きたら30分は携帯電話を手に取らないようにしています。その代わり本を読みます。心理学や、いろいろなスポーツ、人生や信頼関係、人類学の本を読むことが多いです。人との良好な信頼関係を築く方法を学べます。そうすることによってより多くの人が互いに理解しあえると思います。それから携帯電話を手に取り、メールをチェックしたり、溜まったオンラインの生徒からの質問に答えたり。それから朝食を食べ、その後はトレーニングに向かうか勉強をします。
休みの日やは朝食からランチの間まで、およそ3〜3.5時間ほどトレーニングを行います。トレーニングを終えた後昼食を食べます。それが終わったら、もし時間に余裕があれば30分程昼寝をします。昼寝から目覚めると生まれ変わったような気分になります。まるでまた新しい一日が始まったような。そうするとまたすぐ次のタスクに取り掛かることができるのです。他には家族に会ったり、マッサージやカイロプラクティックへ行ったりすることもあります。
夜はディナーの後にランニングをします。サンクトペテルブルクのソスノフカ公園を走るのが好きで1時間ほど走ります。夜にランニングをすることや、夜に散歩することは私にとってメディテーションのようなもので、トレーニングとは思っていません。走る時はかなりゆっくり走ります。1時間で8キロくらいですね。『なぜそんなにゆっくり?もっと速く走れるんじゃないの?』と疑問に思う人もいると思いますが、もちろんもっと速く走ることはできるけれど、私の専門はケトルベルスポーツであって陸上競技ではありません。ランニングはリカバリーの一環で緊張したメンタルをほぐし、体から毒素を抜き、新鮮な空気を吸い込むのです。ランニングを終えると十分に満たされた気分になり、寝る準備ができるのです。寝る前はいつもコブロフに住む2人の妹に電話をかけます。
これが私の一日です。もちろん私は軍人ですから、予期せぬ仕事が入ることもあります。このスケジュールにほぼならない日もあります。しばしばトレーニングをするのがやっとということもあります。予期せぬ仕事は往々にして日中に起こります、もしくは朝、私はどこかに行かなければならなくなることがあります。例え、これが奉仕であろうが公共性のものであろうが私の義務である場合は、私はこれから逃れることはできません。ジムに行くのが夜の7時をまわってしまうこともあります。
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趣味について
○ Valentine
なにか趣味はありますか?
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● Ivan
いまは英語を勉強するのが好きです。
○ Valentine
たしかに英語はとても便利な言語ですね。
● Ivan
そうですね。私は体を使うだけでなく頭を使うことも好きです。ただしトレーニングの前にします。それからYouTubeも好きです。なにか面白いことを思いついたら撮影してYouTubeや Instagramに投稿するのです。他には本を読むことが好きです。あとはただ生きているだけで楽しいです。人生を愛してます。(笑)
○ Valentine
本を読むのが好きと言っていましたが、心理学の本以外に何か読みますか?フィクションとか。
● Ivan
最後に読んだフィクションは『肩をすくめるアトラス』という作品です。皆さんご存じでしょうか。全3部構成のとても面白い作品です。アメリカでは「聖書に次に影響力のある小説」と言われています。この本の注釈には、この本は「読むための本」であるとされています。人生や愛情の意味、家族の価値観のさまざまな問題を明らかにし、それらすべてがとても美しく述べられています。
それから最近『巨匠とマルガリータ』も読みました。これは学校に通っている頃に薦められて初めて読みました。正直に言えばその頃の私は非常に怠惰でした。しかしこの本を読んで思ったのです。「もっと本を読まなければならない。」と。(笑) その頃はこの本を読むことはとても難しかったですが、最近ようやくこの本を理解することができました。
ソーシャルメディアについて
○ Valentine
今度はソーシャルネットワークについてお伺いします。貴方はYouTubeチャンネルやInstagramアカウントを運営していますね。特にInstagramは非常に頻繁に更新されている様ですが、ソーシャルネットワークでは何か目標があったりしますか?それとも単なる趣味ですか?
● Ivan
ソーシャルメディアは全て意識的に行動しています。以前「(やっている行動が他の)みんなと同じだ」と言われた時、みんなと逆の事をしようと思いました。誰かの真似はしたくないんです。
○ Valentine
Instagramのストーリーでダンスをしていたけどあれも意図して?(笑)
● Ivan
そうです。(笑) まずみんなの注目を集めるためにやっています。それを見た人が私のアカウントを見ると「この人はケトルベルスポーツをやっているんだ。」と思うことでしょう。注目を集めるためにやっています。頭が変になってしまったと思わないでください。(笑)
○ Valentin
それはケトルベルスポーツの注目を集めるため?それとも自身の注目を集めるため?
● Ivan
ケトルベルスポーツの注目を集めるためです。もし私のことを知らない人が私のInstagramのアカウントを見たら、私を熱心なケトルベルリフターだと思うでしょう。私の頭の中にあるものは脳みそではなくケトルベルです。他には何もありません。Instagramのストーリーの私しか知らない人が見たらきっと驚くと思います。Instagramの私と実際の私は少し違います。私は今ケトルベルスポーツが今よりももっと一般的で人気のスポーツになること、その情熱に燃えています。そしてケトルベルスポーツがずっとこれからも永く続く人気のスポーツになることを望んでいます。そして私の名前がこれから何年も何世紀もケトルベルスポーツの歴史の形成とともに残る事を本当に望んでいます。
○ Valentine
ではInstagramのストーリー用のちょっとおバカな動画を撮影しましょう。(笑)
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![画像8](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/59286587/picture_pc_a72c245d79c06e0296d092c9054d7b44.png?width=1200)
トレーニングと仕事の両立について
○ Valentine
自分自身がケトルベルスポーツの分野やサンクトペテルブルクでどれくらい有名だと思いますか?
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● Ivan
私はケトルベルスポーツの分野では有名だと思います。けれどサンクトペテルブルクでは何かスポーツをやっている人なんだろうなとしか認識されないでしょう。スポーツと関係ない分野なら誰も私のことを知らないでしょう。時々ジムにいると「YouTubeで見たことあるよ!」と声をかけられます。あれは非常に嬉しいですね。すごくやる気が出ます。
○ Valentine
あなたの仕事はケトルベルスポーツですね。人生の多くはケトルベルスポーツに従事しているしケトルベルスポーツから生活費も賄っています。しかし大半のアスリートは正社員としての仕事を持っています。例えば8時間工場で働いたあとにジムに行くというような。もしあなたがこのような状況になった場合ケトルベルスポーツの記録はどう変わると思いますか?
● Ivan
8時間工場勤務ですか。
○ Valentine
はい。もしそうなった場合あなたの記録は落ちると思いますか?そして彼らが工場の仕事を辞めてスポーツに専念したら記録は伸びると思いますか?
● Ivan
トレーニングと身体を休めることを両立できるならば、きっと記録を伸ばすことができると思います。私が思うに仕事に行くこととトレーニングは全く性質の異なるものです。 私は記録を伸ばしたいと常に強く思い続けてきたから記録を伸ばせたのです。
あなたは私をプロスポーツ選手と呼びました。確かに私は他の多くのアスリートよりも、トレーニングに専念できる良い条件を持っていますが、私はこれらの条件を自分自身で作りました。そしてこれは常にそうであるとは限りません。改善すべきところは常にありますし、そして記録を伸ばすことに終わりはありません。もちろん毎日の厳しいトレーニングは非常に重要ですが、多くはアスリート自身に依るところが多いのです。強く望めば、多くのことを達成できます。
○ Valentine
アスリートの中には夕方の軍の訓練を含め、仕事の後にトレーニングをするアスリートがたくさんいます。トレーニングの成果に違いはあると思いますか?
● Ivan
もちろん違いはあると思いますが、結果を出せるかは本人次第だと思います。そして全員が全員異なる性質を持っているので人によりけりだと思います。
目標について
○ Valentine
あなたはSNSでしばしばモチベーションや目標ついて話しますが、 あなたはどのように目標や人生設計を計画していますか?
● Ivan
私は自分の人生のあらゆる段階を計画するようにしています。 そしてなにか行動するときは「私ならできる」と思うようにしています。私はキャリアの中でCMS、MS、MSMKをいつまでに獲得するかを予め計画してきました。そしてその目標を全て計画通りに獲得することができました。目標を達成するためにあらゆることをすれば、すべて達成できるということに気づきました。 もちろん今後のケトルベルスポーツの目標もすでに計画してあります。
○ Valentine
スポーツ以外のことであなたの1番の目標はありますか?
● Ivan
スポーツ以外で私の1番の目標は住宅に関することでしたがこの目標は達成されました。私はアパートメントを購入しました。次の目標は、アパートメントのですね。 でもまだ達成されていない目標についてお話するのはあまり好きではありません。
○ Valentine
目標を達成することができて良かったですね。近い将来のスポーツに関する目標はどうですか?これまでに出場したトーナメントでは全て勝ちましたね。残すタイトルはHMSの称号だけですが、競技を続けていれば、あなたはすぐにこの称号を受け取ることになるでしょう。ケトルベルスポーツに関することで究極の目標は何ですか?
● Ivan
さきほど言ったように、私はまだ達成されていない目標について話すのあまりは好きではありません。でも目標はあります。そして現在それを達成するためにあらゆることをしています。記録を伸ばすために全力で取り組んでいます。
今までの人生で良かった出来事
○ Valentine
あなたの人生で最も良かった出来事について教えてください。
● Ivan
良かった出来事が私の人生にはたくさんあったので、1つを選ぶのは難しいですが、私は今の自分の人生が好きです。毎日思い出に残る瞬間があります。たとえば、昨日私たちはヴォルガ川沿いをスクーターで一緒に走りました。ルイビンスクの美しい街を一緒に走ったこの日のことを忘れないでしょう。 最も幸せで最も記憶に残る瞬間というのは、お金で買うことができないです。私は人生のそのような瞬間に感謝しています。
○ Valentine
ルイビンスクもあなたの記憶に残って喜んでいますよ。
フィットネスクラブでのトレーニングについて
○ Valentine
それではトレーニングの話題に移りましょう。 あなたはフィットネスクラブでトレーニングしていますね。国のほとんどのケトルベルリフターは、古い体育館のようなジムでトレーニングします。フィットネスクラブは一般的なフィットネスがメインでありケトルベルスポーツはそうではありませんね。フィットネスクラブでのトレーニングについて教えてください。
● Ivan
確かにフィットネスクラブでのトレーニングは最初は不便に感じました。初めてフィットネスクラブに行ったときその光景に驚きました。一般的なフィットネスクラブに通う多くの人はただフィットネスクラブに行くだけで、汗をかくことさえしません。私がトレーニングする時はチョークが混じった汗がまるで川のように流れるというのに。そして私はこのような人達の中にケトルベルと一緒にいます...。
でもそれも慣れました。1番大事なのは結果が出るかです。他の人は私が何をしているのか理解できないでしょう。場違いなところにいる私のことを誰かが噂していたかもしれません。でも私はここにトレーニングをしに来ているのです。それは変わりません。
しかし実際のところ、フィットネスクラブのトレーニング環境はとても良いですね。とても広々としていてエアコンも完備されています。サウナ、プールもあります。トレーニング器具も豊富で、有酸素運動マシン、ファンクショナルトレーニングエリアもあります。
○ Valentine
そのフィットネスクラブは全ての重さのケトルベルが揃っていますか?
● Ivan
はい、全てあります。それがなかったらここには通わなかったでしょう。そしてフィットネスクラブにケトルベルがあるのは実はチャンスなんです。ここにケトルベルスポーツの明るい未来があります。
私たちケトルベルリフターの多くは、昔ながらの体育館のようなジムでケトルベルトレーニングをしていますが、そこから抜け出さなければなりません。このフィットネスクラブでケトルベルを使って運動する日に焼けたトレーニーに会いました。一緒にトレーニングをしていると、それを見ていたフィットネスクラブの他の人たちが興味を持ってくれて集まってきたのです。ケトルベルスポーツの明るい未来が見えましたね。
○ Valentine
あなたのチームの他のケトルベルリフターはフィットネスクラブでトレーニングをしますか?
● Ivan
代表チームのうち3人がフィットネスクラブで私と一緒にトレーニングをしています。 ジョニー・ベニーゼは同じフィットネスクラブでトレーニングをていします。
○ Valentine
フィットネスクラブでケトルベルスポーツのトレーニングをする人は増えると思いますか?
● Ivan
はい、増えると思います。より良いトレーニング環境があるなら、そこに通わない理由があるでしょうか。フィットネスクラブは有料ですがそれほど高価ではありません。トレーニングをするのにお金を支払うということは、このフィットネスクラブに通う以前は経験がありませんでした。しかし、このフィットネスクラブに通い始めて初めて私はお金を支払う価値があるということに気づきました。ホスピタリティは行き届いていますし、きれいなタオルも使えます。これは非常に魅力的です!この最高のトレーニング環境でトレーニングが出来るならば、お金のことなど関係ありません。
トレーニング方法について
○ Valentine
今度はトレーニング方法についてお話を聞かせてください。しかしあなたはその気になれ2日間はトレーニングについてお話することができるでしょう。ついお話しが長くなりすぎてあなたが疲れてしまわないように、ここからは手短にいきましょう。
まずはトレーニングの量についてお聞きしたいと思います。私はハイレベルのアスリート達が記録を伸ばすためにどれくらいのトレーニングを行うのか、そしてリカバリーはどのようにするのかを聞いてきました。今度はあなたのトレーニングメソッドをお聞きしたいです。
● Ivan
私はジャークとスナッチを別の日にトレーニングします。月曜日と木曜日はジャーク、火曜日と金曜日はスナッチ、週に4回ケトルベルのトレーニングを行います。。
有酸素運動は木曜日にやりますが、時折土曜日にシフトすることがあります。木曜日のジャークのトレーニングはとにかく全力でトレーニングをするのですが、でもジャークの後に有酸素運動を行うとするとどうしてもジャークのトレーニングの強度を落とさなければならなくなってしまうので、時折有酸素運動を土曜日にシフトして、ジャークのトレーニングにだけ集中することもあります。
GPPはトレーニングの後に行います。ジャークのトレーニングの後は下半身のGPP、スナッチのトレーニングの後は背中のGPPを行います。
そしてシーズン毎にトレーニング内容を変えています。オフシーズンでは主に筋力強化を重視します。大会が近づくとより競技に特化したトレーニングをします。それから有酸素運動も追加します。その時は週に一度泳ぎます。
水曜日は低強度の有酸素運動の日で、主に関節モビリティの向上やストレッチングを重視する日です。水はとてもよくリラックスしますので、関節モビリティ向上やストレッチの目的のために、低強度で泳ぎます。またこの日はストレッチに多くの時間を費やしています。プールの後に行うストレッチは約1〜1.5時間行います。
それ以外の日でも、ストレッチは毎回15~20分ほど行います。多くのプロスポーツ選手はストレッチの効果を理解していますが、実際に習慣的にストレッチを行っているアスリートは実はそう多くありません。怪我の防止と回復の促進、そして筋肉の弾力性の向上のため特にトレーニング後は15~20分間ストレッチすることをお勧めします。
日曜日はトレーニングは完全に休みます。でも日曜日にもトレーニングしたい場合もあります。そういう場合は、友人や家族に会ってサンクトペテルブルクを歩き回ります。この日は、私は故意にスポーツのことを脳内から切り離します。 私はかつて日曜日もトレーニングを行っていたのですが、日曜日もトレーニングを続ける生活を続けているうちに次第にトレーニング中に気分が悪くなってしまうようになってしまいました。こうならないために休息は必要です。
それからランニングについて。 たくさん走る必要もありません。 週に3〜4回、静かに1時間走るだけで十分です。
○ Valentine
速く走る必要はないのですか?
● Ivan
ええ、速く走る必要はありません。時速8kmがちょうど良くて時速10kmでは速すぎます。時速10kmは、リラクゼーションではなく完全にトレーニングと同等の負荷であり回復が必要になってきます。ケトルベルアスリートの場合であれば、8kmは歩くぐらいで丁度良いです。
○ Valentine
速いペースで3kmを走ることはありますか?
● Ivan
いいえ、私はそのようには走りません。かつてはランニングも全力でやっていたことがありますが、今はしません。ただケトルベルだけを精一杯頑張れば良いだけなのです。
スナッチについて
○ Valentine
スナッチについて教えてください。あなたはジャークとスナッチの両方で素晴らしい記録をお持ちですが、他の多くのアスリートを見るとそうでないことも多いです。ジャークで素晴らしい記録を出すことができるアスリートでも必ずしもスナッチでも良い結果を出せるとは限りませんし、その逆も然りです。ジャークとスナッチの両方が強いのにはなにか秘密があるのですか!?大会でもジャークであなたの記録に近い記録を出す選手はいますが、そのような選手でさえあなたのような素晴らしいスナッチは真似できない。どのようにしてこの様な素晴らしい記録を出すことが出来るのですか?
● Ivan
私はスナッチでは常にテクニックに注意を払っています。集中を切らさないようにケトルベルをリフトします。私はいつでもどんな時でも必ずスナッチで良い結果が出せるという自信があります。そういうところにまで持ってきました。私は偶然の出来事が起きる余地も無いほどに自分のスナッチの隅々まで知っています。スナッチの安定した記録とは、プラスマイナス5〜10回の場合です。私はそのようなスナッチが常にできるように、常に最善を尽くし準備をしてきました。
競技の時はジャークが終わったらすぐに、3〜5分ほどジャークについてどうだっか話し合います。それが終わったらジャークの話題は全て切り上げて、スナッチに全てを集中します。多くの選手は、ジャークの後、お互いにジャークについて議論し、他の選手がどのようにスナッチを行うかについて話し合います。そしてそれからスナッチを行いますが、それではスナッチに対する準備が十分であるとは言えません。どのように競技にアプローチし、そしてどのように「適応する」か、これが重要です。ここが心理学に繋がるわけです。
ロングサイクルについて
○ Valentine
ロングサイクルはどうですか?ジャーク、スナッチ、バイアスロンの3つの絶対的な世界記録をお持ちですから、ロングサイクルの世界記録も欲しくなるのではないですか?
● Ivan
今はロングサイクルの世界記録を作ることには情熱がありません。私は何かを行う時に情熱に従うことが1番大切だと思います。そしてそうではないことを行うことは好きではありません。それからロングサイクルはジャークの記録を低下させます。オフシーズンにロングサイクルをトレーニングしたことがあります。2〜3週間程ロングサイクルをトレーニングしてからバイアスロンに切り替えると、ジャークの記録が変わらないどころか低下してしまいました。私はジャークでより良い記録を出したいと思っていますし、まだ自身の結果にも満足していませんので、ロングサイクルについて話すのは時期尚早です。私はキャリアのかなり早い段階で、私の場合バイアスロンとロングサイクルの2種目をするべきではないと感じました。以前は8分も試技をすれば勝つことができましたが、今はそうではありません。全力を尽くさなければ勝つことができません。少なくともアスリートのスポーツの寿命は長くありません。 時間を無駄にしたくないです。
○ Valentine
現在、ロシア選手権にはそのようなアスリートが2人いましたね。
● Ivan
そうですね。
○ Valentine
彼らは今後どのような結果を出すと思いますか?
● Ivan
それについてコメントをすることはあまりしたくありませんが、あくまで私の意見ですがケトルベルスポーツは二刀流で勝てるレベルではなくなってきました。それだけレベルが上がってきています。もちろん競技することはできますが、問題はどれだけ長く持ちこたえることができるか、そしてどのレベルの記録に満足できるかです。
競技中に何を考えているか
○ Valentin
心理学が好きだと仰っていましたがジャークとスナッチの競技中の10分間ではどの様なことを考えていますか?
● Ivan
体力やエネルギーを浪費しないようにするため、競技の10分間、私の頭の中は全てテクニックとリラクゼーションに最大限集中しています。これは簡単なことではありません。トレーニングと異なり競技会ではなによりも最大限に集中することが必要です。それ以外は何も考えていません。
○ Valentine
競技中に隣のプラットフォームを見ますか?
● Ivan
いいえ、私は一度も見たことがありません。 私の競技中のビデオを見ると分かると思いますが、私は10分間ずっと1箇所を見つめるようにしています。時々、スコアボードを見ることがあります。
○ Valentine
つまり10分間、常に高い集中力を維持しているということですか?
● Ivan
はい、審判員のジャッジに耳を傾けて、ただ自身のリフティングに集中します。他には何もありません。もちろん、常に良い集中力が得られるとは限りません。カザンの大会ではジャーク163回の時点でケトルベルを落下させてしまいました。10分の間で集中を切らすことは許されません。それでも時々集中が切れてしまうことがあります。これは本人の問題です。こういった要因を排除することがプロというものです。私はそれに取り組んでいます。
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![画像11](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/59340449/picture_pc_d6be30223c1506b0d8fafb9ea8c8e9c3.png?width=1200)
![画像12](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/59340447/picture_pc_d4a2bfffd77562dbedb9a36f5eb6ab28.png?width=1200)
オフシーズンについて
○ Valentine
今度はオフシーズンについて聞かせてください。
● Ivan
オフシーズンは私の人生にとってとても重要なものです!
○ Valentine
オフシーズンには何をしますか?完全に休みますか?それともケトルベルですか?
● Ivan
オフシーズンは主にフォームを習得する期間です。それが十分でなかったなら競技の結果はあまり良いものにはならないと思います。ロシア選手権、もしくは世界選手権が終わったら私は1〜2週間完全に休みます。しかし実際のところ家事がたまっていたりするので完全に休むことができないことが多いです。理想は完全にリラックスして休暇を取ってどこかに行きたいです。
その後、約3週間から1カ月間、ジムでケトルベル以外の方法で筋力を高めます。私は特に発達の遅れている部位を強化するようにトレーニングします。 以前は、腕は弱く、腰も強くありませんでした。
その後の期間では、軽いケトルベル、有酸素運動でゆっくりとトレーニング強度を上げていきます。
ハードなトレーニングは大会の約3〜3.5ヶ月前から始めます。なぜかと言うと、私自身の経験上ケトルベルを使用してトレーニングを4ヶ月間続けると疲労が現れ始めてしまうからです。ケトルベルのトレーニングピリオドが始まる3週間前はケトルベルを持ち上げる気がおきません。なので「やる気」は自分で作る必要があります。
○ Valentine
オフシーズンではトレーニング計画が重要なのでしょうか。
● Ivan
はい、オフシーズンは非常に重要なトレーニング期間であり、その間は競技会には多く参加しません。もちろん、地元の大会に出場して勝ちたいと思うこともありますが、このような野心を取り除き、本当に必要な大会を選んで出場する必要があります。
○ Valentine
年間何回の大会がありますか?
● Ivan
年間約5回の大会です。通常はこれだけ出場する必要はありません。質の高い大会に年3回出場するだけで十分でしょう。
○ Valentine
すべての大会で最高の結果を見せようとしていますか?
● Ivan
はい、もちろんです。いつもとにかく精一杯頑張るようにしています。特に主要な大会の前の大会、たとえばロシア選手権への出場権をかけた大会などは精一杯頑張ります。
見ていてください。今私はベストコンディションには程遠いですが、すでにベストコンディションまで準備は出来ていますし、そのための時間もまだ十分にあります。
コーチについて
○ Valentine
続いてコーチについてお話しましょう。現在は誰があなたの指導をしていますか?あなたのトレーニングプログラムを作成するコーチは誰ですか?
● Ivan
基本的には、私自身でトレーニングプログラムを作るようにしています。他のスポーツのトップアスリートは、個人でやっているとよく耳にします。トップレベルのアスリートはみんなすでに自分自身を理解し自分自身の体の声を聞くことができます。私も同様に自分の体に耳を傾けるようにしています。 もちろんそれが出来ないこともあります。大会が近づいているときにそうなった場合は、他の誰かの意見が必要です。その様な時のコーチはアルカディ・セミョノフです。彼は私と同じジムでトレーニングをしていますが、私は彼に相談します。彼は私の心理的なストレスを取り除いてくれるので、すべてのトレーニングに彼をコーチとして連れて行きたいのですが、これが常に出来るとは限りません。アルカディ・ニコラエヴィチも素晴らしいコーチです。時々、トレーニング中に技術的なミスをすることがあります。そんな時、彼は横から見ていてミスについて教えてくれます。私はいつも他の人の話には耳を傾けるようにします。いつでも初心を忘れずに、さらに成長し、記録を伸ばしていきたいです。
○ Valentine
ハイレベルのケトルベルリフターがコーチなしで自身だけでトレーニングしていると聞いたのはこれが初めてではありません。
● Ivan
もしコーチをつけるならば、同じ目標や同じ考え方を持っているコーチが良いです。そしてコーチ自身もまた自身のコーチングの資質を向上しようとすることが必要で、現状に満足するようなコーチなら、たとえコーチをつけても記録が向上することはありません。ただしコーチが現状に満足せず成長を望む人ならば、その人をコーチにつけることはとても魅力的なことだと思います。
私は1人のコーチだけに教わるのは好きではありません。コーチが変わればトレーニングの方法も変わります。私達の身体は、身体的ストレスや心理的ストレスなど、ある種のストレスに反応し身体を適応させることで強くなります。いつも同じトレーニングをしているのでは身体は強くなりません。
私はそういったストレスを自らにかけるのが好きで、そうすることで強くなると感じています。
ドーピング疑惑について
○ Valentine
さて、あなたは随分とストレスが好きなようですから、ここであなたにとってストレスに感じるであろう質問をします!(笑)
● Ivan
あはは、私はすでにストレスを楽しむことに慣れています(笑)
○ Valentine
あなたのアンチドーピングにまつわる質問です。2019年には、ドーピング防止規則違反の疑いがあるため、ロシア選手権への参加が許可されませんでした。当時は公表されておらず、みんな何があったか理解していませんでしたが、あなた自身が動画を投稿し理由を説明しました。この件が最終的にどのように終わったかを教えてください。
翻訳者注釈及び私見
2018年、ラトビアで開催されたケトルベルスポーツの世界選手権でイワン・マルコフを含む2名のロシア選手にドーピングテストが実施されました。この時の結果は公表されていませんがWADA(世界ドーピング防止機構)の傘下組織であるRUSADA(ロシア反ドーピング機関)が管理し、この結果にアクセス出来るのはIUKLと国の担当者のみであるとされています。翌年4月のIUKLカップに出場した時もこの2名にドーピングテストが実施されました。通常ドーピングは競技後にされますが、この時は競技の前後にドーピングテストが実施されたとされています。そして2019年のロシア選手権で再びドーピングテストが実施され、その時に4月のマルコフのBサンプルが陽性であったと突然告発されました。
この発表がケトルベルスポーツ界に発信された後の2019年12月、WADAはロシア選手団を4年間、オリンピックを含む国際主要大会でのスポーツの禁止を発表しました。またこの時にWADAのコンプライアンス審査委員会はRUSADAが2019年の1月に提出した検査データに対して「多数の矛盾が見つかった」として、RUSADAがコンプライアンスを遵守していないと判断しました。WADAは2016年のドーピングスキャンダル以降、何度もRUSADAのデータベースとBサンプルのデータへのアクセスを求めてきましたが、アクセスが許可された時、すでにBサンプルの陽性のデータと、Bサンプルは完全に消失していたとされています。
これらの注釈内での出来事はあくまで複数の通信社や人物から発信された情報を羅列したものであり、また多くのドーピングテストのデータが隠蔽、廃棄、改ざんされたことから、ドーピングテストを受けたロシアのアスリートが「陽性」か「陰性」か「陰性なのに陽性と判断された」か「陽性なのに陰性と判断された」かを判別することはほぼ不可能となり、真実は永遠に明るみに出なくなったと思います。そして「疑わしきは罰せず」と同様あくまで完全に陽性であるという証明がされた選手以外の全ての選手は「潔白」であると判断しなくてはならないと思います。
● Ivan
結局、すべてが潔白であったから私はここにいてケトルベルスポーツをすることが出来ています。 これは私が困難な状況の中でも自分の資質を示した瞬間の1つであると信じています。
このスキャンダルの時、私は大きな計画を持っていましたが本当に足元をすくわれました。この不利な状況を目の前にした時この状況を打破できるのは私自分自身だけだとを思いました。だから私は「勇敢な漢」となりこの状況を解決することを決断しました。不利な状況をアドバンテージに変えるという強い意志がありました。この状況が解決されると信じ、私はトレーニングを続けながら、コード(世界アンチ・ドーピング規程)に従いました。
私はドーピングテストのBサンプルを直接作成しましたが、テストの結果は「ラボからBサンプルが消失していた」ということでした。Bサンプルがない場合、問題は私の不利にならないように決定されます。現在、主要な大会全てで私はドーピングテストをしています。
その後、サンクトペテルブルクで開催された世界選手権で自分の記録を破ることが出来ました。ジャークの記録は174回で自己ベストではありませんでしたが、それでも大満足の結果です。スナッチは230回で、合計は289ポイントでした。それから3週間後のサンクトペテルブルクのロシアカップではジャーク175回、スナッチ225回でした。 誠実に向き合ってきた結果だと思います。
○ Valentine
その事件の後、あなたは何度かドーピングコントロール(ドーピング検査と検体分析と結果管理の一連の流れ)を通過しましたか?
● Ivan
はい。私はすでに多くのコントロールを通過しました。そしてそれはこれからも続くでしょう。この経験は私をより成長させ心理的に強くさせました。この経験は困難なもので心の奥深くに残っていますが、それでもある程度これらの経験に私は感謝しています。このような経験を糧に私はもっと強くなれましたから!
○ Valentine
あはは、確かにその通りですね!
● Ivan
そうなんです!
2019年の世界選手権での挫折について
○ Valentine
2019年の世界選手権ですが、この時あなたは大きな挫折を経験しました。一体何が起こったのですか?
翻訳者注釈
2019年の世界選手権で彼のジャークの記録は76回、スナッチは86回、バイアスロン合計は119ポイントで7選手中5位と不本意な結果に終わっています。
● Ivan
2019年の世界選手権はスキャンダルの5ヶ月後に開催されました。 この頃、私は非常に大きな心理的ストレスを感じていました。 スキャンダルを解決するために多くの時間を費やしました。それからトムスクのロシアカップでロシア代表チームの資格を得るために競技し勝ちました。セルビアで開催された世界選手権に、またロシア代表チームの一員として出場する機会を与えられたことに感謝しています。 しかし、その時私はまだ多くの悲しみに包まれており、心理的に十分に強くありませんでした。
○ Valentine
心理的に戦うことは難しかったですか?
● Ivan
はい、心理的に非常に大変でした。しかし私は偶然を信じていません。このスキャンダルは、今後私がそのような状況でも対処できるように成長させるための刺激を与えてくれたのだと思っています。
○ Valentine
ワニャ、新基準のケトルベルについての専門家の意見を聞きたいです。
ロストフで開催された直近のロシア選手権では、メーカーが新しいケトルベルのサンプルを発表し、競技は新しいケトルベルを使用して行われました。以前のケトルベルとわずかに異なっていましたが。インターネット上では、「なぜこれが必要なのか」、「なぜ変更するのか」など、多くの議論がありました。形は似ているが、ハンドルの太さが違う(ハンドルが少し太い)という結論になりました。あなたの気持ちを教えてください。 新しいケトルベルでの試技はどうでしたか?
翻訳者注釈
ワニャ(Vanya)はIvanの一般的な愛称。
新基準のケトルベルについて
● Ivan
試技開始前にケトルベルについて多くの議論がありました。しかし、それを議論する必要は私にはありませんでした。バイオリニストのようなものです。4番目の弦が切れたとしても、プロのバイオリニストなら残りの3本で演奏を続けることでしょう。そしてその演奏は素晴らしいもので何が起きたか気づく観客はいません。これがプロフェッショナルです。本番どんなハプニングが起きるかは分かりません。ですがプロフェッショナルならばハンドルが多少太いか細いかは関係ありません。少なくともジャークの時に違いは感じられませんでした。
ケトルベルのハンドルが太い方が私は好きです。なぜなら他の選手によりプレッシャーをかけることが出来るからです。 私は特にスナッチテクニックを集中的に練習しているので、そのような太いケトルベルのリフティングについても熟知しています。ケトルベルのハンドルが少し太かったので、私はテクニックを少し変えて集中力を高めました。そのような太いハンドルではミスは許されません。私はそれを解決し、安定した記録を出すことが出来ました。決して力任せにスナッチしたわけではありません。
○ Valentine
このチャンピオンシップの前に、そのようなケトルベルでトレーニングしましたか?
● Ivan
いいえ。他のみんなと同じように、私はここに来て新しいケトルベルを見ました。
○ Valentine
どのようにテクニックを少し変えましたか? 途中ですか?
● Ivan
途中です。 以前他のジムを訪れた時、そのような直径35mmのケトルベルを使用したことがありました。そのケトルベルを使用してスナッチを10分間行った場合、記録は10~15回程変わることが分かりました。どのようなテクニックを使えば良い記録が出せるかも理解しました。だからうまくいきました。
結論、私たちは決して慌ててはいけないのです。プロフェッショナルアスリートならば、たとえ競技中にバケツで水をかけられたとしても冷静に競技をしなければなりません。ハンドルが太くなろうが小さくなろうが、裁判官がカウントしてくれなかろうが、プラットフォームでバランスを崩そうが、ケトルベルをリフトすることに集中します。何か言いたいことがあれば後で話せばいいのです。
憧れの選手について
○ Valentine
全てのアスリートは憧れの選手がいるものです。今あなたは誰からも憧れるアスリートになったと思いますが、現在またはあなたがケトルベルスポーツを始めたとき憧れの選手はいましたか?
● Ivan
私がケトルベルスポーツを始めたときの憧れの選手はアレクサンダー・コヴォストフでした。私は彼のスナッチが好きです。それからイリヤ・タシュラノフが好きでした。
翻訳者注釈
アレクサンドル・コヴォストフ。世界選手権10回、ヨーロッパ選手権10回、ロシア選手権8回優勝の記録を持ち2021年の7月にリトアニアで開催されたヨーロッパ選手権では自身の持つ世界記録を更新して優勝を果たした。
イリヤ・タシュラノフ。2010年、11年にロシア選手権を2連覇。2015年、当時男子73kg級バイアスロンジャーク159回という世界記録を作った。2019年のヨーロッパ選手権では優勝を果たしたが2021年のロシア選手権は本調子では無かったか最下位になってしまった。
● Ivan
アレクサンダー・コヴォストフのテクニックは独特ですが、エネルギッシュです。
2018年以降、特に憧れの選手はいませんでした。しかしマイケル・ジョーダンのドキュメンタリーの「ラストダンス」を見て、アスリートとしてたくさんのことを教えてもらい学びました。彼は本当にみんなの憧れです。
彼に唯一同意できない瞬間がありました。それは家族の考え方です。 しかし、アスリートとして、理解できる部分もあります。
○ Valentine
あなたがすごいと思うケトルベルリフターはいますか?。
● Ivan
アレクサンダー・コヴォストフです。彼は39歳ですが、いまだに結果を出し続けていますし、若く見えます。それからジョニー・ベニーゼ。説明不要ですね。
翻訳者注釈
ジョニー・ベニーゼ。男子63kg級のバイアスロン選手で、ジャーク、スナッチ、バイアスロン合計の3部門全ての世界記録を持つ。2021年のロシア選手権も優勝し、見事に14年連続優勝という記録を作った。これはもちろん彼以外誰も作ったことがない大記録である。
● Ivan
それからイリナ・マルティナバ。彼女はすごい。若い選手だけれども、すでにケトルベルスポーツの長いキャリアを持っています。
翻訳者注釈
イリナ・マルティナバ。2021年のロシア選手権では女子63kg超級(ロシア選手権は世界選手権よりも階級の数が少ない。女子は63kg級と63kg超級の2階級のみ。)スナッチとロングサイクルに出場し、2種目で優勝した。
● Ivan
それからバラバノフ・セルゲイ。彼はのロングサイクルは本当に強いです。そしからイワン・クラコフ。2人とも私の同志です。
翻訳者注釈
バラバノフ・セルゲイ、イワン・クラコフ、共に2021年のロシア選手権で男子85kg超級(ロシア選手権は世界選手権よりも階級の数が少ない。男子は85kg超級が最重量階級となる。)のロングサイクルを争い、バラバノフ・セルゲイが101回、イワン・クラコフは97回でバラバノフ・セルゲイが優勝した。
最後に
○ Valentine
ワニャ、最後に視聴者のために、素晴らしい結果を達成する方法、トレーニング方法、人生で成功する方法について、一言お願いします。
● Ivan
友よ。みんなが自分のために人生の正しいドアを開けてくれることを願っています。幻想を持って生きてはいけません。真実に対して誠実でいてください。それは不快でビターなものかもしれません。それでもあなたは勇気、知恵、勇気を持っていなければなりません。私はすべての人がそうであることを願います。忍耐強くあれ。
そして、何かをする時は少しずつ段階的に実行してください。小さな一歩でもいずれ大きな成功につながります。これは誰もが知っていることです。しかしそれを実際に実行できる人はほとんどいません。そして、あなたはそれが出来る人です。
お金が必要ないかの様に働きましょう。一度も傷ついたことがないかのように人を愛しましょう。誰もあなたを見てないかのようにダンスをしよう。誰もあなたのことを聞いていないかのように歌いましょう。
友よ。あなたが他の誰かの人生ではなく、あなたの人生を生きることを望みます。 そして、あなたは、あなた自身を刺激するような純粋なエネルギーを手に入れるでしょう、そして信じたことはすべてが間違いなく実現するでしょう。 生き続けましょう!愛し続けましょう!信じ続けましょう!
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