02/14🇺🇸小売売上高

祇園くん

2025年2月18日 19:04

前回 01/16の記事📰

米国国勢調査局レポート📰

米国小売業および食品サービスの速報値
2025年1月の米国小売業および食品サービス売上高の速報値は、季節調整および休日・取引日数の違いを考慮した値(価格変動は未調整)で7,239億ドルとなり、

前月比 -0.9%の減少
前年同月比 +4.2%の増加

となった。
また2024年11月〜2025年1月の3か月間の売上高は、前年同期比で4.2%(±0.5%)増加した。

なお2024年11月から12月の売上高の変化率は、従来の+0.4%から+0.7%へ上方修正された。

小売業全体の売上高

前月比 -1.2%の減少
前年同月比 +4.0%の増加

🔹 業種別動向 🔹
✅ 自動車・部品販売店：前年同月比 +6.4%（±1.8%）の増加
✅ 飲食サービス・バー：前年同月比 +5.4%（±1.9%）の増加

自動車・部品販売店の売上が堅調な伸びを見せ、飲食サービス業も引き続き好調な動きを維持している。
ただし小売業全体としては前月比で減少しており、消費者の支出意欲に慎重な動きが見られる可能性も。

ロイター📰英語版

米国小売売上高が約2年ぶりの大幅減少、冬の寒波が影響か

概要
・小売売上高：前月比 -0.9%(過去2年で最大の落ち込み)
・ 12月売上高：改定値 +0.7%(速報値 +0.4% から上方修正)
・コア小売売上高(自動車・ガソリン・建材・食品サービス除く)：前月比 -0.8%(12月は+0.8%に上方修正)
・工場生産：前月比 -0.1%(自動車生産は -5.2% の急減)

ワシントン 14日ロイター］ - 1月の米小売売上高は、寒波、山火事、自動車不足が重荷となり、過去2年間で最大の落ち込みとなった。

しかし、米商務省が金曜日に発表した予想以上の広範な小売売上の減少は、消費支出の本格的な鈍化を意味するものではない可能性がある。というのも今回の減少は、4か月連続の大幅増加の後に起こったものだったからだ。

12月の売上が大幅に上方修正されたことで、今回の報告の衝撃は多少和らいだ。また、経済学者らは年明けのデータでは季節的な変動を完全に除去するのが難しいと指摘しており、これは1月のCPIにも見られた傾向だった。

彼らは引き続き、FRBが利下げを再開するのは今年後半になるとの見方を維持している。ドナルド・トランプ大統領の政権が打ち出す輸入品への広範な関税政策などが、米経済の先行きに影を落としている。

「この落ち込みは確かに大きいが、いくつかの要因を考慮すれば過度に心配する必要はない」 と、ネイビー・フェデラル・クレジット・ユニオンの企業エコノミスト、ロバート・フリック氏は述べた。

1月の小売売上高は前月比0.9%減 と、2023年3月以来の最大の落ち込みとなった。一方、12月の売上高は上方修正され0.7%増 となった。エコノミストの予想中央値は0.1%減だったが、それを大きく下回る結果となった。前年同月比では4.2%増だった。

1月は全米の広範囲で大雪や凍結が発生し、ロサンゼルスでは山火事が住宅街を焼き尽くすなど、極端な気象条件が影響した可能性がある。

「全米第2の大都市圏であるロサンゼルスの山火事や、その他の地域の極寒の気候が、実店舗での買い物を控えさせた可能性がある」 と、PNCフィナンシャルのシニアエコノミスト、ジェイ・ホーキンス氏は分析した。

一部のエコノミストは、物価上昇や関税を巡る混乱も売上の減少に影響を与えた可能性があると指摘する。

関税が適用される前に駆け込みで購入する動きが、これまでの小売売上を押し上げてきたが、消費者心理は悪化している。ミシガン大学の消費者調査によると、1年先のインフレ期待が2月上旬に15か月ぶりの高水準に上昇し、多くの家庭が「関税の影響を避けるには手遅れではないか」と感じていることが分かった。

「消費者が関税の適用時期を誤解し、すでに始まっていると考えて購入を控えている可能性がある」と、INGのチーフ国際エコノミスト、ジェームズ・ナイトリー氏は述べた。

1月にはメキシコとカナダからの輸入品に対する25%の関税が3月まで延期 されたものの、中国からの輸入品には追加で10%の関税が適用された。さらに、トランプ大統領は今週、 米国の輸出品に関税を課しているすべての国に対し、報復関税を課す計画を検討するよう経済チームに指示した。

ウォール街の株式市場は週末にかけて落ち着きを見せ、ドルは対主要通貨で下落、米国債利回りも低下した。

今回のデータはFRBが早期に利下げを行う可能性を低下させるものとなった。

FRBは1月の会合で政策金利を4.25%〜4.50%に据え置き、昨年9月以降、合計100bpの利下げを実施してきた。2022年から2023年にかけて5.25ポイントの利上げを行い、インフレ抑制を図ってきたが、今後の金融政策は依然として不透明だ。

小売売上の内訳をみると自動車販売が特に大きな落ち込みを記録した。自動車販売店の売上は2.8%減と、12月の0.9%増から大幅に反転。寒波の影響でショールームへの来店が減ったほか、自動車の供給不足も影響した可能性がある。

米国勢調査局の別のデータでは、12月の小売自動車在庫が大幅に減少していたことが明らかになっており、供給不足はしばらく続く可能性がある。

またFRBの発表によると、1月の自動車生産は5.2%減となった。

その他、スポーツ用品・書籍の売上は4.6%減、オンライン販売は1.9%減、建築資材は1.3%減と、幅広いカテゴリで売上が落ち込んだ。

一方、外食産業(レストランやバー)は0.9%増と堅調で、ガソリン価格の上昇 に伴いガソリンスタンドの売上も0.9%増となった。

経済の下支え要因として労働市場の堅調さが挙げられる。賃金の伸びが継続しており、景気拡大を維持する要因となっている。

また、住宅価格の上昇により家計資産が過去最高となっていることも、個人消費を下支えしている。

小売売上高から自動車、ガソリン、建材、外食を除いたコア売上高は0.8%減と、12月の0.8%増から反落。これはGDPの消費支出部分と密接に関連している。

アトランタ連邦準備銀行は、第1四半期のGDP成長率見通しを年率2.9%から2.3%に引き下げた。

「経済の基調的な強さに変化はない」 と、RSM USのエコノミスト、トゥアン・グエン氏は述べた。「この強さが続くなら、今後数か月で小売売上は回復するだろう」としている。

https://www.reuters.com/markets/us/us-retail-sales-fall-sharply-january-2025-02-14/

ロイター📰日本語版

米小売売上高、1月は0.9％減　山火事や寒波で約2年ぶりの大幅減

[ワシントン 14日ロイター] - 米商務省が14日発表した1月の小売売上高(季節調整済み)は前月比0.9%減少した。厳しい寒波や西部カリフォルニア州で発生した大規模な山火事などが響き、2023年3月以来の大きな減少となった。第1四半期初めに米国の経済成長が急激に減速した可能性がある。

エコノミスト予想は0.1%減。昨年12月は0.7%増に上方改定された。1月は前年比では4.2%増加した。

売上高の落ち込みは広範囲に及んだ。エコノミストは、輸入関税による物価上昇と不透明な経済見通しが、消費者に財布のひもを締めさせていると推測している。関税で商品の価格が上昇するとの見通しから先回り買いが先行したことで、ここ数カ月は小売売上高が伸びたが、消費者心理は悪化している。

＜FRB利下げ休止見通しは変わらず＞

INGの主任国際エコノミスト、ジェームズ・ナイトリー氏は「おそらく人々は関税の話に混乱し、関税がすぐに適用されると考え、購入を検討すらしていないのだろう。これがより慎重な消費行動の始まりなのか、それとも単に天候に関連した反動なのかを知るには、2月のデータを待つ必要がある」と述べた。

ただ、昨年12月の小売売上高が大きく上方修正されたことで、1月の減少の影響は緩和。年末年始に特有の季節変動要因を除外することは困難なことも踏まえ、FRBは下半期まで利下げを休止するとの観測は変わっていない。

PNCファナンシャルのシニアエコノミスト、ジェイ・ホーキンス氏は、米国第2位の都市圏であるカリフォルニア州ロサンゼルス近郊で山火事が発生したことや、他の地域が厳しい寒波に見舞われたことで、実際に店舗を訪れる買い物客が減った可能性があると指摘。ネイビー・フェデラル・クレジットユニオンの企業エコノミスト、ロバート・フリック氏は「(1月の)落ち込みは劇的だったが、衝撃を和らげる数点の要因があり、警戒する必要はない」と述べた。

RSM・USのエコノミスト、トゥアン・グエン氏は「経済の基調的な強さはほとんど変わっていない。この力強さが継続すれば、向こう数カ月で小売り売上高は回復する」との見方を示した。

＜自動車や建設資材など減少、飲食店は増加＞

自動車販売店の売上高は2.8%減少した。12月は0.9%増だった。家具は1.7%減、衣料品小売店は1.2%減少だった。

スポーツ用品、趣味用品、楽器、書店は4.6%急減した。一方、雑貨小売店は0.2%増した。

オンラインストアの売上高は1.9%減少した。サービス部門として小売統計に唯一含まれる飲食店は0.9%増加した。12月は0.1%の小幅増だった。エコノミストは外食を家計の重要な指標とみなしている。

建築資材は1.3%減少した。氷点下の気温が足かせとなったとみられる。ガソリンスタンドは0.9%増加、電気店は0.7%減少した。

自動車、ガソリン、建築資材、食品サービスを除く小売売上高は0.8%減。12月は0.8%増に上方改定された。

Bloomberg📰日本語版

米小売売上高、１月は約２年ぶりの大幅減－幅広い分野で落ち込む

1月の小売売上高は前月比0.9％減－市場予想0.2％減
13分野のうち9分野で減少－自動車やスポーツ用品など特に落ち込む

1月の米小売売上高は市場の予想以上に減少。ここ2年近くで最大の落ち込みとなった。昨年終盤は堅調な伸びを示していたが、2025年に入り消費が急減速したことが示唆された。

キーポイント

米小売売上高は前月比0.9％減
- 市場予想は0.2％減
- 昨年12月は0.7％増(速報値0.4％増)に上方修正

　　自動車を除いたベースでは0.4％減少した。

13分野のうち9分野で減少。特に自動車やスポーツ用品、家具で落ち込みが目立った。1月には全米第2の都市圏を持つロサンゼルスの一部が、山火事により壊滅的な被害を受けた。また厳しい寒波に見舞われた地域もあり、そうした地域では実店舗での購買が落ち込んだ可能性がある。

小売売上高の発表後、米国債利回りは低下し、ドルは下げ幅を拡大。円は対ドルで一時152円ちょうど近辺まで上昇した。

昨年終盤の数カ月は、堅調なホリデーシーズンを背景に小売売上高は強い伸びを示していた。

1月は多くの分野で幅広く減少したことから、暴風雪や山火事以外の要因も影響した可能性があることが示唆される。消費者は根強いインフレや高い借り入れコストへの対応を迫られており、支出を支えるためにクレジットカードなどの債務に頼るケースが増えている。さらに、そうした債務の返済延滞率は上昇し始めている。

1月のCPIが強い内容となったこともあり、FRBのパウエル議長は今週、利下げを急がない姿勢を改めて示した。

ウェルズ・ファーゴのエコノミスト、ティム・クインラン、シャノン・グライン両氏はリポートで、「家計では債務の増加が続いているが、家計部門の財務状況はおおむね良好だ。消費は今年に入りまずまずのペースで伸びており、所得の増加がそれを支えている」と分析した。

関税

さらに、トランプ大統領はさまざまな財に輸入関税を賦課する意向で、これは最終的に消費者に波及し得る。パンセオン・マクロエコノミクスの米国担当シニアエコノミスト、オリバー・アレン氏は、関税の見通しを背景に最近数カ月には一部で高額商品の在庫を増やす動きも見られたが、1月に家具やスポーツ用品、電子機器、家電の売り上げが減少したことから、そうした勢いは薄れつつあることが示唆されると分析する。

アレン氏はリポートで、「新たな関税を見越した前倒しの動きにより、昨年終盤は消費者の支出が基調的なトレンドを上回る水準に引き上げられた可能性が高いが、結果としてその後はトレンドを下回る水準に落ち込んだ」と記した。

関税はこの先、小売売上高統計をゆがめる恐れがある。小売売上高はインフレ調整されないため、統計で増加が示されてもそれは販売活動の活発化ではなく、単に物価の上昇を反映しているに過ぎない可能性がある。

GDPの算出に使用される飲食店と自動車ディーラー、建設資材店、ガソリンスタンドを除いたコア売上高(コントロールグループ)は0.8％減と、2023年3月以来の大幅な減少率となった。

小売売上高は、消費支出全体に占める割合が比較的低い財の購入を主として反映している。28日に発表される1月の個人消費支出(PCE)で、インフレ調整後の財・サービス支出の詳細が明らかになる。

小売売上高統計で唯一のサービス分野の項目である飲食店は1％近い伸びとなった。