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【ギラン・バレー症候群の奇跡】1ミリからのリハビリ 8

治療(免疫グロブリン)はおしまいと突然告げられた。

5日間、毎日1セットづつ、免疫グロブリンを投与したが、首から下は全く動かず、これからどうなるんだろう・・。と思っていた。

主治医のT先生から「新井さんの治療はもう、おしまいだからね」
と言われ何も治る気配はないのにどうして!?と思った。
看護師さんにも「どうして治療をやめるんですか?」と聞いたけれど
「そんなにたくさんやってもね。先生に言われたから、その通りにしなきゃいけないんだ、ごめんね」と言われた。

人生初めてのリハビリ

気持ちが爆発しそうになり、すごい不安が襲ってきた。
私は寝たきりになるのね・・とぼーっと病室の天井を見て、何も考えることは出来なかった。
そこに、看護師ではない違う制服を着た一人の男性が立っていた。

「理学療法士のTNです。
これから新井さんの担当になります。」と挨拶をし、さっそく私の足先と指を持って「何か感じますか?」と聞いてきた。

持ってくれたのはいいのだけれど、
重力に勝てず自分の身体が自分ではないような重い物体に感じた。

足も手も理学療法士さんの手からすべり落ちる。

「触っているということはわかる。だけど弱いような気がする」
強い感覚ではなく、そーっと触っている感覚だ。
「無理しなくていいですからね。
最初は脚のマッサージから始めます」と
人生初めてのリハビリが始まった。

無理しなくていいですよ、
1ミリからはじめましょう。

マッサージを10分ぐらいしただろうか。「では、足の指は動きますか?」と聞いてくる。

頭の中では動かす信号を出しているのだが全く動いていないようだ。

「では、指は動きますか?」とも聞いてくる。
これも頭から信号を出すが
全く動かない。

それを見た理学療法士さんは
「力を入れてみて動かしてみてください」と言ってくる。
私の身体は漫画「巨人の星」の
大リーグボール養成ギプスをつけているような見えないちからに引っ張られているような感覚で、あんなに以前は動いていたのに指先が

1ミリぐらい動いたような気がした。

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