車椅子を走らせて1日中、トイレに走った【ギランバレー症候群の奇跡】19
リハビリパンツになって車椅子でダッシュ!!
「粗相を致しません!」から1週間、芳子の場合、水分は2リットルは飲んでいたので1回の尿の出が多いということで思い切って
「リハビリパンツにして車椅子で毎回トイレに行きたい!」と申し出てみた。
この1週間、粗相をしていないし、主治医、看護師さんたちのOKが出て、「じゃぁ、やってみよう!」とのことでチャレンジが始まった。
車椅子に乗るのはリハビリの時だけだったので3時間ごとの車椅子発車でどうなるか心配だったけれど、布のパンツになるのを夢見て車椅子を走らせた。
車椅子ダッシュもトイレトレーニングも立派なリハビリ。
作業療法士のYSさん(女性)が、トイレに付いてきて芳子がどんな動きをしているか見に来てくれた。
①ベットから車椅子に乗り移る
②足と手を使って車椅子をこぐ
③トイレに入るときどのように車椅子を止めるかチェック
④そしてなんと初めてのトイレトレーニングで便座に手すりを捕まえて座ったらおしっこが出た!!!
やった~~~~やった~~~と雄たけびの声をあげ、ますます拍車がかかった。
人間って便座に座ると反射的に出るようになっていると改めて感心し、うれし涙。。。そんなことあたりまえよって言われそうだけど芳子はトイレでするおしっこは1か月ぶりなのである。
初日が瞬く間にすぎ2日目、3日目と車椅子を3時間ごとにこいでいたらやっぱり疲労した。
仕方ない。今までベットの生活だったのだから。
なので、今度はもう、時間を考えないで尿意を感じたらダッシュ!に変えようと考え車椅子を走らせた。
そうすると、時間に縛られていた分、それがなくなったおかげで気持ちもゆっくりでき、尿意もコントーロール出来るようになった。これには看護師さんたちも驚き、「よく頑張ったね!」と褒めてくれた。
この頃、次の転院先、リハビリテーション専門病院の話が出てきた。
しかし、やっとこの病院でリハビリも順調になり主治医や看護師やスタッフの人たちと仲良くなったのに、ここを離れるのは嫌だと思うようになった。
新しい病院にいけば、また医療関係者の人間関係の構築やその病院の決まり事や病室内の人間関係も新しくする必要がある。これが頭がぼーっとしてよくわからないまま転院するならしょうがないが、頭はハッキリしている状態でやっと慣れたのに。。。と思うと残念である。
それを理学療法士さんや作業療法士さんに相談すると、中途半端のままで家に帰ると「あれが出来ない、これが出来ない」「よく歩けない」など不満や不安が出てくるので
専門の病院に行ったほうが良いと言われた。
理学療法士のTNさんの目標は芳子を立たせることだった。
1か月ちょっとの間の事だけど、TNさんはリハビリの目標を「立つこと」にしていたとあとで知った。
トイレトレーニングの甲斐あって手すりに捕まって立ち、座り、今度は手すり無しで「立つ」ことが出来るようになっていた。
これも夜中のイメージトレーニングのおかげだ。そして少しずつ、手すりを握る力を弱くしていき、ひとりで立ち上がれるように、足先に力を入れてお辞儀するように立つことをイメージしチャレンジしていった。
体操選手がイメトレで試合に出ると聞いたことがあって、芳子もそれを実践し絶対出来る。と信じ、
1,2,3!の掛け声で立てるようになっていったのだ。
トイレに車椅子を走らせ、疲れたけど、自分のことは自分でするということに爽快感を持ち、食事をするときも最初は
①ターンテーブルでベットの上で
食事。
②次は、ベットに座って食事。
③最終目標は椅子に座って食事と出来るようになってきた。
自分を信じてチャレンジしたが、次の転院先でトイレも着替えも食事も立つことも出来るようになっていたいという強い意志があり、そして実現した。
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